ソムキット副首相講演、選挙後にEEC推進、TPP参加の方針
タイのソムキット副首相は昨日の2019年3月4日(月)、バンコク郊外のノンタブリで、約2000人の投資家を集めたセミナーで講演し、選挙後の経済的な飛躍の目標について語りました。このセミナーにはプラユット首相も参加しました。
今朝のタイの大手英字メディアのBangkokPostが伝えています。
BangkokPost)Somkid eyes post-election economic leap (2019年3月5日)
BangkokPost)ソムキット副首相、選挙後の経済的飛躍を視野に
https://www.bangkokpost.com/news/politics/1639094/somkid-eyes-post-election-economic-leap
写真は大阪でのタイ投資セミナーの折の写真
写真:PJAニュース)
報道によるとソムキット副首相は、タイの民主化は後退することなく今月には選挙が実施される事を語り、その上で選挙後もプラユット首相が続投する事を確信していると語りました。
「5年前、タイは社会的な紛争と混乱の中にあり”アジアの病人”と呼ばれるほどの状況にありました。
しかしながら、プラユット首相がタイに平和をもたらし、国際的な信用を回復して国際社会に復帰し、大規模なインフラや社会開発プロジェクトを実施してきました。その結果、タイは2018年のGDPは4.1%の成長をしました、これは過去5年の平均が0.9%だったのと比べても非常に大きな成長です。」
その上で、他の政党の政策は”夢”物語のレベルであり、現タイ政府の実績や見込みは現実的かつ具体的に作られていることを語りました。
「タイの国民は、愚かではありません。タイの国民はこの5年の間に何があったかを知っています。その上で、私はプラユット首相が継続して国を導いていくことを確信しています。」
また、ソムキット副首相は選挙後の重要な取り組みとして、EECプロジェクトへの注力を行うことを語りました。
そして選挙後の経済的な飛躍を期待させる有望な要因として、GDPが2018年度は4.1%成長となったこと、タイの経常収支黒字はGDPの7%に達していること、外貨準備は2000憶米ドルに達していること、タイの公的債務はGDP比で45%を下回っていること、インフレ率はわずか1%であること、タイ経済は輸出に依存しており、その収入の約7割を海外への輸出に頼っているものの、その偏りは改善してきていることを語りました。そして世界銀行は、タイ経済を「世界的な経済的減速が起きる中に関わらず着実に成長している」と評価していることを引用しました。
また、香港が貿易事務所をバンコクに開設した事に触れて歓迎し、タイと中国、特に広東、香港、マカオとの経済的な関係強化に有用であると語りました。
BangkokPostの記事で報道されている概要は、上記の通りです。
また昨日のソムキット副首相の講演では、ソムキット副首相は日本が主導するTPPにも今月の選挙実施後に参加する見込みである事を語りました。
これは以下の日本メディアの東京新聞が今朝、以下のように報じています。
東京新聞)タイTPP参加「24日総選挙後」 副首相 海外からの投資期待 (2019年3月5日)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201903/CK2019030502000131.html
【ノンタブリ=木村留美】タイのソムキット副首相は四日、首都バンコク近郊で開かれた海外からの投資を呼び掛けるセミナーで、環太平洋連携協定(TPP)への参加について「(三月二十四日に投開票される)総選挙の後に参加しようとしている」と明かした。具体的なスケジュールは示さなかった。
タイは日本の自動車メーカーや部品メーカーが進出するなど、自動車生産の一大拠点となっており、TPPへの参加が決まれば、生産拠点としての魅力が増す可能性がある。ソムキット副首相は「米中貿易摩擦の解決が見えない中で、中国の製造拠点を移転させる動きも出てくるだろう」と述べ、さらなるタイへの生産拠点の移転に期待をにじませた。東南アジア諸国連合(ASEAN)域内ではベトナムやマレーシアなど四カ国がTPPへの参加を決めている。
上記の通り、日本メディアはTPPをトップに取り上げて報じているのに対し、タイメディアのBangkokPostでは、そもそもTPP参加の見解を書いてもおらず、その大きな違いがあるのが面白いですね。
筆者もタイメディアの方々と話をする際に、TPPの話などは、タイメディアの人たちからすると関心が薄く、日本人が興味を持つのに驚かれたりすることが多くあります。
上記の通り、選挙後の展望をソムキット副首相が昨日、バンコク郊外での講演で語りました。
今後のタイがどのように成長していくのか、注目が集まります。
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