タイで日本人の評判が急下降中!?
タイで日本人の評判が急降下中か!?というニュースが、日本のエンタメニュースサイトのTabloで報道されています。
タブロ)微笑みの国・タイで日本人の評判が急降下中!? 人気の旅行先でいったい何が起きているのか? (2019年1月23日)
http://tablo.jp/case/international/news004400.html
各ニュースポータルなどでも配信されています、Infoseek版はこちら
https://news.infoseek.co.jp/article/knuckles_4400/
記事では、タイでの日本人の特に若い人の態度が悪いケースが見受けられ、日本人の評判が悪くなっているケースが出てきているという事を伝えています。
以下に記事を引用します。
(以下引用)
タイのバンコクで、観光客も多く来店する商店で働くタイの人の話。
「最近は日本人でも、無茶な値切りをする人がいるんだよ。たとえば店先に100バーツと書いてある商品は、当然ぼったくりじゃないのだけど、それを自分は貧乏だから30バーツにしろとか無茶な値切りをしてくるんだ。こちらも商売だから、笑顔で無理ですよというと、今度はムっとして、外国語で何か罵ったりしてくる。誰もぼったくりも何もしていないのに、あの態度じゃ気分が悪いよね」
その話を聞いていると、隣の店の店員が話に加わってきた。
「うちの店でも、200バーツの商品を日本人の若者が『本当は100バーツだ!』とか言い出したのよ。片言の英語で、100バーツだとネットで見たとか言っていたんだけど、それは一体何十年前の価格なのよって金額だった。勿論断ったけど、そしたら店がぼったくりだとか、ネットに書いてやるとか言って、どっかにいなくなったよ」
(ここまで引用)
記事には他にも、高級デパートでの話や駐在員の話などが書いてあります。
同様の日本人のマナー悪化の問題は、昨年も以下の日本人向け記事で取り上げられていました。
ハーバー・ビジネス・オンライン)タイのナイトライフに異変。夜遊びマナーを知らない日本人男性が増加で日本人への評判ダダ下がり (2018年6月3日)
https://hbol.jp/167163
ハーバー・ビジネス・オンライン)「タイ人をバカにした振る舞いをする」と嫌われるタイの日本人観光客。マナー低下はプーケットでも (2018年6月16日)
https://hbol.jp/168294
(写真:イメージ Photo by Dan Freeman on Unsplash)
上記の各記事を見ると、確かに日本人の特に若い人の一部に、傍若無人な態度やタイの人を馬鹿にした態度を取り、評判が悪くなっているケースがあるのがわかります。
実際のタイの現地の感覚で言うと、筆者はあまり若い人と広く知り合う事も多くない方だと思うものの、それでも同様の問題を感じるケースはPJA(パタヤ日本人会)のあるパタヤでも近年多く遭遇するようになってきました。
このような行為をしている本人と話してみると、タイなら「旅の恥はかき捨て」だとか、タイなら「自分探し」に行って何をしてもいいとでも思っているとか、そんな低レベルの思考しかせずに、上記の各記事に書いてあるような傍若無人な態度やタイの人を馬鹿にしているような態度をとっているのがわかります。
ただ、加えて一つわかることは、これは決して日本人全般の態度が悪くなっているというわけではなく、現状は日本人のごく一部の問題だとも思います。大部分は、きちんとした日本人です。
日本では、特に若年層で貧困化が進み、そこに加えて「タイなら恥ずかしい事をしてもかまわない」という意識もあるせいで、一部の人のタイでの態度に品位、モラルが低下してしまっているのでしょうか。
そう考えると、まさに諺の「貧すれば鈍する」(*1)という実情です。
同じ日本人としては、仮に貧しくてもマナーの良い対応をして欲しいと思います。同時に「衣食足りて礼節を知る」(*2)ともいう通り、そもそも日本の若年層の貧困化の問題をもなんとかしないといけないとも思う、考えさせられるニュースです。
(*1)貧すれば鈍する
「貧乏になると、その頭まで愚鈍になる」という意味の諺で、まさに今回のような問題を見て思い出した言葉です。
この諺の「鈍」は「愚鈍」の「鈍」で、無知や間抜けという意味なんですが、この「鈍」を「貪」と書く事があります。
この漢字の書き方は昭和の初期に作家の太宰治が短編小説「女賊」(1944年「月刊東北」11月号)の中で、以下のように書いた事が由来と言われています。
「田舎者だって何だって金持ちなら結構、この縁談は悪くない、と貧すれば貪(どん)すの例にもれず少からず心が動いて」(「女賊」より引用、下線と太字は筆者が追記)
「鈍」を「貪」と書いても「貪欲」という意味で言葉が成立しますし、この短編小説のストーリーからすると「貪」と書く方がしっくりくるので、太宰はあえてこのように書いたのでしょう。
この太宰の「女賊」は第二次世界大戦末期の1945年1月27日に「新釈諸国噺(シンシャクショコクバナシ)」の第8話目の短編小説として生活社から刊行され、日本で広く知られるようになって、この貪の字も使われる事が広まったものです。
このようにして、諺は言葉が変わったりしていくという意味でも特徴的な諺の一つです。他にも「貧すれど鈍せず」といった使い方をされているケースもありますので、やはり言葉は生きているものだと思わされますね。
Wikipedia)「新釈諸国噺」(太宰治)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E9%87%88%E8%AB%B8%E5%9B%BD%E5%99%BA
Wikipedia)太宰治
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%AA%E5%AE%B0%E6%B2%BB
(*2)衣食足りて礼節を知る
語源は中国の書物「管子」の中に書かれている「倉廩實則知禮節、衣食足則知榮辱(倉廩実つれば則ち礼節を知り、衣食足れば則ち栄辱を知る)」が元と言われる諺です。
日本に伝わったのも古く、平安時代の「続日本紀」の中に既に記述があることから、少なくとも1300年以上も日本で伝わっている諺です。
今でいう衣食住の「住」は含んでおらず、衣食までです。これは「管子」の作成において、人間が必要とするものは「衣食」が最優先であると考えていたからで、「住」はその後、さらにその後は「権力」と考えていました。
Wikipedia)管子
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AE%A1%E5%AD%90
Wikipedia)続日本紀
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B6%9A%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%B4%80
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