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タイ不動産、相続対策も忘れずに!






2019年1月27日 PJA NEWS)

タイ不動産、相続対策も忘れずに!

タイのパタヤで、約4年前に日本で病気で亡くなった日本人女性の方が所有していたコンドミニアムが、4年以上にわたってパタヤ現地のドイツ人経営の不動産業者に無断で賃貸に出され、その収益の相続人への支払いが拒否されている事件が発生しました。現地のタイ警察のバンラムン警察署が捜査しています。

この日本人女性は生前、パタヤの大型ショッピングセンター「セントラル・フェスティバル」の隣にあるコンドミニアム「View Talay6」の1部屋を外国人名義で購入、登記して所有していました。しかし女性は日本で病気のために約4年前に亡くなってしまっていました。

(写真 View Talay6の看板)

女性の資産はタイの不動産含めて、日本の高齢の母親が相続人となって相続されましたが、タイのパタヤで不動産を所有している事実は遺族の方々も、誰もよくわからない状態になっていました。

その後は相続された母親の方が認知症が進んだことから、日本の裁判所は成年後見人として日本の弁護士を選任しました。その成年後見人の弁護士の方から、タイにも相続するべき資産がある可能性があった事からPJA(パタヤ日本人会)に御相談があり、PJAも協力してタイでの資産調査を実施しました。

その資産調査の結果、上記のパタヤのコンドミニアムを所有していたことが判明したものです。

調査結果を受けて不動産の現状を確認した所、同不動産はパタヤのドイツ人経営の不動産業者(「A社」とします)が相続人や家族、弁護士へ連絡も何もせず、4年以上にわたり無断で賃貸などに出して運用していた事が判明しました。

そこで相続人側の弁護士は、収益を相続人へ支払いをするようA社に求めていますが、A社は過去の賃貸の記録は残していないとして支払いを拒絶しています。これを受けて、タイ警察のバンラムン警察署は相続人側からの被害届を受理し、現在はA社への捜査を進めています。

(写真 View Talay6の建物外観)

現地の感覚で見ると、この件では日本の裁判所が成年後見人も選任して、しっかりとした資産調査などの対応をしていたから良かったものの、それがなければ、この不動産は発見も相続もされずにいたと思います。

タイの不動産では、外国人でもコンドミニアムの”外国人名義”の部屋については購入し、個人名で権利登記もできますが、特に本件のように死亡してしまった場合などでは、ご家族の方が詳細をご存知無い場合などには相続も出来なくなってしまうケースが多くあります。

加えて資産調査をするにしても、タイで不動産資産などの調査をすることは簡単ではありませんし、その不動産が他者に利用されていた場合、明け渡しや収益の支払いに他者がなかなか応じないケースも多くあります。

こういう場合には、その他者が「所有者が生きてた時に口頭でこんなことを言っていた」とか、適当な事を言って逃れようとする事がほとんどですから、まさに「死人に口なし」な対応ですね。

外国人の持つ権利が、ほっといても役所や誰かから通知が来て、権利を救済してもらえるなんて事は、まずありえないのが現在のタイの「常識」です。

タイで外国人の日本人が不動産など資産を所有される際には、相続ができなくなってしまう等の問題がおきないよう、相続の対策などもしっかりとされるようにご注意下さい。

PJAとしては、EECの開発をタイや日本の政府なども注力している現在、日本人を含む外国人の権利がタイでも、よりしっかりと守られるようになって、日本を含む外国の法人や個人の進出の不安が減り、より安心して進出できるようになってくれればと考えています。

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