2019年2月12日 PJA NEWS)

タイ司法で初!
タイの外国人財産の相続を、相続人の申立無しで認める判決

タイで外国人が所有していた不動産などの相続にあたり、相続人がタイの裁判所で申立を出来なくても、相続を認めるタイ司法で初の判決が、タイの裁判所で日本人の相続人に出されました。

(写真はイメージ)

<本件の概要>
タイで不動産や銀行の預金等の財産を所有されていた日本人の方が、日本で病気で亡くなられ、日本に在住される高齢の親御様が日本で相続されました。しかしながら亡くなられた被相続人の方は生前、タイの資産については、タイで有効な遺言などを作成されておらず相続の準備をされていませんでした。

タイの裁判所及び弁護士によると、この場合はタイでの法的な相続の手続きとして、相続人がタイで相続する権利を認める事を求める申立をタイの裁判所に行い、裁判所で相続を認められなければいけません。この手続きを行わない場合や、もしくは申立をしても裁判所で相続が認められない場合は、この遺産はタイの国庫に回収されます。

しかしながら本件では、日本で相続された相続人が非常に御高齢で、かつ認知症が進行されており、タイで裁判所に申し立てる事も、それをタイの弁護士に依頼する委任状へのサインも出来ない状況となってしまっていました。そこで日本では相続人に日本の裁判所が成年後見人の弁護士を選任し、成年後見人の弁護士が対応をされていました。

本件は日本の制度上は成年後見人の弁護士が相続人に代わって対応するべきなのですが、日本の成年後見人の制度は日本国内法ですので、タイでは日本の成年後見人の権利が認められません。相続人の代理権も弁護士への委任状がなければ認められませんから、相続人が委任状にサインが出来ない状況では、タイの裁判所では弁護士も代理権も認められません。

本件についてタイの裁判所が調査・確認してくれた所、このようなケースではこれまで、全て国庫回収となっていたという事がわかりました。この状況で、どのようにしてタイの遺産の相続を認めてもらうかが課題となっていました。PJA(パタヤ日本人会)では本件の相談をお受けし、支援を実施していました。

本件では、相続人の日本の成年後見人の弁護士の先生が、タイの弁護士の先生に依頼の上で、タイの裁判所に申し立てをし、事情について説明と立証を行った上で、司法における国際標準から見て、唯一の相続人である親御様への相続を認めるべきである事の主張を実施していきました。
加えて、このような制度・運用では、外国人が安心してタイへ投資をする事ができなくなる事からも、タイの司法において大局観を持って、外国人の権利を適切に保護する司法判断をいただきたいという、社会的な意義等を説明していました。

日本の成年後見人の弁護士は、日本の裁判所に指定されている弁護士の先生ですから、日本の裁判所にも報告をしながら進めれていました。結果、タイの裁判官、タイの弁護士、日本の裁判官、日本の弁護士が、それぞれ関与して社会的な意義を考慮し審理するという裁判となりました。この審理の結果、タイの裁判所で、タイで初となる、相続人がタイで裁判所で申立をすることが出来なくても相続を認める判決が2018年夏に出たものです。本判決を受けて、本件の全てのタイでの遺産は無事に2018年末に日本の相続人の方が相続を完了されました。

このような判決をタイの司法が下してくれた事で、日本人を含む外国人も、今後より安心してタイで不動産への投資が出来るようになることと考えられます。本件について大変お世話になりました各方面の皆さまに、深く御礼申し上げます。

尚、本件で対応してくださった弁護士の先生のお名前を以下に記載します。

本件担当弁護士一覧(順不同)

(タイ)<PJA紹介弁護士>
スラパス・プラパポーン弁護士 (タイ国上級弁護士、タイ教育科学技術省公式アドバイザー)

(タイ)<PJA紹介弁護士>
ピジック・セクソム弁護士 (タイ上級弁護士)

(日本)成年後見人弁護士
木村 憲司 弁護士 (日本国弁護士、群馬弁護士会所属)

(日本)成年後見人弁護士復代理人
原口 薫 弁護士 (日本国弁護士、東京弁護士会所属、ニューヨーク州弁護士)

(日本)<PJA紹介弁護士>
岩井 重一弁護士 (日本国弁護士、東京弁護士会所属、最高裁判所下級裁判所裁判官指名諮問委員会委員)

(日本)<PJA紹介弁護士>
安田 隆彦弁護士 (日本国弁護士、東京弁護士会所属、東京弁護士会裁判員裁判制度センター委員)

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