タイ総選挙)第3勢力連合、タイ誇り党党首が首相候補に
以下のタイ総選挙の結果発表後の、新政権の行方に関するニュースに続報です。
PJAニュース)タイ総選挙)第3勢力連合、政局の行方を握る展開に (2019年5月11日)
https://pattayaja.com/2019/05/11/%e3%82%bf%e3%82%a4%e7%b7%8f%e9%81%b8%e6%8c%99%e7%ac%ac3%e5%8b%a2%e5%8a%9b%e9%80%a3%e5%90%88%e3%80%81%e6%94%bf%e5%b1%80%e3%81%ae%e8%a1%8c%e6%96%b9%e3%82%92%e6%8f%a1%e3%82%8b%e5%b1%95%e9%96%8b%e3%81%ab/
軍政派のバランプラチャーラット党と、タクシン派のプアタイ党を中心とする民主派政党7党連合が、双方とも多数派工作を激しくしている中にありますが、その中で第三勢力のタイ民主党(議席数52)、タイ誇り党(議席数51)、その他2党(議席数13)、合計議席数116の連合が成立し、第三勢力連合となって、タイ下院の政局の行方を握る展開となっています。
これを受けて、タクシン派のプアタイ党が第三勢力連合を取り込むために、同連合のタイ誇り党の党首を次期首相にする案を提示し交渉をしていると、タイ現地大手英字メディアのBangkokPostが本日先ほどの2019年5月13日午後、次のように伝えています。
BangkokPost)Sereepisuth to Anutin: ‘Pheu Thai will give you all’ (2019年5月13日)
BangkokPost)タイ誇り党党首に「プアタイ党は、どの席でも用意する」
https://www.bangkokpost.com/news/politics/1676800/sereepisuth-to-anutin-pheu-thai-will-give-you-all
定数500の下院の選挙区選出方式の350、選挙リスト選出方式(日本の比例代表制に近い制度です)の150を合わせた、政党別の議席数のうち、発表された498議席の政党別内訳は次の通りです。
1位 プアタイ党 136 (うち選挙区選出136)
2位 バランプラチャーラット党 115 (うち選挙区選出97)
3位 新しい未来党 80 (うち選挙区選出 30)
4位 民主党 52 (うち選挙区選出 33)
5位 タイ誇り党 51 (うち選挙区選出 39)
<6位以下、獲得議席数10以下は省略
6位以下を含めた表は、以下記事中に掲載されたBangkokPost作成の表をご覧下さい。>
https://www.bangkokpost.com/news/politics/1674208/pheu-thai-govt-hope-on-ropes
上記のうち、1位で議席数136を有するタクシン派のプアタイ党は、反軍政をスローガンに民主派連合を7党で結成、その議席数は現在245議席となっています。しかしこれでは、下院の過半数250に達していませんから、多数派工作を激しくしています。一方で、軍政派政党も同様に多数派工作を激しくしており、両政党が数を争う展開となっています。
そこで4位のタイ民主党(議席数52)と5位のタイ誇り党(議席数51)は、他の2党(議席数は合わせて13)と共に4党116議席で第三勢力連合を結成、この第三勢力連合が、上記の二大勢力のどちら側につくかが政局を左右する展開となってきました。
報道によると、タクシン派政党のプアタイ党が、第三勢力連合中枢のタイ誇り党のAnutin党首に、首相の席も含めて「いかなる席でも」用意すると、プアタイ党が連立を組んでいる7党のうちの一つのSeri Ruam党の党首から本日の2019年5月13日に伝えられました。
現在、軍政派は選挙管理委員会が採用した選挙リスト(日本の比例代表制に近い制度です)の計算方式により、予想外に議席を獲得した小規模政党11党が、軍政派政党とプラユット首相に忠誠を誓った事を受けて有利となっています。
このため、タクシン派のプアタイ党は、何としてもこの第三勢力連合を勢力に加えたい構図となっており、その構図の中で、次期首相の席を渡すというカードを切ったのではないかと考えられます。
タイ誇り党のAnutin党首
写真:タイ誇り党
タイ誇り党のAnutin党首はこれについて、来週月曜の党の会合まで、何ら決定を下さないとメディアの取材に語っています。
また、第三勢力連合のもう一つの大勢力であるタイ民主党は今週水曜の2019年5月15日、党で会議を開き、新代表と執行部の選出を予定しており、その選出後に軍政派に入るかどうかを議論する予定です。
タイの下院は第三勢力連合が行方を握る展開が続いており、第三勢力のタイ誇り党の党首が、タクシン派のプアタイ党などが推す次期首相の候補となる可能性が出てきました。
今後の展開に注目が集まっています。
7月は日本は参院選!在外投票での投票を。大使館での登録を急いで!
