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タイ高速鉄道:EEC路線の協議が遅延






2019年3月28日 PJA NEWS)

タイ高速鉄道:EEC路線の協議が遅延

タイ高速鉄道について続報です。

前回記事)タイ高速鉄道:EEC路線はまだ要調整、日本の国際協力銀は懸念(追記あり)
https://pattayaja.com/2019/03/20/%E3%82%BF%E3%82%A4%E9%AB%98%E9%80%9F%E9%89%84%E9%81%93%EF%BC%9Aeec%E8%B7%AF%E7%B7%9A%E3%81%AF%E3%81%BE%E3%81%A0%E8%A6%81%E8%AA%BF%E6%95%B4%E3%80%81%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E5%9B%BD%E9%9A%9B/

タイ高速鉄道のうち、ドンムアン空港、スワンナプーム空港、ラヨーン空港を結ぶEECエリアを結ぶ約220kmの路線について、この路線を最低価格で入札したCPグループ率いるコンソーシアムと、SRT(タイ国営鉄道)との本日の交渉は延期が発表されました。

タイ大手英字メディアのBangkokPostが今朝、以下の通り伝えています。

BangkokPost)Airport rail deal talks put on hold (2019年3月28日)
BangkokPost)空港路線協議が保留
https://www.bangkokpost.com/news/general/1652224/airport-rail-deal-talks-put-on-hold

上記のPJAニュースの前回記事の通り、タイ高速鉄道のいわゆる「EEC路線」については本日の28日、CPグループ率いるコンソーシアムとSRT(タイ国営鉄道)との協議が予定されていました。

しかしながらCPグループ率いるコンソーシアム側は昨日の27日、この協議を延期することを求めました。理由はコンソーシアムに参加する各社間で、まだ調整が必要なためとしています。

これを受けて本日の協議は延期され、次回は4月4日の予定と発表されています。

報道されている概要は、上記の通りです。

(写真は高速鉄道イメージ)

同路線については、最低額である1172憶バーツで入札した、タイ有力財閥のCPグループが率いるコンソーシアムとSRT(タイ国営鉄道)との協議が続いています。このコンソーシアムは主にCPグループと、Bangkok Expressway and Metro Plc、中国鉄道建設公司、Ch Karnchang、イタリア – タイ建設Plcなどで構成されています。

この路線の建設資金についてSRT(タイ国営鉄道)幹部は、日本の政策金融機関である国際協力銀行(JBIC、前田匡史総裁)を含め協議をしている事を語っています。国際協力銀行はPJAニュースの取材に、この路線のプロジェクトについて協議をしている事は認めていますが、取材時点においては、まだ具体的な何らかの決定がなされてはいないと語っています。

(2019年3月7日 タイ首相官邸にて
日本の国際協力銀行(JBIC)の前田匡史総裁訪問
写真:タイ首相官邸)

PJAニュースの以下の過去記事の通り、タイ高速鉄道の中で実現性が高いEEC路線も、政治主導で日中協力事業となった事で、どうなるか推移に注目が集まっています。

PJAニュース過去記事)タイ高速鉄道で唯一実現性の高いEEC路線、政治と現実に隔たり (2018年11月1日)
https://pattayaja.com/2018/11/01/pja-news%E3%82%BF%E3%82%A4%E9%AB%98%E9%80%9F%E9%89%84%E9%81%9

本路線は現状、中国政府が「一帯一路」の一環だと発表しており、日本政府はこれを否定している最中にあります。

PJAニュース過去記事)中国政府「タイでの日中協力事業は一帯一路の一環」日本政府は否定(2019年3月9日)
https://pattayaja.com/2019/03/09/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E6%94%BF%E5%BA

本路線について、CPグループ率いるコンソーシアムがこのまま契約し建設して運営するとなると、主要な参加企業の中に日本企業の名前もなく、あるのは中国の「中国鉄道建設公司」の名前のみとなります。

この路線を現在、中国政府が「一帯一路」の一環だと発表しているわけですから、日本人としてはEECエリアの発展は嬉しいものの、この路線を建設するのに日本の政策金融機関である国際協力銀行(JBIC)が、仮に2,240憶バーツ(*)という大規模な融資をして開発するなら、中国政府に「一帯一路」の一環だと位置付けられたままで実施するのではなく、タイと日本の協力の為のプロジェクトとして実施して欲しいと思います。

(*)融資規模については、タイのソムキット副首相のコメントとして以下記事で報道されているものを引用しました。ただし日本の国際協力銀行(JBIC)はPJAニュースの取材に、融資規模も含めて具体的な決定は、取材時点においてされていないとしています。

PJAニュース過去記事)タイ高速鉄道:日本の国際協力銀行、EEC路線を支援検討
https://pattayaja.com/2019/03/10/005/

できれば高速鉄道も中国の鉄道を輸入するのではなく、日本の高速鉄道を日本企業が導入してくれるのが良いのですが、現状の交渉内容だと、残念ながらかなわなそうな流れですね。

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