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タイ民主党、軍政側参加に暗雲






2019年5月16日 PJA NEWS)

タイ民主党、軍政側参加に暗雲

以下の、昨日Jurin新党首と新執行部メンバーを選出したタイ民主党のニュースに続報です。

PJAニュース)タイ民主党、新党首にJurin氏を選出(2019年5月15日)
https://pattayaja.com/2019/05/15/jurin/

タイ大手英字メディアのBangkokPostが本日の2019年5月16日朝、タイ民主党が軍政派に協力するか不透明であり、軍政派の連立政権に暗雲が立ち込めている事を伝えています。

BangkokPost)PPRP faces major coalition snag (2019年5月16日)
BangkokPost)軍政派のバランプラチャーラット党、連立に暗雲
https://www.bangkokpost.com/news/politics/1678388/pprp-faces-major-coalition-snag

報道によると、昨日の2019年5月15日にJurin新党首を選出したタイ民主党が、軍政派支持を打ち出すかどうか不透明な状況にあり、軍政派連立政権樹立には暗雲が広がりつつあります。

(2019年5月15日 タイ民主党の党員投票
写真:タイ民主党)

昨日のタイ民主党の党員による選挙では、291人の投票のうちJurin氏は160票を獲得して党首となりました。他はPirapan Salirathavibhaga氏が102票と多くの票を獲得し、その後はKorn Chatikavanij氏の19票、Apirak Kosayodhin氏の10票となっています。

この投票により選ばれた新党首Jurin氏を中心にタイ民主党では、軍政派につくか、プアタイ党が中心となる民主派連合派につくかの議論がされていますが、この両方を天秤にかける議論が続いています。

新執行部のメンバーは情報筋に「軍政派につくにしても、タクシン派のプアタイ党が中心となる民主派につくにしても、いずれも内部で合意が取れるかわからない状況にある」と、不透明な状況が続いている事を語っています。

また、別の情報筋は、タイ民主党の新党首がJurin氏となった事で、軍政派につくかどうかわからなくなってきていると語ります。これはJurin氏や、その主要な支持者である前党首のアビシット氏(現在はタイ民主党顧問)、同党顧問のChuan Leekpai氏、他の過去の党首なども含めて、軍政派につくべきではないと明確に主張しているためです。

彼らは、3月24日に投票が行われた今回のタイ総選挙で軍政派のバランプラチャーラット党は、タイ民主党が基盤としていた南部を狙い撃ちにしており、軍政派は選挙のライバル関係にあると考えています。そのため、彼らは今後の選挙で有利とするために、タクシン派のプアタイ党や、若手層に強い支持を得た新興政党の新しい未来党などの連合に加わる方が良いと考えています。

彼らは、プアタイ党が中心となる民主派連合と同じく、軍政に有利となっている現行のタイ新憲法を変更するという目的で一致しており、タイ民主党は、プアタイ党が中心となる民主派連合に参加する可能性があると、情報筋は語っています。

報道されている概要は、上記の通りです。

(2019年5月15日 タイ民主党の党員投票
写真:タイ民主党)

一方で、第三勢力連合のもう一つの主要政党であるタイ誇り党は、党首が民主派連合の首相候補となるという案を受け、来週月曜の2019年5月20日に、党内でどちらにつくか検討すると以下の過去記事の通り報じられています。

PJAニュース)タイ総選挙)第3勢力連合、タイ誇り党党首が首相候補に(2019年5月13日)
https://pattayaja.com/2019/05/13/%E3%82%BF%E3%82%A4%E7%B7%8F%E9%81%B8%E6%8C%99%E7%AC%AC3%E5%8B%A2%E5%8A%9B%E9%80%A3%E5%90%88%E3%80%81%E3%82%BF%E3%82%A4%E8%AA%87%E3%82%8A%E5%85%9A%E5%85%9A%E9%A6%96%E3%81%8C%E9%A6%96%E7%9B%B8%E5%80%99/

第三勢力で最大議席を有するタイ民主党は、選挙投票前の2019年3月10日夜、当時党首のアビシット氏が自身のFacebookのアカウントに33秒の短い動画をアップロードし、反軍政の姿勢を明確にして選挙戦を戦いましたが、3月24日投票結果での惨敗を受けて、アビシット氏は党首を辞任しました。


アビシット氏がFacebookに投稿した動画

上記ビデオの中でアビシット党首は「長期にわたる権力の保持は内紛を引き起こしており、国民を第一にするわが党のイデオロギーに反するので、私は絶対にプラユット首相を支持するつもりはない」、「プラユット政権の下で5年が経ったが、タイの経済は悪い状態にあり、国民は酷く苦しんでいます。」などと語りました。

参考過去記事)タイ総選挙:タイ民主党党首、選挙惨敗で辞意 (2019年3月25日)
https://pattayaja.com/2019/03/25/%E3%82%BF%E3%82%A4%E7%B7%8F%E9%

