2019年1月20日 PJA NEWS)

バンコクでの抗議デモ、衝突を回避

以下のタイの選挙関連の報道について、続報をお伝えします。

PJA NEWS過去記事)プラユット首相、選挙遅延を認める (2019年1月17日)
https://pattayaja.com/2019/01/17/pja-news%e3%83%97%e3%83%a9%e3%83%a6%e3%83%83%e3%83%88%e9%a6%96%e7%9b%b8%e3%80%81%e9%81%b8%e6%8c%99%e9%81%85%e5%bb%b6%e3%82%92%e8%aa%8d%e3%82%81%e3%82%8b/

昨日の2019年1月19日(土)、タイで早期の選挙実施を求めるグループによる抗議デモが民主記念塔で予定されていましたが、現地報道によると、ここでの対立勢力との衝突は回避されました。

タイ現地大手英字メディアのBangkok Postが昨夜、以下のように伝えています。

Bangkok Post)Clashes averted at opposing election rallies (2019年1月19日)
Bangkok Post)抗議デモ、衝突は回避
https://www.bangkokpost.com/news/politics/1614094/clashes-averted-at-opposing-election-rallies

報道によると、早期の選挙実施を求めるグループは昨日の1月19日午後3時に、民主記念塔の近くのマクドナルド前に集合し、抗議デモの予定でしたが、これに対して1月18日(金)、ランカムヘン大学の学生会が声明を発表し、この抗議活動の中止を求めていました。同声明は、5月に国王陛下の戴冠式が予定されている中で、社会に不安や混乱の要因となりかねない行為は行うべきではないとしています。

これを受けて、早期の選挙実施を求めるグループは民主記念塔での集合を中止し、集会をタマサート大学に移しました。

これにより、軍政寄りの勢力との衝突は回避されました。

一方で民主記念塔には、軍政寄りで団結を呼びかけるグループが約50人集まり、選挙前に対立的関係を望んでいない旨を述べ、忍耐を促して選挙と戴冠式の両方を混乱させる行為を終結させる声明を出しました。

上記がBangkok Postで報道されている概要です。

また昨日の1月19日の動きは、日本の時事通信も昨夜に以下の内容を伝えています。

Jiji.com)タイ、選挙実施求め集会=対抗勢力は抗議批判 (2019年1月19日)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019011900530

(以下、時事通信記事を引用)

【バンコク時事】タイのバンコクにある王宮近くで19日、軍事政権の長期化に抗議する活動家と、軍政寄りの勢力が相次いで集会を開いた。反軍政派は民政移管に向けた総選挙の早期実施を要求。軍政寄りの勢力は総選挙を円滑に実施するため、抗議行動を控えるべきだと訴えた。

タマサート大学には反軍政派約100人が集結。「マイ・ルアン(先延ばしするな)!」「ルアッタン(選挙)!」と叫び、気勢を上げた。参加した元医師ムアンさん(65)は「軍政をこれ以上、引き延ばしてはならない」と訴えた。

軍政寄りの勢力はタマサート大から約1キロ離れた民主記念塔前で集会を開催。「自由で公正な選挙の実現へ和解すべきだ」との声明を読み上げ、抗議行動を活発化させる反軍政派を批判した。(2019/01/19-20:47)

(ここまで引用)

上記の通り、王宮近くでは活動家と軍政よりの勢力が相次いで集会を開催していました。また、Bangkok Postの報じた通りタマサート大学には約100人の反軍政派が終結し、抗議のデモを実施。一方で民主記念塔には軍政寄りの勢力が集会を開催していました。

昨日は両勢力の衝突なども無事に回避され、本当に良かったですね。

しかしながら上記の現地Bangkok Postの報道によると、タマサート大学で抗議をした早期の選挙実施を求めるグループは、来週の木曜までに選挙実施の法令が公布されなければ、来週土曜に再度抗議を行う意向を示しており、今後の動きは引き続き不透明な状況が続いています。

タイは民主化を進めている状況にありますが、民主主義の大原則は衝突や暴力ではなく、建設的な議論によって、国を動かし問題を解決する事にあります。

タイの外国人の一人としては、両勢力ともに、冷静な議論によって民主化への動きを実現する方向で尽力してくれることを願っています。

 

”目には目を”が、全世界を盲目にしているのだ。

(マハトマ・ガンディー(1869年10月2日 – 1948年1月30日) 自叙伝より(*))

非暴力主義を貫いてインドを独立に導いたガンディーの自叙伝の言葉ですが、この言葉はタイや日本だけでなく、現在は多くの国で右傾化が進む中で、思い出すべき言葉ではないかと思います。

ガンディーは、他にもこんな言葉を言っています

他人に変わって欲しければ、自ら率先して変化の原動力となるべきだ。

まず自らが率先し、良い方向への変化を起こす事。

これは政治だけではなく、企業の中でも同様に大切な事ですが、このような基本を思い出させられる言葉ですね。

 

(*)マハトマ・ガンディー

(Wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%8F%E3%83%88%E3%83%9E%E3%83%BB%E3%82%AC%E3%83%B3%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BC

ガンディーの自叙伝の言葉で、ハンムラビ法典の196、197条にあるとされるタリオの法の「目には目を」の部分を引用した言葉です。

ハンムラビ法典は、以下の過去記事の末尾でも少し書いた通り、報復を奨励するような趣旨ではありませんでした。

PJA NEWS)バンコク:空港で、サウジ女性を国連が保護、第三国出国へ

しかしながらキリスト教圏では「ハンムラビ法典のような報復をしてはいけない、キリスト教は慈愛に満ちた寛容な宗教だ」という趣旨でハンムラビ法典が引用された事もあって、ハンムラビ法典は誤解された解釈が一般的でした。

その誤解されたキリスト教圏の定義で、ハンムラビ法典の一部をガンディーが引用して、この言葉に使ったものだろうと思います。

その前提で考えると、報復感情が人を、世界を盲目にするという主旨のこの言葉は、とても大切な事を思い出させてくれる言葉です。

ガンディーは他にも、「握り拳とは握手はできない」など、良い言葉を多数周りに語っていたといいます。

非暴力を貫いて、インドを独立に導いた人間の凄さ、これを感じられる言葉が多数残っていますね。

この記事が気に入ったら
いいね ! シェア ! しよう

タイ情報で、にほんブログ村ランキングに参加中! 見ていただいた記事には、是非以下にクリックをお願いします。

にほんブログ村 海外生活ブログ タイ情報へランキングにクリック!