2019年2月13日 PJA NEWS)
タイ「Voice TV」15日間の放送禁止に
昨日の2019年2月12日、タイのテレビ局「Voice TV」が15日間の放送禁止の処分を受けました。放送局は提訴の方針です。
以下、タイ現地大手英字メディアのBangkok Postが昨夕、伝えています。
Bangkok Post)Voice TV suspended for 15 days (2019年2月12日)
Bangkok Post)タイテレビ局の「Voice TV」、15日間の放送禁止に
https://www.bangkokpost.com/news/general/1628102/voice-tv-suspended-for-15-days
報道によると、タイの放送事業を監督するNBTC(全国放送通信委員会)は昨日の2019年2月12日、タイの放送局でありタクシン派と言われている「Voice TV」を15日間の放送禁止処分にしたことを発表しました。放送禁止理由は、同「Voice TV」が大衆の混乱や扇動を引き起こしているためとしており、タイ放送法(2008年)の16条、37条とともに67条に基づいて、15日間の放送禁止としました。放送禁止期間は、昨夜の深夜からとしています。
これを受けてVoice TV側は反発しており、同放送局幹部は本処分に対し、総額1憶バーツ以上の損害賠償請求を提訴の方針と発表しました。
上記が報道されている概要です。
(写真はイメージ)
NBTCも、選挙前の時期に特定の放送局に放送停止処分というのは、少し意外な手に出ました。
もちろんNBTCは、政治的な思惑などあるわけもなく、中立で客観的な判断を下したという説明をしていますし、そもそも同Voice TVへの放送禁止処分も初めてのものではありません。
しかしながら選挙前の昨日に本放送禁止処分を出したことで、タイ現地メディアの論調を見ると「言論の自由」への妨害ではないかという疑惑の声が出てしまっています。もちろん一般の国民も、本ニュースを見て疑惑を多くの人が感じてしまいかねません。
民主主義国家において、特に選挙前は、言論の自由には敏感にならなければいけません。言論の自由がなければ、国民が各政党や各候補からの情報を正確に得る事が出来なくなり、民主主義が正しく機能しなくなりかねませんし、そもそも自由を侵害された事への反発を招きかねないからです。
「言論は自由でなければならぬし、人の行動を妨げてはならない。」
(福沢諭吉 「学問のすゝめ」(1872～1876年刊行)より)
日本で明治初期に福沢諭吉が「学問のすゝめ」で、「言論の自由」の重要性を訴えた言葉です。日本でも明治の初期から福沢諭吉に言われている事ですが、これを実現する事がいかに難しいかを考えさせられます。
福沢の考え方を見ると、福沢はルソーの社会契約論の考え方を踏まえて、言論の自由により人民が正しく情報を得られるようにすれば、人民の「一般意思」が正しい方向を目指すはずだと考えていたのがわかります。
タイにいる外国人としては、言論の自由は民主主義の考え方の根本であり、国民の基本的人権なのですから、民主主義国家は、これを阻害しかねない行為は特に慎重になるべきだと思います。
参考過去記事)福沢諭吉の「学問のすゝめ」の引用記事
PJA NEWS)タイは世界一の格差社会！？Credit Swiss調査結果 (2018年12月18日)
参考過去記事)ルソーの社会契約論「一般意思は、つねに正しく、つねに公の利益を目指す」の引用記事
PJA NEWS)プラユット首相、選挙日程変更無しと表明、タイ政局の動きのまとめ (2019年1月3日)
https://pattayaja.com/2019/01/03/pja-news%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%A6%E3%83%83%E3%83%88%E9%A6%96%E7%9B%B8%E3%80%81%E9%81%B8%E6%8C%99%E6%97%A5%E7%A8%8B%E3%81%AF%E5%A4%89%E6%9B%B4%E7%84%A1%E3%81%97%E3%81%A8%E8%A1%A8%E6%98%8E/
タイ情報で、にほんブログ村ランキングに参加中！ 見ていただいた記事には、是非以下にクリックをお願いします。
