2018年11月20日
PJA NEWS)バンコク・トンロー署の警官2名が収賄容疑、PACCも捜査へ

タイの現地報道Nationの昨日の報道によると、バンコクの日本人居住区であるトンロー地区の所轄警察署であるトンロー署で、署の警察官2名が、香港人旅行者から2万バーツと500USドルの賄賂を支払わせていたという収賄の容疑が申立られ、捜査が始まった事を報じています。

Nation)Two Bangkok policemen suspended, probed for allegedly extorting money from Hong Kong tourist (2018年11月19日)
Nation)バンコクの警官2名、香港人旅行者から金銭巻き上げの容疑
http://www.nationmultimedia.com/detail/breakingnews/30358843

報道の概要は以下の通りです。

42歳の香港人旅行者がトンロー署の警察官二名による金銭巻き上げ被害を訴えています。

訴えの内容によると”今月の11月5日の月曜日、バンコク、トンローのソイ21~23のあたりをレンタルバイクで走行していた所、トンロー署の警官2名に呼び止められた。トンロー署の警官二名は香港人旅行者に運転免許証とパスポートの提示を求め、旅行者は応じて提出した。しかし警官二名は香港人旅行者を開放せず、香港人旅行者の部屋の捜索をしたり、その後はトンロー署で取り調べを行うなどし、香港人は賄賂を払わなければ開放されないとして、2万バーツと500USドルの現金を支払わされた。支払い後に解放された。”というものです。

翌日の11月6日、香港人旅行者はトンロー署の警察官の友人からアドバイスを受け、苦情として申立を実施しました。

11月9日、苦情申立は正式にサインされ有効となり、バンコク警察は、このトンロー署の2名の警察官がSuyan Phakdeekaew氏とWutthipat Chuenjampa氏であると特定し、即時に解雇しました。(被疑者二名は実名で報道されているので、被疑者は報道の通り氏名を記載します)

その上で、警察とPACC(*1)が本件を捜査しています。

というのが、報道されている内容の概要です。

 

タイで日本人が最も多いと言われるトンロー地区の管轄警察署の警官による収賄被疑事件ですので、日本人社会での反響も大きな事件となっています。

また、警察とは独立した政府系組織であるPACC(*1)(公的腐敗防止センター)が捜査に乗り出した事が大きく報じられている事で、今後の捜査の進展にも注目があつまります。

(*1)PACCとNACCの位置づけや、タイの腐敗防止法の改正と取り組みについては以下の過去記事を参照
PJA NEWS)プラウィット副首相の腕時計問題、NACCが報告書を受領 (2018年11月3日)
https://pattayaja.com/2018/11/03/pja-news%e3%83%97%e3%83%a9%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%83%83%e3%83%88%e5%89%af%e9%a6%96%e7%9b%b8%e3%81%ae%e8%85%95%e6%99%82%e8%a8%88%e5%95%8f%e9%a1%8c%e3%80%81nacc%e3%81%8c%e5%a0%b1%e5%91%8a%e6%9b%b8/

上記過去記事でもある通り、2015年の法改正により現在、タイの公務員の収賄罪は最高刑が死刑の重罪ですので、現地での注目度も高まっています。

日本人街を管轄するトンロー署も、PACCが取り締まりに動くとなる事で、だいぶ規律の引き締めが進むのではないでしょうか。

尚、トンロー署の名誉のために補記しますが、トンロー署としては、これをきちんと苦情として申し立てるようにアドバイスしたのもトンロー署の刑事課の警官の方ですし、トンロー署としては賄賂で腐敗した人間がいるなら、そこをしっかり対応して除去しておこうというスタンスとPJA NEWSでも聞いています。

このようなニュースがタイ国内メディアで流れるということは、腐敗を直そうとする動きがあるという意味でもありますし、大部分のトンロー署の警察官は真面目に業務をしてくれていますから、そこは誤解がないように明記しておきます。

これは、パタヤ地区のパタヤ署も同様で、取締がされているというニュースがきちんとタイメディアでも報じられています。

 

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