タイ総選挙)ソムキット副首相、政治遅延の悪影響を懸念
タイのソムキット副首相は、3月24日にタイ総選挙の投票が行われた後も、新政権が成立する事が遅れており、この遅れが長引く事で、GDP成長率が低下しかねないという懸念を表し、タイの関係当局へ、このような悪影響が出ないように対策を促しました。
今朝(4月23日)のタイ大手英字メディアBangkok Postが次のように伝えています。
Bangkok Post)Somkid urges agencies to maintain momentum (2019年4月23日)
Bangkok Post)ソムキット副首相、悪影響が出ないよう関係当局に促す
https://www.bangkokpost.com/business/news/1665500/somkid-urges-agencies-to-maintain-momentum
写真:PJAニュース)
報道によるとソムキット副首相は、タイのGDP成長率は昨年度の2018年度は4.1%でしたが、組閣や新政権の樹立が遅れていくと今年は3%程度にまで落ち込みかけない事への懸念を表し、そうならないようにタイの関係当局に迅速な対策を促しました。
筆者注記)
世界銀行の以下のデータによると、タイのGDP成長率は2014年度には約1.0%にまで落ち込みましたが、2015年度には約3.0%に回復、その後2016年度は約3.3%、2017年度は3.9%と回復をしてきました。
そして2018年度はタイ政府によると4.1%にまで回復していましたが、それが今年はタイ総選挙後の新政権の成立遅延により、3%程度に低下してしまいかねないという趣旨の懸念だと考えられます。
ソムキット副首相は
「株式市場の相場、実質投資額の推移、地域経済成長率の推移、観光産業への投資額の推移、そのいずれもが総選挙の2ヶ月前の今年1月まで増加傾向にありました。
しかしながら、1月から今の経済は、次の政権が6月から7月に成立する事を期待したまま鈍化してしまっており、まるで映画の”眠れる森の美女”のようになっています。」
と語り、タイ総選挙の後の新政権の成立を急がなければいけない事を語りました。
その上で、関係各当局へ悪影響が出ないよう、早急な対策を促したものです。
報道されている概要は上記の通りです。
3月24日に投票が実施されたタイ総選挙は、その後確定結果の発表や、投票を議席数に配分する計算方法の確定が遅れており、以下の前回記事の通りタイ中央銀行も懸念を表しています。
PJA NEWS過去記事)タイ総選挙)タイ中央銀が組閣遅れ懸念、再投票は本日実施(2019年4月21日)
https://pattayaja.com/2019/04/21/%e3%82%bf%e3%82%a4%e7%b7%8f%e9%81%b8%e6%8c%99%e3%82%bf%e3%82%a4%e4%b8%ad%e5%a4%ae%e9%8a%80/
政治的な遅延による経済への悪影響が出ないように、その対策が求められています。
タイに住む日本人としても、EEC(東部経済回廊)などを日本政府とタイ政府で共同して進めている中で、タイ経済も発展してくれて、タイの国民が豊かになってくれるように努力していかないといけませんね。
補記)ソムキット副首相のお名前の日本語表記方法について
タイのソムキット副首相のお名前の日本語表記については、お名前のSomkidのdの発音を「ド」と記載されている事も多く、筆者も以前はこのように表記していたのですが、タイの関係当局から「ト」と表記する方で書いてもらえませんかと御相談いただきましたので、現在はPJA NEWSの本記事も含めて「ソムキット」と、「ト」の表記で統一して記載しています。
このため、過去記事と比べるとお名前の日本語表記が違っている可能性があります。
7月は在外投票での投票を!そのために大使館での登録を急いで!
(PJAニュース特集 選挙に行こう!2019)
日本では7月に重要な参議院選挙が予定されています。以下の過去記事の通り、これは衆参同日選となる可能性も指摘されている、日本の行く末を決めるための重要な選挙です。
タイなど海外に在住の日本人の方は、7月の選挙は在外投票などを利用して、是非投票をしてください。そのためには在外選挙人名簿への登録をバンコクの在タイ日本国大使館や、4月25日11時~14時のシラチャでの出張領事サービスなどで、急ぎで実施する事が必要です。
その方法は以下の過去記事の「在外投票はこんなに簡単!まずは早めに登録を」の通り、パスポートを持って申請書を記入して出せば、わずか5分ほどで完了する簡単なものです。(※在留届提出者の場合、詳細は以下記事をご覧ください。)
7月の選挙は、日本の今後を決定する非常に重要な選挙となります。
タイなど海外に在住する日本人も、7月の選挙に投票しましょう!
「正しき政治の行われる為には、
正しき選挙の行われる事がその要件であります。」
岡田啓介 第31代内閣総理大臣(1934~1936年) (*)
岡田は戦前の5・15事件の後に内閣総理大臣を務めた人物、だからこそ、民主的な「正しい政治」のために、正しい選挙が行われる事が必要な要件であることを説いた言葉にも説得力がありますね。
正しき選挙を実現するためには、日本の有権者がそれぞれ日本の将来のことを考えて、自由意思で投票する事が必要です。
ぜひ、タイなど海外に在住する日本人も、7月の参院選に投票しましょう!
(*)岡田啓介
日本の軍人、政治家。第31代内閣総理大臣を務める、最終階級は海軍大将。
戦前から戦中の軍人の高官でありながら、当時の軍人らしい英雄譚などは一切ない軍人らしからぬ人物で、第二次大戦開戦時においてもアメリカとの開戦を避けようと尽力した和平派の中心的な人物です。第二次大戦の開戦後も和平派として東条内閣打倒の運動を行い、終戦まで和平のために尽力しました。
このように命を懸けて和平のために戦った軍人である岡田の言葉だからこそ、重みを感じるのが上記の言葉です。
戦後、極東軍事裁判で首席検事を務めたジョセフ・キーナンは岡田を含む4人を「戦前の日本を代表する平和主義者」と評価し、ホームパーティーに呼んで歓待したという逸話も残っています。
岡田は晩年に口述で「岡田啓介回顧録」を残しており、これにより戦前から戦中の詳細な岡田の記録が残っています。
(岡田啓介 Wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B2%A1%E7%94%B0%E5%95%93%E4%BB%8B
(参考過去記事:同時代の第二次大戦時にタイに駐留した日本陸軍の第18軍司令官、中村明人を取り上げたコラム)
PJAコラム)タイでは皆知っている日本人”小堀”のルーツとなった実話とは!?(2017年10月29日)
https://pattayaja.com/2017/10/29/%e3%82%b3%e3%83%a9%e3%83%a0%e3%82%
PJAニュース 特集:選挙に行こう2019 過去記事)
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