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PJA NEWS)ニュースクリップが虚偽報道か!?先月にNIDAが支持政党調査を実施と報道





2019年1月3日 PJA NEWS)

ニュースクリップが虚偽報道か!?NIDAが12月に支持政党調査を実施と報道

日本語でタイニュースを報じているニュースクリップ(発行者:Necos ( Thailand ) Co., Ltd.、所在地:Condo Baan Phrayaphirom, Bldg., C, 316/98-99 Soi Ratchadaphisek 36 Yaek 11, Chankasem, Chatuchak, Bangkok 10900)が本日、「タイ政党支持率 タクシン派28%、軍政派17%」と題するニュースを報じ、これが虚偽報道ではないかと、特に報道関係者の間で大きな話題となっています。

ニュースクリップの記事は以下のものです。
(以下は変更されないよう、本日の時点でウェブ魚拓として記録されたものです。)

ニュースクリップ)タイ政党支持率 タクシン派28%、軍政派17% (2019年1月3日) <ウェブ魚拓版>
https://megalodon.jp/2019-0103-1447-52/www.newsclip.be/article/2019/01/03/38572.html

記事ではタイトルに「タイ政党支持率」として書かれており、タクシン派の支持率が28%なのに対し、軍政派が17%と、大きく引き離されている事が書かれています。

ネットニュースの場合、Googleなどの検索結果の画面ではタイトルのみがニュースとして流れますので、このタイトルを元に、12月にタイの世論調査結果で政党支持率においてタクシン派が躍進していると多くの日本人が理解しています。

このニュースを受けて、本日は筆者も多くの問い合わせをいただきました。

なぜ問い合わせを受けたかというと、そもそもNIDAは政党支持率調査を、先月の12月に実施してなどいないからです。

政党支持率調査をそもそも調査もしていないのに、なぜ政党支持率のニュースがニュースクリップから出されたのでしょうか?

 

NIDAでは先月の12月24~26日に18歳以上の1,252人を対象とした世論調査を実施し、そこで どの政党から新年のプレゼントを欲しいですか? という趣旨の質問文を対象者に聞いていました。

この調査結果はNIDAから先月の末に公開された以下のもので、勿論PJA NEWSでも以下の資料は入手していました。

2018年12月28日発表NIDA世論調査結果(タイ語資料)
(NIDAから公開されている資料は、以下からダウンロードしてください。)
20181228_NidaPoll001

調査時期と結果が一致することなどから考えると、ニュースクリップはこの調査結果の上記の質問項目の回答を、政党支持率だとタイトルにして本日配信したのではないかと考えられます。

 

しかし、このニュースの報じ方には問題があります。

それは、そもそもNIDAが調査したのは政党支持率ではないという点です。

NIDAが政党支持率として調査したのであれば、前回の11月のNIDA世論調査の折のように支持政党を定義された聞き方で聞かなければいけません。

(前回の11月のNIDA世論調査結果については以下の過去記事をご覧ください。)

PJA NEWS過去記事)タイの選挙予測調査結果、衝撃の首位入れ替わりに! (2018年11月26日)
https://pattayaja.com/2018/11/26/pja-news%E6%9D%A5%E5%B9%B4%E3%81%AE%E3%82%BF%E3%82%A4%E9%81%B8%E6%8C%99%E4%BA%88%E6%B8%AC%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E7%B5%90%E6%9E%9C%E3%80%81%E8%A1%9D%E6%92%83%E3%81%AE%E9%A6%96%E4%BD%8D%E5%85%A5%E3%82%8C/

今回の12月のNIDAの調査で、支持政党を聞かずに先のような聞き方の質問文にしたのは、そもそも支持政党を尋ねて、政党支持率を調査する主旨の質問ではないからです。これはたとえ、仮に上記の質問文が支持政党を尋ねるのと近い意味で解釈される事がありえるものであっても、この結果を「政党支持率」として報道してよいデータではありません。

NIDAが政党支持率を調べるなら、前回の11月と同様に「支持政党はどこか」という質問をし、調査をしています。
このためPJA NEWSでもNIDAの上記の調査結果を把握していましたが、当然ながら、これをもって「政党支持率」がどうなったかという記事は書いていません。

つまりニュースクリップは、NIDAによる政党支持率を調べる世論調査なんてされていないにも関わらず、NIDAによる調査結果だとして「政党支持率」が変化したというタイトルをつけて、報じたのではないかという疑惑が持たれているものです。

 

ここで誤解を招かないように明記しますが、PJA NEWSとしては、報道でもミスがある事自体は、人間のする事なんですから、あって当たり前の事だと考えています。

そもそもPJA NEWS自身は開始してまだ3か月程度の小規模媒体で、まだチェッカーすらもいませんから、誤字脱字のミスなんてしょっちゅうですし、細かいミスレベルの話は多数あります。

そして勿論、単なるミスであれば、それはメディアとして必要ならきちんとした謝罪をし、訂正すれば、メディアの姿勢としても十分だと考えています。

しかしながら、実際には存在しないものを、存在するという趣旨でねつ造や虚偽の報道がされる事や、誤った報道が指摘も訂正もされずに、そのままニュースとして垂れ流され続ける事があるとすれば、これは問題ではないかと考えています。

上記のニュースは、そのタイトルに、NIDAが調査もしていない「政党支持率」だとタイトルにしてニュース配信し、多くの日本人が、政党支持率の変化が発表されたと理解しているものです。

また、現在タイは民主化を進めていますが、民主主義国家において選挙結果とは国政にも大きな影響を与えるものであり、その選挙に影響を与えうるのが政党支持率などの選挙予測のニュース報道です。

そのニュースで、日本語のタイニュースとしては大手のメディアが、政党支持率ではないNIDAの調査結果の数値を「政党支持率」だとしてタイトルにし、選挙前の今にニュース配信しているとしたら、これは存在しない政党支持率の調査結果をねつ造する趣旨の内容であって、流石に問題ではないかと思います。ましてや、今はタイも含めて世界的にFake News(フェークニュース)が問題となっている折なのに、です。

ニュースクリップの本日の上記のニュースがどのようなものか、PJA NEWSでは現在、各方面に取材をしており、ニュースクリップの対応も含め、より詳細が分かり次第、今後の推移を確認し続報を掲載の予定です。

最後に、今後本ニュースの詳細が判明するまでは、ニュースクリップが本日配信した上記の記事については、安易には信じられない方がいいであろうと考えていることを、筆者の見解として記載します。

 

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