タイ総選挙)タイ憲法裁、選挙管理委からの請求を棄却
以下の、タイの選挙管理委員会がタイ憲法裁に、3月24日に投票が行われたタイ総選挙において、その選挙リスト方式(日本の比例代表制に近い制度です)の定数150議席の配分方法の合法性の審議と決定を求めていた件に続報です。
PJA NEWS)タイ憲法裁、選挙管理委の審議要請について本日聴取 (2019年4月17日)
https://pattayaja.com/2019/04/17/%e3%82%bf%e3%82%a4%e6%86%b2%e6%b3%95%e8%a3%81%e3%80%81%e9%81%b8%e6%8c%99%e7%ae%a1%e7%90%86%e5%a7%94%e3%81%ae%e5%af%a9%e8%ad%b0%e8%a6%81%e8%ab%8b%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6%e6%9c%ac%e6%97%a5/
タイの憲法裁判所は昨日、この選挙管理委員会からの請求を棄却しました。
これにより選挙管理委は、自身で法的な責任を取った上で、5月9日の発表期限までに公式の選挙結果の発表を行う事が求められる見込みとなりました。
タイ大手英字メディアのBangkok Postが今朝、次のように伝えています。
Bangkok Post)EC faces legal action over poll (2019年4月25日)
Bangkok Post)選挙管理委、選挙について自身の法的対応に直面
https://www.bangkokpost.com/news/politics/1666472/ec-faces-legal-action-over-poll
報道によると、昨日の2019年4月24日(水)、タイ憲法裁は、タイ選挙管理委からのタイ憲法の91条とタイ選挙管理法128条についての法的な審議と決定を求める請願について、それはタイ選挙管理委が決定する権限を有しており、これを決定し解決する事は選挙管理委の職務であるとして、この請願を棄却しました。
タイの選挙管理委は今後、同選挙管理委自身で法的責任を持って、タイ憲法91条とタイ選挙管理法128条の問題について回答を出して対応し、5月9日の選挙の公式結果発表期日に発表をする事が求められる見込みです。
タイの憲法起草委員会の元顧問だったJade氏はインタビューのコメントで、選挙管理委員会は憲法裁判所が法的な決定をしてくれることを望んでいた事を語り、その上で選挙管理委員会が今後どのように判断をしても、いずれかの側から法的な対応等に直面する事が見込まれる為、同情している事を語りました。
(タイ選挙管理委員会 Ittiporn議長
写真:タイ選挙管理委員会)
上記報道の通り、タイの憲法裁判所が審議を棄却した結果、タイ選挙管理委員会は自身で法的な責任を持って決定し、5月9日に迫った選挙結果の公式結果の発表期限までに結果を発表する事が求められる見込みです。
一方で、選挙結果の確定が遅れており、次期政権の成立時期や内容が不透明な状況が長引いている事で、以下の過去記事の通り、タイ経済においては懸念の声も出てきています。
PJA NEWS)タイ総選挙)ソムキット副首相、政治遅延の悪影響を懸念 (2019年4月23日)
https://pattayaja.com/2019/04/23/%e3%82%bf%e3%82%a4%e7%b7%8f%e9%81%b8%e6%8c%99%e3%82%bd%e3%83%a0%e3%82%ad%e3%83%83%e3%83%88%e5%89%af%e9%a6%96%e7%9b%b8%e3%80%81%e6%94%bf%e6%b2%bb%e9%81%85%e5%bb%b6%e3%81%ae%e6%82%aa%e5%bd%b1%e9%9f%bf/
PJA NEWS)タイ総選挙)タイ中央銀が組閣遅れ懸念、再投票は本日実施 (2019年4月21日)
https://pattayaja.com/2019/04/21/%e3%82%bf%e3%82%a4%e7%b7%8f%e9%81%b8%e6%8c%99%e3%82%bf%e3%82%a4%e4%b8%ad%e5%a4%ae%e9%8a%80/
このような状況を受けて、3月24日に投票が行われたタイ総選挙の公式結果は、予定されている5月9日に発表されるのかどうか、注目が集まっています。
7月は日本は参院選!在外投票での投票を。大使館での登録を急いで!
(写真はイメージ)
(PJAニュース特集 選挙に行こう!2019)
日本では7月に重要な参議院選挙が予定されています。以下の過去記事の通り、これは衆参同日選となる可能性も指摘されている、日本の行く末を決めるための重要な選挙です。
タイなど海外に在住の日本人の方は、7月の選挙は在外投票などを利用して、是非投票をしてください。そのためには在外選挙人名簿への登録をバンコクの在タイ日本国大使館などで、急ぎで実施する事が必要です。
その方法は以下の過去記事の「在外投票はこんなに簡単!まずは早めに登録を」の通り、パスポートを持って申請書を記入して出せば、わずか5分ほどで完了する簡単なものです。(※在留届提出者の場合、詳細は以下記事をご覧ください。)
7月の選挙は、日本の今後を決定する非常に重要な選挙となります。
タイなど海外に在住する日本人も、7月の選挙に投票しましょう!
大衆は愚衆である。
だから、この愚かな大衆に意見を聞くよりは、偉大なる一人の賢人があらわれて、その独裁によって政治が行われることが、もっとも望ましい。かつての大昔、だれかがこんな考えを世に説いて、それが今日に至るも、なお一部には、達見として尊ばれているようである。
たしかに大衆には、こうした一面があったかもしれない。そしてこうした考えから、多くの誤った独裁政治、権力政治が生み出され、不幸な大衆をさらに不幸におとしいれてきた。
しかし、時代は日とともに進み、人もまた日とともに進歩する。今や大衆は、きわめて賢明であり、そしてまたきわめて公正でもある。
この事実の認識を誤る者は、民主主義の真意をふみはずし、民主政治の育成を阻害して、みずから墓穴を掘り進むことになるであろう。
くりかえしえて言うが、今日、大衆はきわめて賢明であり、またきわめて公正である。
したがって、これを信頼し、これに基盤を置いて、この大衆に最大の奉仕をするところに、民主政治の真の使命があり、民主主義の真の精神がひそんでいると思うのである。
国家繁栄への道も、ここから始まる。
松下幸之助(*)の「道をひらく」(PHP文庫、1968年5月1日初版刊行)に載っている言葉の一つです。
松下幸之助が1968年に書いた通り、大衆は本来、きわめて賢明で公正であり、それを前提としたのが戦後日本の民主主義の根幹です。
松下は「経営の神様」とまで言われた名経営者です。
松下は自身の経営哲学を説明した際にも、大衆は賢明、公正であり、正しい商品を選ぶという事を語っている記録がありますので(1952~59年頃の松下の発言をまとめた本「道行く人もみなお客様」など)、松下の信条として同様の話をいつもしていたものだと思います。
松下の取り組んだ商売の世界でも、大衆は確かに非常に賢明、公正に企業や商品を選ぶ購買行動をしているわけですから、この松下の言葉は、民主主義国家における選挙も同様に、日本の国民は賢明に投票し、民主主義が正しく機能できるはずだという信条を語ったものだと思います。
日本の民衆である有権者の一人一人は、公正な選挙で投票をしても「どうせ何も変わらない」と思うのではなく、国民が国のあるべき姿を考えて、自由な意思により7月の選挙にも投票し、国民のために政治を変える事が必要とされています。
(*)松下幸之助 現パナソニック社の創業者
Wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%BE%E4%B8%8B%E5%B9%B8%E4%B9%8B%E5%8A%A9
PJAニュース 特集:選挙に行こう2019 過去記事)
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