PJA NEWS2018年11月18日

タイニュースで、日本のキー局である日本テレビが、タイの”祭り”としてカリフラワー祭りをねつ造したフェークニュースを流していた問題を大きく報じています。

タイの大手メディアのバンコクポストも、昨日にこの日本のフェークニュース問題を伝えています。

Bangkok Post)Nippon TV apologized for fake Thai “festival” (2018年11月17日)
バンコクポスト)日本テレビ、タイの”祭り”をねつ造した問題を謝罪
https://www.bangkokpost.com/news/general/1577594/nippon-tv-faked-festivals-on-show

上記のバンコクポストの記事のソースは共同通信の国際版ですので、日本での論点もかなり正確に報道されていますね。

この問題はタイの文化のねつ造ですが、タイニュースだけでなく、東南アジア各国のニュースに報道が広がっています。

以下はSouth China Morning Postの記事で、この問題を報じています。

報道内容の概要は以下の通りです。

(東京)日本テレビネットワークは、イッテQの祭り企画において、タイの”カリフラワー祭り”など複数の祭りがねつ造だったことが明らかとされた事を受けて、祭り企画を当面休止する事を発表しました。

ねつ造の問題は今月初めから週刊文春によって報じられ、祭りがテレビ局側からねつ造されて報道されていた実態が明らかとなっていました。

日本テレビの番組の”世界の果てまでイッテQ!”は、世界のユニークな祭りに参加する祭り企画を実施しており、その祭り企画で、2月にはタイで”カリフラワー祭り”を放送、5月にはラオスの祭りとして、木の橋を渡る祭りを放送していました。

この”イッテQ”のバラエティーショウは日曜に放送され、約20%の高い視聴率(関東圏での集計数値)を得ており、日本テレビで最も人気があるプログラムとなっていました。

日本テレビの大久保社長は記者会見で、「疑惑や心配を招いた事を謝罪します」と述べましたが、一方で、番組のねつ造を否定しています。

大久保社長は「セットを作ったり、祭りを企画する意図はなかった」と語りました。

「番組の制作チームは、フェスティバルのコンセプトをあまりにも広く解釈するようになり、視聴者が”祭り”としてイメージするのは難しいようなものまで、祭りとして放送していました。」

また、大久保社長は「海外での撮影コーディネートを担当する会社が、現地に祭りを企画、提案し、祭りの実施のための賞金の支払いなどを実施していた」と語りました。

大久保社長は、社内調査でこれまでの110の放送された番組の祭り企画を調べ、関係者の処罰をするかどうかを検討するとしています。

日本のBPO(放送倫理・プログラム改善機構)は、日本テレビに調査結果を報告するよう要求しています。

日本のテレビ業界には現在、オンラインメディアやソーシャルネットワークが台頭し、特に若者たちがテレビから離れている中で、テレビメディアが人々の信頼を失ってしまうという懸念があります。

「(テレビ)業界では許されると思われている演出やねつ造も、視聴者の信頼が損なわれてしまう時代になった」と、キー局の幹部は語りました。

「視聴者の厳しい視線を、テレビ局側は気づかなければならない」

同志社女子大学でメディア論を担当する影山教授は語ります。「プロデューサーは、ニュースとバラエティ番組は違うものだと思う傾向があるが、視聴者にとっては同じテレビ放送だと思う。テレビ制作者側は、それを決して忘れてはならない」

ここまでが記事の概要です。今回は、ほぼ全文を訳しました。

 

ニュースはタイだけでなく、東南アジア各国の海外メディアが取り上げています。

以下はSouth China Morning Postの記事です。

South China Morning Post)Top Japanese Variety show “made up” foreign festival content (2018年11月17日)
サウスチャイナモーニングポスト)日本の視聴率トップのバラエティーショウ番組、海外の祭りをねつ造
https://www.scmp.com/news/asia/east-asia/article/2173702/top-japanese-tv-variety-show-made-foreign-festival-content

 

日本でも、この問題は大きく報じられていますが、やはり日本メディアだけでなく、海外メディアも続々と報じる事態となりました。

日本の今週の報道は、以下に一例としてANN NEWSの動画を紹介します。

ANN News CHより)

 

世界的に、フェークニュースは大きな社会問題となっています。

アメリカでは大統領選に大きな影響を与えてしまったという事態にいたっていますし、タイでもPJA NEWSの過去記事の通り社会問題として取り上げられています。

過去記事)2018年10月15日
PJA NEWS)プラユット首相、旅行者からの信頼を得られるよう指示
https://pattayaja.com/2018/10/15/%e3%82%bf%e3%82%a4%e3%83%8b%e3%83%a5%e3%83%bc%e3%82%b9%e3%82%88%e3%82%8a%e3%83%97%e3%83%a9%e3%83%a6%e3%83%83%e3%83%88%e9%a6%96%e7%9b%b8%e3%80%81%e6%97%85%e8%a1%8c%e8%80%85%e3%81%8b%e3%82%89%e3%81%ae/

過去記事)2018年11月6日
バンコクで人肉レストラン!?フェークニュースで問題に
https://pattayaja.com/2018/11/06/pja-news%e3%83%90%e3%83%b3%e3%82%b3%e3%82%af%e3%81%a7%e4%ba%ba%

このように、いろいろな面でフェークニュースが問題視される中で、日本の大手テレビ局が起こしたタイのフェークニュース問題。

日本のメディアの一部に、この問題の重要性を理解していない人間がいるのが、本当の問題だと感じるニュースです。

 

日テレイッテQの”カリフラワー祭り”の撮影が行われた、タイのペッチャブーン県サイオン村入り口
サイオン村は世帯数約90の小さな村ですが、村民たちは”カリフラワーの収穫祭り”など無いと答えていた。
写真:PJA NEWS

サイオン村の中で、村民たちが”カリフラワー祭り”の撮影が行われたとする場所
参加した村民たちも、これが「祭り」として日本で報道されている事自体を、尋ねても知らなかった。
写真:PJA NEWS

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