このような経緯から、現在の民主党はタクシン派のプアタイ党を中心とする民主派7党の勢力を支持する事は見込まれにくいという意見がもともとは多くありました。

しかしJurin氏が昨日に新党首に選出され、Jurin氏と、アビシット氏を含む同氏の支持層が反軍政を主張している事で、軍政派支持に暗雲がたちこめてきています。

来週にはタイでは議会が招集され、今月中には次期首相が指名される予定です。この首相指名は下院500名に加えて、軍政が実質上指名する上院250名も参加して投票がされるため、次期首相は実際にはプラユット首相が続投となる見込みです。

しかしながら、タクシン派のプアタイ党が中心となる民主派連合が、タイ誇り党やタイ民主党など第三勢力連合と連立が成立すれば、下院で過半数を超える議席を得る事となり、新政権は法案などが通しにくくなり運営は容易ではなくなることが見込まれます。

タイ政局の今後の推移に、さらに注目が集まります。

7月は日本は参院選!在外投票での投票を。大使館での登録を急いで!

(写真はイメージ)

(PJAニュース特集 選挙に行こう!2019)

日本では7月に重要な参議院選挙が予定されています。以下の過去記事の通り、これは衆参同日選となる可能性も指摘されている、日本の行く末を決めるための重要な選挙です。

タイなど海外に在住の日本人の方は、7月の選挙は在外投票などを利用して、是非投票をしてください。そのためには在外選挙人名簿への登録をバンコクの在タイ日本国大使館などで、急ぎで実施する事が必要です。

その方法は以下の過去記事の「在外投票はこんなに簡単!まずは早めに登録を」の通り、パスポートを持って申請書を記入して出せば、わずか5分ほどで完了する簡単なものです。(※在留届提出者の場合、在留届の提出がされていない方は、タイに3か月以上居住している事がわかる賃貸契約書なども必要となります。詳細は以下記事をご覧ください。)

選挙に行こう!2019(2)在外投票はこんなに簡単!まずは早めに登録を

7月の選挙に在外選挙人名簿登録が間に合うかどうか、5月14日の現在は既に確実ではなくなっていますが、PJA NEWSで取材し調査した所、バンコクの在タイ日本国大使館で今週にも急ぎで手続きをすれば、まだ間に合う可能性があります!

この選挙は、日本の今後を決定する非常に重要な選挙となります。
タイなど海外に在住する日本人も、7月の選挙に投票しましょう!

大衆は愚衆である。

だから、この愚かな大衆に意見を聞くよりは、偉大なる一人の賢人があらわれて、その独裁によって政治が行われることが、もっとも望ましい。かつての大昔、だれかがこんな考えを世に説いて、それが今日に至るも、なお一部には、達見として尊ばれているようである。

たしかに大衆には、こうした一面があったかもしれない。そしてこうした考えから、多くの誤った独裁政治、権力政治が生み出され、不幸な大衆をさらに不幸におとしいれてきた。

しかし、時代は日とともに進み、人もまた日とともに進歩する。今や大衆は、きわめて賢明であり、そしてまたきわめて公正でもある。

この事実の認識を誤る者は、民主主義の真意をふみはずし、民主政治の育成を阻害して、みずから墓穴を掘り進むことになるであろう。

くりかえしえて言うが、今日、大衆はきわめて賢明であり、またきわめて公正である。

したがって、これを信頼し、これに基盤を置いて、この大衆に最大の奉仕をするところに、民主政治の真の使命があり、民主主義の真の精神がひそんでいると思うのである。

国家繁栄への道も、ここから始まる。

松下幸之助(*)の「道をひらく」(PHP文庫、1968年5月1日初版刊行)に載っている言葉の一つです。

松下幸之助が1968年に書いた通り、大衆は本来、きわめて賢明で公正であり、それを前提としたのが戦後日本の民主主義の根幹です。

松下は「経営の神様」とまで言われた名経営者です。
松下は自身の経営哲学を説明した際にも、大衆は賢明、公正であり、正しい商品を選ぶという事を語っている記録がありますので(1952~59年頃の松下の発言をまとめた本「道行く人もみなお客様」など)、松下の信条として同様の話をいつもしていたものだと思います。

松下の取り組んだ商売の世界でも、大衆は確かに非常に賢明、公正に企業や商品を選ぶ購買行動をしているわけですから、この松下の言葉は、民主主義国家における選挙も同様に、日本の国民は賢明に投票し、民主主義が正しく機能できるはずだという信条を語ったものだと思います。

日本の民衆である有権者の一人一人は、公正な選挙で投票をしても「どうせ何も変わらない」と思うのではなく、国民が国のあるべき姿を考えて、自由な意思により7月の選挙にも投票し、国民のために政治を変える事が必要とされています。

(*)松下幸之助 現パナソニック社の創業者
Wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%BE%E4%B8%8B%E5%B9%B8%E4%B9%8B%E5%8A%A9

PJAニュース 特集:選挙に行こう2019 過去記事)

選挙に行こう!2019(4)今年の参院選は憲法改正の分かれ目!投票を

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