「現地ビジネスにもEEC奨励恩恵を」地元要請
日本とタイの両政府などが中心となって進められているEEC(タイ東部経済回廊)計画。
タイ政府側はタイBOI(投資委員会)などが管轄として、外資系企業に進出の奨励としてさまざまな恩恵を提供していますが、これについてEEC現地のチョンブリでは、タイの現地ビジネスにも同様の奨励の恩恵を与えるよう求める声が上がっています。
タイ現地大手英字メディアのNationが今朝、以下のように伝えています。
Nation)Govt urged to extend EEC incentives to local businesses (2019年3月7日)
Nation)現地ビジネスにもEECの恩恵を、タイ政府に要望
http://www.nationmultimedia.com/detail/national/30365333
報道によると、チョンブリでは市民団体などが、政府に外資系向けに提供されているEEC投資奨励の恩恵を地元のビジネスにも範囲を拡大して提供するように求めています。
市民グループは専門家とともに昨日「EEC開発による地域へのメリットとは?」と題する講演会を実施しました。
その中でEECに詳しい専門家は、EEC開発による悪影響を減らし、メリットを大きくするためには、各地域の資源や各分野に合わせて開発をするべきだと意見を語っています。
「EEC対象エリアのチョンブリ、ラヨーン、チャチュンサオ3県は、地域ごとに大きな特性があります。たとえばチャチュンサオ県のBang Pakong地区は、土地が肥沃で水資源にも恵まれていて、農業や養殖などにとても適した土地です。このような場所は大規模な工業地にするよりも、この地域の特産品や天然資源を活用した産業をする方が、全体としても大きなメリットがあります。このような地域ごとの特性に合わせて開発をする事が必要です。」
その上で、現在は主に外資からの投資などに与えられているEECの投資奨励の恩恵を、地域に合わせた産業を育成する地元のビジネスにも対象を広げて提供するべきだと語りました。
「チャチュンサオ県の肥沃な農地の大部分は、工業団地に変えられてしまっています。これにより、豊かな食糧生産地は汚染地帯に変えられてしまって、多くの農民を追い出してしまっているのです。このような開発ではなく、このような農業に適した土地では農業ビジネスに投資して、チャチュンサオ県に世界レベルの主要な農業ビジネスの場所を開発するようにするべきです。」
国立開発研究所の社会環境開発学部の講師は、地域特性に合わせた持続可能なビジネスを育むための特別奨励区を検討するよう、政府に求めています。
EECエリアで高名な環境学者の研究によると、EECの対象3県の新しい都市計画は、以前の都市計画よりも工業地帯がより増えています。
新しい都市計画では、都市部は前の計画の約44万ライから130万ライに増え、工業地帯は約28万ライから約41万ライに増えていますが、一方で農地は560万ライから520万ライに減少しています。
報道されている概要は、上記の通りです。
市民団体の指摘する通り、より地域特性に合わせた開発を求めるというのは、よくわかる要請ですね。農業なども、むしろ工業化の後に、農業で高付加価値なビジネスや新しいビジネスが生まれたりするものですし、国としては食料を将来も安定的に確保するために非常に重要な分野です。
そのために、現在は主に外資系に提供されているタイのEECエリアなどへの投資奨励ですが、これを地元ビジネスにも適用し、もっと持続可能性のある開発計画をという要請が伝えられている今朝のNationの記事です。
PJA(パタヤ日本人会)はEECエリアの3県の中の国際的な街であるパタヤに本拠を置き、EECエリアの3県、チョンブリ、ラヨーン、チャチュンサオ県でも多く会員が活動しています。そのためPJAとしても、EECの現地地域にも貢献でき、環境にも配慮した開発をできるよう、日本人としても考えて活動をしていかないといけないと思わされる今朝のニュースです。
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