タイ総選挙:国際NGOが懸念、選挙結果の早期発表を求める
24日に投票が実施されたタイ総選挙について、選挙監視を行った国際NGOのANFREL(自由選挙のためのアジアネットワーク)は昨日の26日に記者会見をしました。
タイメディア、海外メディアともに報じています。
ロイター通信は昨夕、記者会見の発表について次のように、選挙に不正があったと認定することは控えたものの、開票プロセスの混乱で不信感が広がっていると指摘した事を伝えています。
ロイター)タイ総選挙戦は軍政に有利、監視団が指摘 不正認定はせず (2019年3月26日)
https://jp.reuters.com/article/thailand-election-idJPKCN1R70QK
[バンコク 26日 ロイター] – アジアの選挙監視団「自由な選挙のためのアジアネットワーク(ANFREL)」は26日、タイ総選挙(24日実施)について、投票前の状況が軍政にかなり有利だったと指摘し、開票プロセスの混乱で不信感が広がっていると批判した。
2014年の軍のクーデター以来となる選挙の投開票から2日経過したが、結果は確定せず、15年近くに及ぶ政治の混乱に終止符が打たれるとの期待は後退している。
ANFRELは、選挙に不正があったと認定することは控えたものの「選挙の環境は総じて軍政に有利となっていた」とし「多くの人々が依然、選挙プロセスに不信感を持っている」と述べた。
選挙が自由で公正だったかとの質問には直接回答はせず「多くの要因をあわせて検討する必要がある。すべてのプロセスが自由で公正だったとかそうでなかったと結論付けるのは不公平だ」と述べた。
タイ選挙管理委員会のコメントは得られていない。
この会見については日本メディアでも報じられています。
日本のNHKは昨夕、以下のように報じて、国際NGOが選挙結果を早期に発表をする事を求めた事を伝えています。
NHK Web:タイ総選挙 国際NGO 「選挙結果を早期に発表を」(2019年3月26日)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190326/k10011861521000.html
24日投票が行われたタイの総選挙は、25日選挙管理委員会が一部の議席の仮集計の結果を明らかにしたあと正式な発表がなく、選挙を監視している国際NGOは、信頼性確保のためには結果を早期に発表するべきだと訴えています。
タイの選挙管理委員会は、総選挙で争われた議会下院の500議席のうち小選挙区の350議席について、タクシン元首相派の「タイ貢献党」が137議席、軍主導の政治体制の継続を目指す「国民国家の力党」が97議席を獲得したなどとする仮集計の結果を25日発表しました。
しかし、比例代表の150議席については発表がなく、各党の最終的な獲得議席は不透明なままです。第一党を争っていると伝えられる「タイ貢献党」と「国民国家の力党」の双方が、すでにそれぞれを軸とした連立交渉に乗り出しており、結果発表の遅れが政治的な不安定要因になることを懸念する声も出ています。
今回、選挙監視を行った国際NGO、ANFREL「自由選挙のためのアジアネットワーク」は、26日記者会見し、「選挙への信頼性の確保のためには、選挙管理委員会を含むすべての関係者が包括的な選挙結果のできるだけ早い発表に向けて行動すべきだ」と訴えました。
タイメディアも、記者会見のニュースを伝えています。
タイ大手英字メディアのBangkokPostは今朝、以下のように伝え、国際NGOのAnfrelやEUが懸念を表した事を伝えています。
BangkokPost)Poll problems prompt EU, Anfrel to voice concern (2019年3月27日)
BangkokPost)EUとAnfrel、タイ総選挙の問題に懸念を表明
https://www.bangkokpost.com/news/politics/1651496/poll-problems-prompt-eu-anfrel-to-voice-concern
上記の今朝のBangkok PostではAnfrelの発表と合わせて、EUや英国の発表を合わせて伝えています。BangkokPostの記事は、EUのスポークスマンが声明を発表し、あらゆる不正行為について明確にするよう求めている事を伝えています。
また、英国のアジア担当大臣のマーク・フィールド氏は「多くのタイの人々が、自国の将来について意見を表することを奨励しています。」「報告されている問題については、迅速に、公正に、透明性を持って調査がされ、信頼性を確保する事が重要です。」と語った事を伝えています。
このように、昨日の国際NGOの会見や、EU、英国の対応は、タイだけでなく各国で報じられており、世界的な注目が集まっています。
7月には日本は参院選!在外投票の為、今月に在外選挙人名簿へ登録を!
(写真はイメージです)
(PJAニュース特集 選挙に行こう!2019)
現在、在タイ日本大使館や外務省も在外投票を呼び掛けていますが、在外投票の投票率は前回選挙で実質2%未満にまで低下してしまっています。この低投票率が、現在の日本の選挙の大きな問題の一つなのです。これでは国民の意思を反映した政治が実現する事も出来なくなってしまっており、日本の民主主義の土台が揺らいでしまっています。
日本では、国民自身が選挙の投票に行き、一人一人の意思を選挙で示す事が必要となっています。
在外投票の機会である参院選が今年の7月にあり、大使館も在外選挙人名簿の登録を簡単に出来るようにして、広報にも注力して投票を呼び掛けている現在、タイに住む日本の国民としては、日本の選挙の重要性を理解して在外投票できちんと自身の一票を投票するようにしなければいけません。
この記事を読まれている多くのタイ在住の日本人の方も是非、今年の日本の選挙に、在外選挙で投票しましょう!そのために、まず来月の3月を目途に、在外選挙人名簿の登録を実施されてください。
PJAニュースでは、この重要性を伝えるために特集「選挙に行こう!2019」を配信しています。
PJAニュース 特集:選挙に行こう2019 過去記事)
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