ソムキット副首相来阪、日タイ関係の深化を訴求 大阪で講演
先週の2019年1月31日(木)、大阪の帝国ホテル大阪でBOI(タイ投資委員会)主催のセミナー「前進するアセアン日本パートナーシップ」が開催されました。
タイからはソムキット副首相も来阪して基調講演が行われ、タイ政府幹部、日本のジェトロのバンコク事務所所長なども参加しました。
タイでは現軍政の親軍政党であるバランプラチャーラット党が前日の2019年1月30日(水)、選挙管理委員会に提出する首相候補の3名をあかしました。
参考PJAニュース過去記事)
タイ軍政派政党、次期首相候補にプラユット首相など3名を指名(2019年2月1日)
https://pattayaja.com/2019/02/01/%e3%82%bf%e3%82%a4%e8%bb%8d%e6%94%bf%e6%b4%be%e6%94%bf%e5%85%9a%e3%80%81%e6%ac%a1%e6%9c%9f%e9%a6%96%e7%9b%b8%e5%80%99%e8%a3%9c%e3%81%ab%e3%83%97%e3%83%a9%e3%83%a6%e3%83%83%e3%83%88%e9%a6%96%e7%9b%b8/
その同党の3名の首相候補の一人でもあるソムキット副首相も参加するタイ投資セミナーとなりました。
タイへの進出、投資に関心のある会社が多数参加し、とても盛況な会場となりました。
セミナーでは冒頭に大阪府の新井純副知事が歓迎の挨拶をしました。また松井知事からのメッセージを読み上げ、タイから日本への観光客が増加しており、その約3割が大阪を訪れてくれていること、大阪府から経済交流のために企業ミッション団をバンコクへ派遣し、現地で商談会が行われることなどに触れて、このセミナーを機にタイと大阪の双方が経済活動をさらに活発にさせることへの期待を表しました。
松井知事のメッセージで触れられている企業ミッション団については、以下の過去記事を参照ください。
PJA NEWS参考過去記事)大阪府、2月に介護福祉分野の視察企業団をタイへ派遣 (2019年1月19日)
https://pattayaja.com/2019/01/19/pja-news%E5%A4%A7%E9%98%AA%E5%BA%9C%E3%80%812%E6%9C%88%E3%81%AB%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%81%AB%E4%BB%8B%E8%AD%B7%E7%A6%8F%E7%A5%89%E5%88%86%E9%87%8E%E3%81%AE%E8%A6%96%E5%AF%9F%E4%BC%81%E6%A5%AD%E5%9B%A3/
その上で、ソムキット副首相の基調講演が実施されました。
ソムキット副首相は、現政権が進める開発計画であるThailand4.0やEEC(東部経済回廊)、SEC(南部経済回廊)の開発計画などを紹介し、タイが大規模な開発投資を進め、順調に開発していることを紹介しました。
そして世界経済が不安定要因を増す現在も、タイは安定的に成長している事を強調。その一例として、もうすぐ発表となるタイのGDP成長率は4%程度となる見込みであることを語りました。
また、タイは今年からアセアン議長国となりますが、そのタイが信頼される取引相手となれるよう、3月24日を投票日として選挙が実施され民政復帰を行うこと、そしてタイは今年TPPにも参加の意向であり、国際標準に合った信頼を勝ち得ていく事などを強調しました。
また日本の多くの参加者に向けて、タイが現在このように発展できているのは、日本の協力のおかげですと日本への御礼を語り、日本から信用をしてもらえていることがタイの誇りですというメッセージを語りました。
その上で、今後のさらなる日本とタイの双方の協力と発展に期待しており、加えてタイは関西の医療機器や電子機器などに卓越した高い技術レベルを持つ企業にとても興味を持っており、ぜひタイへの投資に興味をもってほしい、是非タイを信用してほしいと訴えました。
ソムキット副首相が講演で語った言葉です。
「これはリップサービスではありません。私は長年副首相を経験しましたが、日本無しに、タイの発展はここまではできませんでした。」
「私が今ここにいるのは、スピーチの原稿を読むためではありません。
日本のみなさんに、タイを信用してもらうためです。」
ソムキット副首相の講演には、会場から大きな拍手が送られました。
その後はタイ外務副大臣、タイデジタル経済社会大臣の講演が行われました。
その後にパネルディスカッションが開かれました。ディスカッションではジェトロの三又バンコク事務所所長がモデレーターを行い、カニットEEC事務局長、ボンゴットBOI副長官、佐野住友電気工業事業部長が参加し、タイへの進出についての多様な観点からの意見が出されました。
セミナー終了後、ボンゴットBOI(タイ投資委員会)副長官はPJA NEWSの取材に「関西の会社は、特に医療などにも高い技術力を有する会社が多くあります、ぜひタイへの進出と双方の発展の加速に期待しています。」とコメントしました。また三又裕生ジェトロ・バンコク事務所所長はPJA NEWSの取材に「セミナーで、関西の会社の熱意が伝わりました。今後の双方のますますの海外展開に期待しています。」とコメントしました。
セミナーに参加した、大阪青年会議所の元理事で、大阪を中心に京都、東京で会計業務で活躍する清友監査法人の代表社員である矢本浩教代表社員はPJA NEWSの取材に、「セミナーに参加して、タイが活気がある伸び盛りの市場なのだというのがわかって、とても有意義でした。また、タイ政府が極めて積極的であるのも良いと思います。」と語りました。
その上で、具体的な考えとして「例えばEECなどで進出する日本企業が増えれば、企業においてもタイ人の従業員の中で、会計の基本的な考え方がわかって、経理とかを任せられる人間の需要は必ず出てくると思います。そのような時に、日本の監査法人が手軽な価格で、国際標準の会計の知識を、実践的な内容も含めてトレーニングできる、学生や社会人向けの教育サービスなどは需要が生まれるのじゃないかと、今日のセミナーで実感しました。会計士の業界の集まりなども含めて、真剣に検討したいと思います。」とコメントしました。
セミナーでは、多くの人がタイの活気を感じることができ、とても有意義なセミナーとなったことが伝わりました。
セミナーの様子は、タイの大手英字メディアのBangkokPostも大きく取り上げています。
BangkokPost)Somkid says key projects on course (2019年2月1日)
BangkokPost)ソムキット副首相、主要な開発プロジェクトを講演
https://m.bangkokpost.com/news/politics/1621530/somkid-says-key-projects-on-course
PJA(パタヤ日本人会)では、日本、タイ両国の取り組みと、日本の企業や個人のタイへの進出や活躍を応援しており、PJA NEWSでは今後もこのような取り組みを取り上げていく予定です。
※本記事の取材においても、関係者の皆様に多大な御支援をいただいておりますことの御礼を申し上げます。
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