タイ総選挙:親軍政党とタクシン派政党、連立を模索
タイ総選挙では選挙区の暫定結果が発表される中で、親軍政党のバランプラチャーラット党、タクシン派政党のプアタイ党の両党ともに多数派工作が焦点となり、少数政党を取り込もうと模索する動きが強まっています。
タイの大手英字メディアのBangkokPostが今朝、次のように伝えています。
BangkokPost)Rivals begin scramble for allies (2019年3月26日)
BangkokPost)連立を求めライバル争いが熾烈に
https://www.bangkokpost.com/news/politics/1650968/rivals-begin-scramble-for-allies
報道によると、選挙区の暫定結果がタクシン派のプアタイ党(タイ貢献党)137議席、親軍政党のバランプラチャーラット党(国民国家の力党)が97議席と昨夜選挙管理委員会から発表された事を受けて、いずれも単独では過半数に達しない両党ともに、連立を模索する動きを強めています。その状況の中で、少数政党のプームチャイタイ党(タイ名誉党)が潜在的な「キングメーカー」となる可能性が浮上してきました。
PJAニュース関連記事)タイ総選挙:選挙区(定数350)暫定結果、プアタイ党137議席、親軍政党97議席 (2019年3月26日)
https://pattayaja.com/2019/03/26/%e3%82%bf%e3%82%a4%e7%b7%8f%e9%81%b8%e6%8c%99%ef%bc%9a%e9%81%b8%e6%8c%99%e5%8c%ba%e5%ae%9a%e6%95%b0350%e6%9a%ab%e5%ae%9a%e7%b5%90%e6%9e%9c%e3%80%81%e3%83%97%e3%82%a2%e3%82%bf%e3%82%a4%e5%85%9a137/
選挙区の暫定結果ではプアタイ党が優勢ですが、選挙リスト(比例代表)の得票数の暫定結果ではバランプラチャーラット党が約790万票で一位、プアタイ党が約740万票で二位となっており、両党とも単独では過半数に届かない見込みです。
これを受けてプアタイ党は連立を模索する動きを活発化しています。これまでの所、新しい未来党のみがプアタイ党との目的の共有を明言していますが、新しい未来党の議席数は80前後の見込みであり、これだけではプアタイ党は目的を達成することができず、さらなる連立が必要です。
その結果、51議席前後の獲得が見込まれているプームチャイタイ党(タイ名誉党)が、今後バランプラチャーラット党につくか、プアタイ党につくかで趨勢を左右させる「キングメーカー」となってきています。
一方で、親軍政党のバランプラチャーラット党もウッタマ党首が昨日の25日月曜、他の少数政党との連立の動きを行っている事を語り、必ず成功させると自信を見せました。ウッタマ党首は、バランプラチャーラット党が得票数で約790万票の一位と、最大の得票を得たのだから、この国民からの支持をもって政権を樹立するべきだと語りました。
タイ民主党のアビシット党首は3月24日の日曜の夜に辞意を表明しましたが、そのアビシット元党首はつねづね「誠実に民主主義を実行したことがない政党とは、連立を組むことはないだろう」と繰り返し語っていました。
しかしアビシット党首が辞意を表明した翌日の昨日25日(月)、タイ民主党のソンクラー県の候補者は、バランプラチャーラット党が主導する連立に加わる可能性を示唆しました。同候補者は、3月24日のタイ総選挙を実行したことで、プラユット政権は民主化の動きを進めており、タイ民主党としても連立の可能性があると語り、今後連立に向けて協議を進めて行く事を語っています。
参考過去記事)タイ民主党党首、選挙惨敗で辞意(2019年3月25日)
親軍政党、タクシン派政党の二大政党ともに過半数には届かない見込みとなって、多数派工作が熾烈になっています。
その中で、新しい未来党はプアタイ党支持の立場を明確にしていますが、たちばが明確になっていないタイ名誉党、反軍政を掲げた党首の辞任により、今後の展開が不透明なタイ民主党などの取り込みが、今後の趨勢を分ける展開となってきています。
今後の連立模索の展開にも注目が集まりそうです。
7月には日本は参院選!在外投票の為、今月に在外選挙人名簿へ登録を!
(PJAニュース特集 選挙に行こう!2019)
現在、在タイ日本大使館や外務省も在外投票を呼び掛けていますが、在外投票の投票率は前回選挙で実質2%未満にまで低下してしまっています。この低投票率が、現在の日本の選挙の大きな問題の一つなのです。これでは国民の意思を反映した政治が実現する事も出来なくなってしまっており、日本の民主主義の土台が揺らいでしまっています。
日本では、国民自身が選挙の投票に行き、一人一人の意思を選挙で示す事が必要となっています。
在外投票の機会である参院選が今年の7月にあり、大使館も在外選挙人名簿の登録を簡単に出来るようにして、広報にも注力して投票を呼び掛けている現在、タイに住む日本の国民としては、日本の選挙の重要性を理解して在外投票できちんと自身の一票を投票するようにしなければいけません。
この記事を読まれている多くのタイ在住の日本人の方も是非、今年の日本の選挙に、在外選挙で投票しましょう!そのために、まず来月の3月を目途に、在外選挙人名簿の登録を実施されてください。
PJAニュースでは、この重要性を伝えるために特集「選挙に行こう!2019」を配信しています。
PJAニュース 特集:選挙に行こう2019 過去記事)
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