(写真はイメージ)
(PJAニュース特集 選挙に行こう!2019)
日本では7月に重要な参議院選挙が予定されています。以下の過去記事の通り、これは衆参同日選となる可能性も指摘されている、日本の行く末を決めるための重要な選挙です。
タイなど海外に在住の日本人の方は、7月の選挙は在外投票などを利用して、是非投票をしてください。そのためには在外選挙人名簿への登録をバンコクの在タイ日本国大使館などで、急ぎで実施する事が必要です。
その方法は以下の過去記事の「在外投票はこんなに簡単!まずは早めに登録を」の通り、パスポートを持って申請書を記入して出せば、わずか5分ほどで完了する簡単なものです。(※在留届提出者の場合、詳細は以下記事をご覧ください。)
7月の選挙に在外選挙人名簿登録が間に合うかどうか、5月11日の現在は既に確実ではなくなっていますが、バンコクの大使館で手続きをすれば、間に合う可能性がまだあります。
この選挙は、日本の今後を決定する非常に重要な選挙となります。
タイなど海外に在住する日本人も、7月の選挙に投票しましょう!
大衆は愚衆である。
だから、この愚かな大衆に意見を聞くよりは、偉大なる一人の賢人があらわれて、その独裁によって政治が行われることが、もっとも望ましい。かつての大昔、だれかがこんな考えを世に説いて、それが今日に至るも、なお一部には、達見として尊ばれているようである。
たしかに大衆には、こうした一面があったかもしれない。そしてこうした考えから、多くの誤った独裁政治、権力政治が生み出され、不幸な大衆をさらに不幸におとしいれてきた。
しかし、時代は日とともに進み、人もまた日とともに進歩する。今や大衆は、きわめて賢明であり、そしてまたきわめて公正でもある。
この事実の認識を誤る者は、民主主義の真意をふみはずし、民主政治の育成を阻害して、みずから墓穴を掘り進むことになるであろう。
くりかえしえて言うが、今日、大衆はきわめて賢明であり、またきわめて公正である。
したがって、これを信頼し、これに基盤を置いて、この大衆に最大の奉仕をするところに、民主政治の真の使命があり、民主主義の真の精神がひそんでいると思うのである。
国家繁栄への道も、ここから始まる。
松下幸之助(*)の「道をひらく」(PHP文庫、1968年5月1日初版刊行)に載っている言葉の一つです。
松下幸之助が1968年に書いた通り、大衆は本来、きわめて賢明で公正であり、それを前提としたのが戦後日本の民主主義の根幹です。
松下は「経営の神様」とまで言われた名経営者です。
松下は自身の経営哲学を説明した際にも、大衆は賢明、公正であり、正しい商品を選ぶという事を語っている記録がありますので(1952~59年頃の松下の発言をまとめた本「道行く人もみなお客様」など)、松下の信条として同様の話をいつもしていたものだと思います。
松下の取り組んだ商売の世界でも、大衆は確かに非常に賢明、公正に企業や商品を選ぶ購買行動をしているわけですから、この松下の言葉は、民主主義国家における選挙も同様に、日本の国民は賢明に投票し、民主主義が正しく機能できるはずだという信条を語ったものだと思います。
日本の民衆である有権者の一人一人は、公正な選挙で投票をしても「どうせ何も変わらない」と思うのではなく、国民が国のあるべき姿を考えて、自由な意思により7月の選挙にも投票し、国民のために政治を変える事が必要とされています。
(*)松下幸之助 現パナソニック社の創業者
Wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%BE%E4%B8%8B%E5%B9%B8%E4%B9%8B%E5%8A%A9
PJAニュース 特集:選挙に行こう2019 過去記事)
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