タイ総選挙:タクシン派スダラット氏「解党の影響ない」
以下の、2019年3月7日にタイ憲法裁判所がタクシン派政党の一つ、タイラクサチャート党(TRC、タイ国家維持党)に解党命令を出したニュースの続報です。
PJAニュース過去記事)2019年3月8日
タイ憲法裁、タクシン派のタイラクサチャート党に解党命令
7日のタイ憲法裁判所による、タイラクサチャート党の解党と、同党幹部への10年間の政治活動禁止の決定はタイメディア各紙でも大きく報じられています。
これについてタイ選挙委員会の事務総長はコメントで、タイラクサチャート党の元幹部は、他の選挙候補者を支援する範囲であれば、支援する事ができると見解を語っています。以下のタイ現地大手英字メディアのBangkokPostが伝えています。
BangkokPost)Ex-TRC execs can help other parties campaign, says EC(2019年3月8日)
BangkokPost)選挙管理委員会:元タイラクサチャート党幹部は、他の政党の選挙活動を支援する事が可能
https://www.bangkokpost.com/news/politics/1641404/ex-trc-execs-can-help-other-parties-campaign-says-ec
この状況を受けて、タクシン派政党のプアタイ党(タイ貢献党)の幹部であるスダラット氏は、タイラクサチャート党の解党命令は「選挙には影響しない」と語っています。
以下のタイ大手英字メディアのBangkokPostが今朝、伝えています。
BangkokPost)’No impact’ on poll from TRC dissolution (2019年3月9日)
BangkokPost)タイラクサチャート党の解党「選挙には影響なし」
https://www.bangkokpost.com/news/politics/1641448/no-impact-on-poll-from-trc-dissolution
写真はプアタイ党資料より)
報道によると、タクシン派政党のプアタイ党(タイ貢献党)戦略委員会の委員長であるスダラット氏は、今回のタイラクサチャート党の解党が、今月のタイ総選挙へ大きな変化をもたらすことはないと考えている事を語りました。
スダラット氏は、タイラクサチャート党が解党しても、その支持者は主義・主張が近い政党を支持することが期待される事から、選挙結果に大きな影響は及ぼさないという考えを示しています。
なお、タイラクサチャート党の解党により、同党支持者は選挙で「No」を投票しようとする動きなどもあり、これも昨日のBangkokPostが伝えています。
BangkokPost)Thai Raksa Chart plans ‘Vote No’ strategy(2019年3月8日)
BangkokPost)タイラクサチャート党解党で、「NO」票を投票する計画
https://www.bangkokpost.com/news/politics/1640888/thai-raksa-chart-plans-vote-no-strategy
一昨日の3月7日木曜午後の憲法裁判所の決定以来、タイ現地メディアでは上記のように、多様な動きが報じられています。
概して見ると、各選挙区でもタクシン派政党の候補者がタイラクサチャート党のみしかいない選挙区はともかくとして、タクシン派政党からの候補者が複数いる選挙区ではプアタイ党のスダラット氏のいう通り、他の主義が近い政党の候補者に支持者は移るでしょう。ましてや昨日の選挙管理委員会幹部のコメントの通り、TRC元幹部で政治活動が10年間禁止された14人も、他の政党の支援ならしていいとなれば、そこまで大きな影響は出ない可能性もあります。
今月24日に投票が行われるタイ総選挙では、下院の500議席が選挙で争われます。そのうち選挙区制での選出が350議席、選挙リスト(日本で言う比例代表と近いものです)が150議席です。
解党されたタクシン派のタイラクサチャート党が擁立していた候補者は、選挙区制で176名、選挙リストで107名でした。
一方で、スダラット氏が幹部を務めるタクシン派のプアタイ党(タイ貢献党)の候補者は選挙区制で249名、選挙リストで131名です。
このうち、タイ主要メディアによる事前予測でタイラクサチャート党の候補者が当選可能性が高いと予想されていた選挙区は、350の選挙区のうち101あります。
ここではプアタイ党の存在感が薄く、ここでタイラクサチャート党が解党された今、選挙結果がどうなるか?に注目が集まっています。
タイ総選挙、趨勢のカギを握るのは4割の無党派層
タイの民主党のアビシット党首はBangkokPostへのコメントで、この影響がどうなるかについては「時期尚早だ」とし、その上で最新の世論調査によれば、約4割はまだ支持政党を明確にしていない無党派層である事から、ここがカギとなると考えを語っています。
無党派層が、今週の解党命令などの動きにどう反応するか、これがタイ総選挙にどう影響するか。
今月24日のタイ総選挙へ注目がさらに集まっています。
7月には日本は参院選!在外投票の為、今月に在外選挙人名簿へ登録を!
(PJAニュース特集 選挙に行こう!2019)
現在、在タイ日本大使館や外務省も在外投票を呼び掛けていますが、在外投票の投票率は前回選挙で実質2%未満にまで低下してしまっています。この低投票率が、現在の日本の選挙の大きな問題の一つなのです。これでは国民の意思を反映した政治が実現する事も出来なくなってしまっており、日本の民主主義の土台が揺らいでしまっています。
日本では、国民自身が選挙の投票に行き、一人一人の意思を選挙で示す事が必要となっています。
在外投票の機会である参院選が今年の7月にあり、大使館も在外選挙人名簿の登録を簡単に出来るようにして、広報にも注力して投票を呼び掛けている現在、タイに住む日本の国民としては、日本の選挙の重要性を理解して在外投票できちんと自身の一票を投票するようにしなければいけません。
この記事を読まれている多くのタイ在住の日本人の方も是非、今年の日本の選挙に、在外選挙で投票しましょう!そのために、まず来月の3月を目途に、在外選挙人名簿の登録を実施されてください。
PJAニュースでは、この重要性を伝え、選挙での投票を呼び掛けるために特集「選挙に行こう!2019」を配信しています。
PJAニュース 特集:選挙に行こう2019 過去記事)
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