2019年4月10日 PJA NEWS)

新未来党の事務局長にも、タイ警察から召喚状

3月24日に投票が行われたタイ総選挙で、躍進したと考えられているタイの新興政党、新しい未来党。

以下の過去記事の通り、同党のタナトン党首にタイ警察から召喚状が出されています。

PJA NEWS)新未来党の党首、タイ警察から召喚状 (2019年4月4日)
https://pattayaja.com/2019/04/04/%e6%96%b0%e6%9c%aa%e6%9d%a5%e5%85%9a%e3%81%ae%e5%85%9a%e9%a6%96%e3%80%81%e3%82%bf%e3%82%a4%e8%ad%a6%e5%af%9f%e3%81%8b%e3%82%89%e5%8f%ac%e5%96%9a%e7%8a%b6/

この新しい未来党の事務局長にも、タイ警察から召喚状が出されました。
これをタイの大手英字
メディアBangkok Postが昨夜の4月9日の夜に、次のように伝えています。

Bangkok Post)Piyabutr faces two charges (2019年4月9日)
Bangkok Post)新しい未来党事務局長、2容疑に直面
https://www.bangkokpost.com/news/politics/1659160/piyabutr-faces-two-charges

報道によると、新しい未来党のPiyabutr事務局長は、タイのタクシン派政党の一つ、タイラクサチャート党に対し、タイの憲法裁判所が2019年3月7日に解党命令を出した後に、その解党命令の書面をビデオクリップで読み上げFacebookなどで投稿した内容などについて、タイのコンピューター犯罪法違反容疑及び法廷侮辱罪容疑にあたるとして、タイ警察から召喚状が出されました。

PJA NEWS過去記事)タイ憲法裁、タクシン派のタイラクサチャート党に解党命令 (2019年3月8日)
https://pattayaja.com/2019/03/08/3175/

新しい未来党のPiyabutr事務局長は、NCPO(タイ国家平和秩序評議会)が国家安全保障を脅かしうる、コンピューター犯罪法違反容疑だとしてタイ警察に告発したとしており、Facebookにタイ警察からの召喚状を投稿しています。同氏は投稿について、全く違法性が無いと主張しています。

上記が、報道されている概要です。

(新しい未来党のタナトン党首
写真:プアタイ党<タイ貢献党>)

タイ総選挙で若年層などに支持されて躍進し、第三党になったと考えられている、新しい未来党。同党は軍政とは対決姿勢を明確にし、タクシン派のプアタイ党を中心とする連立政権への参加を発表しています。この新しい未来党のタナトン党首に続いて、事務局長も警察から召喚状が発行されました。

新しい未来党の事務局長はFacebookに

「批判する自由無きところに、称賛の価値なし」

という「フィガロの結婚」(*)の言葉を引用し、このような対応を批判しています。

 

(*)「フィガロの結婚」

1784年に劇作家のカロン・ド・ボーマルシェが1784年に書いた風刺的な戯曲、ならびに同戯曲をもとにヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが1786年に作曲したオペラ。
封建時代の貴族に強烈な風刺、批判をしており、フランスではルイ王朝のルイ16世が
「この上演を許すぐらいなら、バスティーユ監獄を破壊する方が先だ!」
と激高し、上演禁止となる事も多い作品でした。

戯曲のあらすじは以下のWikipediaなどをご参照下さい。

Wikipedia)フィガロの結婚
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%AC%E3%83%AD%E3%81%AE%E7%B5%90%E5%A9%9A

この頃のフランスは貴族の浪費に加えて、アメリカの独立戦争(1775~1783年)の支援をした事も重なり、深刻な財政難にありました。
このため平民の市民にはさまざまな重税が課されて苦しんでいましたが、一方で貴族は税金すらも払わずに浪費を続け贅沢な暮らしをしており、多くの平民から貴族社会への反発が強まっていました。

フィガロの結婚には、貴族による「初夜権」というお金以外の税金までが登場しますが、これがいかに平民からの反発を招いたのかが伺えます。

このような状況のフランスで特に浸透したのが、国民主権論、社会契約説、平等主義などで、これが現代の民主主義の原型を形成していきました。

そしてフィガロの結婚をボーマルシェが書いてから5年後の1789年7月14日、フランスの怒った民衆が、まさにその「バスティーユ監獄」を襲撃し、フランス革命が勃発。平民が貴族社会を破ったのです。

モーツァルトが作曲した、「フィガロの結婚」の序曲が以下の曲で、今でもこの曲は多くの人が聞いた事がある有名な曲です。

Wikipedia) カロン・ド・ボーマルシェ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%82%A7

Wikipedia) ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A9%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%AC%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%9E%E3%83%87%E3%82%A6%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%84%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%83%88

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