2019年5月24日 PJA NEWS)

タイ政局)軍政派政党が第3勢力連合と合流、新政権樹立へ

以下の、タイ政局における第三勢力連合の動きに続報です。

PJAニュース)タイ政局)軍政派政党、第三勢力連合との交渉に注力(2019年5月22日)
https://pattayaja.com/2019/05/22/%e3%82%bf%e3%82%a4%e6%94%bf%e5%b1%80%e8%bb%8d%e6%94%bf%e6%b4%be%e6%94%bf%e5%85%9a%e3%80%81%e7%ac%ac%e4%b8%89%e5%8b%a2%e5%8a%9b%e9%80%a3%e5%90%88%e3%81%a8%e3%81%ae%e4%ba%a4%e6%b8%89%e3%81%ab%e6%b3%a8/

タイの軍政派政党であるバランプラチャーラット党(国民国家の力党)は、第三勢力連合で中心的な役割をしめるタイ民主党(下院議員数52)と、タイ誇り党(下院議員数51)と合流する事で合意が固まった事を、タイ大手英字メディアのBangkokPostが本日の2019年5月24日朝に以下の通り伝えています。

BangkokPost)PPRP ‘seals deal’ to form coalition govt (2019年5月24日)
BangkokPost)バランプラチャーラット党、連立政権形成へ合意を固める
https://www.bangkokpost.com/news/politics/1682740/pprp-seals-deal-to-form-coalition-govt

報道によると、BangkokPostが軍の情報筋から得た情報として、軍政派政党のバランプラチャーラット党が中心となる連立政権に、第三勢力連合のタイ民主党(下院議員数52)と、タイ誇り党(下院議員数51)が合流する事で合意が固まりました。

また、この情報筋によると、反軍政を掲げるタクシン派のプアタイ党を中心とした民主派7党連合に参加していた新経済党(下院議員数6)は、軍政派政党に参加する見込みとなりました。

参考過去記事)タクシン派政党、7政党255議員の連立を発表(2019年3月27日)
https://pattayaja.com/2019/03/27/%E3%82%BF%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%B3%E6%B4%BE%E6%94%BF%E5%85%9A/

新経済党はタクシン派のプアタイ党を中心とした民主派7党連合に参加していましたが、民主派7党連合に参加することに中心的な役割を果たしてきたMingkwan党首が辞任しています。辞任の際にMingkwan氏は、辞任の理由について「経済政策の立案と、メディアや国民への発表のみを目的とした党首の任務を全うした為」と書いており、Mingkwan氏の辞任により同党の方針は軍政派参加に変わったと考えられています。報道されている

概要は、上記の通りです。

(次期首相で続投の見込みのプラユット首相
写真:タイ首相府)

2019年5月24日の本日時点での、タイ下院の政党別議席数は以下の通りです。

1位 プアタイ党 136 (うち選挙区選出136)
2位 バランプラチャーラット党 115 (うち選挙区選出97)
3位 新しい未来党 80 (うち選挙区選出 30) <ただしタナトン党首は議員資格停止中>
4位 民主党 52 (うち選挙区選出 33)
5位 タイ誇り党 51 (うち選挙区選出 39)
<6位以下、獲得議席数10以下は省略
6位以下を含めた表は、以下記事中に掲載されたBangkokPost作成の表をご覧下さい。>
https://www.bangkokpost.com/news/politics/1674208/pheu-thai-govt-hope-on-ropes

今回、4位と5位の第三勢力連合が、軍政派のバランプラチャーラット党と合流した事で、軍政派は下院でも大きな勢力となる事が見込まれています。上記で言うと、2位、4位、5位の3大政党で、定数500のタイ下院の228議席を占める事となります。また、少数政党の新経済党(下院議員数6)なども軍政派政党が中心となる連立政権に参加する事になり、軍政派の連立政権は大きな勢力となります。

一方で、タクシン派のプアタイ党を中心とする民主派連合は、これにより下院(定数500)でも過半数の250を獲得する事は難しい情勢となりました。

タイの議会では本日、国王陛下も参加されて開会式が執り行われる予定です。この議会で、次期首相にはプラユット首相が選出され、軍政派の大規模な連立政権が誕生する見込みとなりました。

ここに参加したタイ誇り党などは、Anutin党首が報道されている通り公衆衛生省(日本で言う厚生労働省に近い位置づけの省庁です)の大臣となる事が見込まれており、今後のタイでの医療用マリファナの合法化などの推進を担当する見込みとなりました。

最終的に本日のタイ議会の開会式に間に合う形で、軍の情報筋による情報として、軍政派の連立政権が第三勢力連合と合流し大勢力となって次期政権が形成される事がタイ大手英字メディアのBangkokPostで伝えられています。

これにより、軍政派政党が中心となる連立政権が次期政権として誕生する見込みとなりました。

ちなみに、このニュースを伝える上記の今朝のBangkokPostの記事のタイトルは、軍政派政党のPPRP(バランプラチャーラット党)が’seals deal’をしたと表現されています。

この「Seal the deal」という英語表現は、日本人にとっては、日本の学校教育の英語の授業ではほとんど出てこない表現のため、なじみが少ない言い回しです。ビジネス英語としては、合意して契約が成立する際に使う表現で、お互いに合意が形成されたというニュアンスが強い表現なんですが、それをカッコつきで伝える事で、特に合意形成の点を強調したBangkokPostらしい英語表現ですね。

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