PJA NEWS)2018年12月2日

タイ政局、選挙区割りで紛糾!不透明な展開に

来年2月に選挙の実施を予定しているタイの政治動向ですが、選挙区の区割りが不公平だと紛糾しています。

選挙区については一昨日の現地英字メディアのBangkokPostで、選挙区の区割りの内容の図解説明と、その分け方が軍政に有利であり不公平だという批判の声があることを伝えていました。

Bangkok Post)EC Poll map splits views (2018年11月30日)
Bangkok Post)選挙区の区割り、主張に合わせて分けられる

https://www.bangkokpost.com/news/politics/1584702/ec-poll-map-splits-views

これまでの現地報道によると、選挙区の準備の一つとして選挙区の区割りを実施するため、11月16日に軍政に絶対的な強権を付与する超法規的条項の暫定憲法44条が発動され、それに基づいてNCPO(タイ国家平和秩序評議会)が選挙区割りを進めており、その区割りが発表されました。

参考)NCPO(タイ国家平和秩序評議会)
http://www.thaigov.go.th/

11月16日の暫定憲法44条の発動では、NCPOが超法規的に12月11日まで選挙区の区割りを改変する事が可能となっていました。加えて、選挙区の区割りについて、より多くの声を聞く為にNCPOが時間を取る事が可能となっています。

この状況の中で、一昨日に報道された選挙区の区割りがあまりにも軍政に有利になっているとして、批判が噴出しているものです。

これを受けて昨日、同じBangkokPostの記事で、プラユット首相が批判の声にウンザリしている事が伝えられています。

Bangkok Post)Prayut irked by criticism of polling map (2018年12月1日)
Bangkok Post)プラユット首相、選挙区割りへの批判にウンザリ
https://www.bangkokpost.com/news/politics/1585394/prayut-irked-by-criticism-of-polling-map

報道によると、11月30日の金曜、プラユット首相は選挙区への批判に対し「新しい選挙区の区割りは、現状までの各地域の人口増減などを反映している」「選挙区がどう分かれていようと、選挙により選ばれなければ勝てないのだから、投票を得られるかどうかを考えるべきだ」とコメントした事を伝えています。

このような動きを受けて、もう選挙予定日まで3か月を切っているのに、選挙区すらもままならない現状や、NCPOがヒアリングに時間を取ることが暫定憲法44条で認められている事から、それを理由に選挙がまた延期される可能性が現地メディアでも取りざたされています。

プラユット首相は今週も、ドイツでメルケル首相に来年二月の選挙実施を約したものの、その実施について懐疑的な声は小さくなく、今後の来年2月の選挙の実施や民主化の時期は不透明な様相を呈しています。

ドイツでのメルケル首相との会談(写真:ドイツ連邦政府)

そのような状況を解説した記事が、本日のBangkokPostに掲載されています。

Bangkok Post)The political class (2018年12月2日)
Bangkok Post)政治的階級闘争
https://www.bangkokpost.com/opinion/opinion/1585926/the-political-class

執筆者がALAN DAWSON氏という外国人の方のため、外国人にわかりやすい解説記事になっていますね。

記事では、もともとプラユット首相は政権発足直後の2014年にも日本の安倍首相に対して、2015年の選挙実施を約束したことを指摘しています。

その上で、その後には2016年の憲法投票の後、2017年には”来年”の2018年に選挙を行うとアメリカのトランプ大統領に誓った事を指摘し、これらは2018年まで、いずれも反故にされている実態を描いています。

また、記事ではPJA NEWSでも以下の11月29日付け記事で少し解説した、タイメディアが”民主主義”の実現を約束したか、単に”選挙”の実現を約したかにこだわる点も解説されています。

「プラユット首相は”選挙は民主主義と等しい”とする、使い古された古典的なトリックを使った。」「これは、これまで数世紀にわたって世界中の独裁者により使われてきたトリックだ」(上記のALAN氏の記事より翻訳し引用)

過去記事 PJA NEWS)プラユット首相、メルケル首相に来年2月の選挙実現を約束 (2018年11月29日)
https://pattayaja.com/2018/11/29/pja-news%e3%83%97%e3%83%a9%e3%83%a6%e3%83%83%e3%83%88%e9%a6%96%e7%9b%b8%e3%80%81%e3%83%a1%e3%83%ab%e3%82%b1%e3%83%ab%e9%a6%96%e7%9b%b8%e3%81%ab%e6%9d%a5%e5%b9%b42%e6%9c%88%e3%81%ae%e9%81%b8%e6%8c%99/

 

このような解説記事があると、タイメディアにおいて、プラユット首相が約したのが「民主主義」の実現なのか、「選挙」の実現なのかにこだわった理由がわかりやすいですね。

それにしても、もう選挙まで3か月もないのに、選挙区の区割りも確定していなかった中で選挙実施の準備は間に合うのでしょうか?

選挙区が決まらないと、それぞれの選挙区で、どの部門の誰が、どう管轄、管理して、どこを選挙会場として、適正に管理し実施するのか、そんな基本的な中身を詰める作業も出来ないはずなんで、それをこれから短期間で実施するという事となるのでしょうか。

上記の今日のBangkokPostのALAN氏の表現を引用すると、”マンチェスターシティよりも長く連勝を続けている”タイの現プラユット政権のもとで、不透明な展開になってきている来年2月の選挙に向けての動きは今後どうなるのか、さらに注目が集まります。

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