PJA NEWS2018年11月17日
パタヤのヘルズエンジェルのメンバーで、薬物事件で摘発されていたオーストラリア人のLuke Cook(34歳、クック)と、そのタイ人妻のKanyarat Wechapitak(40歳)に、バンコクの裁判所で今週、死刑判決が下されました。
以下のバンコクポストが本日、伝えています。
Bangkok Post)Ausie, Thai wife sentenced to death in drug case (2018年11月18日)
バンコクポスト)オーストラリア人とタイ人妻、薬物事件で死刑判決
https://www.bangkokpost.com/news/crime/1577610/aussie-drug-smuggler-sentenced-to-death
クック(右)とタイ人妻(左)
写真:タイ警察
(ヘルズエンジェルズについて)
報道ではパタヤの”ギャング”と書かれています。
主に白人が中心となった、日本で言う暴走族や暴力団のような存在として認知されており、現地のタイ警察においても取り締まりが強化されているのがヘルズエンジェルズです。
タイ警察によると、ヘルズエンジェルズは観光客に紛れてタイに潜伏し、マネーロンダリング、暴行、違法薬物、人身売買などを行っているとして取り締まりを強化しています。
昨年12月も以下のように、ヘルズエンジェルズへの大規模な摘発で4人を逮捕した事が報じられています。
Bangkok Post)Hells angels members busted in Pattaya(2017年12月6日)
バンコクポスト)ヘルズエンジェルのメンバーがパタヤで逮捕される
https://www.bangkokpost.com/news/crime/1373492/hells-angels-members-busted-in-pattaya
ヘルズエンジェルズのクックによるタイでの犯行と、今週のタイでの死刑判決は、オーストラリアメディアでも、パース出身のクックの犯罪として大きく報じられています。
The West Australian)パースの男と妻が、500Kgの覚せい剤をタイを通して密輸を試み失敗、死刑判決が下る。 (2018年11月14日)
https://thewest.com.au/news/court-justice/perth-man-wife-sentenced-to-death-for-failed-bid-to-bring-500kg-of-ice-through-thailand-ng-b881020609z
他にも、同じウエストオーストラリアンの記事で、以下などに詳しい記事が報じられています。
https://thewest.com.au/news/crime/veneer-of-boats-bars-and-baht-fell-apart-for-luke-cook-ng-b881018367z
タイメディアを中心に各報道をまとめると、概要はおおよそ以下の通りです。
クックは逮捕されるまで、タイ人妻とパタヤを中心にした生活を送っており、パタヤでバーを購入し運営したり、マリンスポーツのボート、ヨットなどをリースする事業をしているとして、パタヤで成功したビジネスパーソンを装っていました。
逮捕前のクックとタイ人妻
クックはこの写真をFacebookにあげていた
しかし判決によると、実際にはクックはパタヤのヘルズエンジェルズのメンバーであり、2015年6月22日にはヨットを使って公海上に赴き、中国から約500Kgの覚せい剤を購入し、それをタイに持ち帰ろうとした所、沖合でタイ海軍のパトロール船に見つかり、約500Kgの覚せい剤を海に捨てて逃亡しました。
その後、海岸からは捨てられた約50Kgの流れ着いた覚せい剤が発見されました。
その後、ヘルズエンジェルズへの摘発が激しさを増していた2017年12月10日、クックとタイ人妻はスワンナプーム空港に現れた折に、タイ警察に逮捕されました。
クックは、2015年にヘルズエンジェルズのボスであるシュナイダーを殺害して殺人罪で有罪となっているアントーニオを、カンボジアに逃亡させた罪で既に3か月の懲役刑を受けており、その後は約500Kgの覚せい剤を密輸しようとした薬物事件の罪に問われていました。
今週、この薬物事件について死刑判決が下りました。
クックとタイ人妻の弁護士は判決を受けて、薬物事件の証拠は不十分だとして30日以内に控訴し、争うとコメントしています。
尚、タイ警察は昨年末にクックへ捜査をした際、資産として約3000万バーツ相当額を押収したとしています。
これが報道されている概要です。
ヘルズエンジェルズも、タイ警察がマネーロンダリングでも収益を上げているとして取り締まりを強化している集団です。
このようにマネーロンダリングが容疑となる事件の被疑者は、成功したビジネスパーソンのように装いたがることが多いものですが、これはどの国でも同じなのかもしれませんね。
先日の、以下記事でも取り上げたアメリカの司法省(Department of Justice)やFBIによるTan Wee Bengのケースでも同様です。
過去記事)米司法省、タイが舞台のマネロン等容疑で訴追(2018年10月26日 PJA NEWS)
日本からタイへのマネーロンダリングが疑われる事件でも、同様に”成功した”ビジネスパーソンを装った人間が登場する事が多くあります。
パタヤでもタイでも、このような”成功したビジネスパーソンを装う”人物の話は鵜呑みにはせず、注意をされるのが良いのではないでしょうか。
そしてマネーロンダリングは各国の警察にも、取り締まりの強化を求めたいものです。
追記)昨日のPJA NEWSで、タイの土地家屋税の改正法案がNLAで投票される事をお伝えしましたが、昨日NLAで可決されました。
これにより、2020年1月1日より土地家屋税は改正法が施行される見込みとなりました。
もっともタイの場合、この見込みも変わる事は十分ありえますので、今後の推移は現地報道などご注意下さい。
Bangkok Post)Land and building tax legislation passed by NLA (2018年11月16日)
バンコクポスト)土地家屋税がNLAで可決される。
https://www.bangkokpost.com/news/general/1577082/land-and-building-tax-legislation-passed-by-nla
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