2019年6月2日 PJA NEWS)

タイ政局)タイ民主党、軍政派連立に参加か?いまだ決定せず

以下の、タイ政局についての続報です。

PJA NEWS)タイ政局)軍政と第三勢力、閣僚ポストを巡り交渉が続く (2019年5月28日)
https://pattayaja.com/2019/05/28/%e3%82%bf%e3%82%a4%e6%94%bf%e5%b1%80%e8%bb%8d%e6%94%bf%e3%81%a8%e7%ac%ac%e4%b8%89%e5%8b%a2%e5%8a%9b%e3%80%81%e9%96%a3%e5%83%9a%e3%83%9d%e3%82%b9%e3%83%88%e3%82%92%e5%b7%a1%e3%82%8a%e4%ba%a4%e6%b8%89/

今週水曜の2019年6月4日には、タイの上院(定員250)、下院(定員500)と合同して次期首相の投票が行われる予定で、これに向けて軍政のバランプラチャーラット党と第三勢力との連立交渉が進んでいます。

下院議員数51のタイ誇り党は既に軍政派政党が中心の連立政権に参加し、公衆衛生省、スポーツ観光省、運輸省のポストを得て実権を握る事で固まっていると報じられています。

一方で、下院議員数52のタイ民主党は、これまで情報筋によると農務省、商務省、社会開発・安全保障省のポストを得る事で交渉が進んでいるということで伝えられてきました。また、タイ民主党のJurin党首は商務省大臣と副首相を兼ねると見られており、重要なポストに抜擢される見込みとなってきています。

このタイ民主党が、軍政が主導する連立政権に参加するという結論がまだ出ておらず、タイ民主党では明日の2019年6月3日の火曜日に党内で議論をすると発表しました。

タイの大手英字メディアのBangkokPostが昨日の2019年6月1日の夜に、次のように報じています。

BangkokPost)Dems meet Tuesday on PM pick (2019年6月1日)
BangkokPost)タイ民主党、次期首相の選出投票について火曜日に会合
https://www.bangkokpost.com/news/politics/1687696/dems-meet-tuesday-on-pm-pick

報道によると、タイ民主党の報道官のRames Ratanachaweng氏は昨日の2019年6月1日に、6月4日の水曜に予定されている次期首相の選出投票で、タイ民主党としてどのようにするか、明日の6月3日(火)に党内で議論する予定を語りました。

タイ民主党は、今もなお軍政派のバランプラチャーラット党(国民国家の力党)が主導する連立政権に参加するかどうかを決定していません。タイ民主党では、現状の得られる見込みの閣僚ポストでは、連立政権に参加する合意がタイ民主党内でとれない状況になっているという情報もあります。

バランプラチャーラット党としては、タイ民主党が連立政権に参加しなければ、タイ民主党と第三勢力連合となっているタイ誇り党の下院議員51人も参加しない可能性があり、政権が少数派政権となってしまう懸念があります。

(タイ民主党の党首選出の様子
写真:タイ民主党)

2019年6月1日夜の時点での、タイ下院の軍政派と民主派の議席数はBangkokPostによると、以下のようになります。

下院議員(定数500名)の議席数

軍政派 (198議席)
<内訳>
バランプラチャーラット党(国民国家の力党) 116
ブーンジャイタイ党(タイ誇り党) 51
他、下院議員数10名以下の政党の合計 31

民主派連合 (246議席)
<内訳>
プアタイ党(タイ貢献党) 136
新しい未来党 81 <ただしタナトン党首は議員資格停止中>
他、下院議員数10名以下の政党の合計 29

未決定 (56議席)
<内訳>
タイ民主党 53
他、下院議員数10名以下の政党の合計 3

引用元:BangkokPost)Minority government idea floated (2019年6月1日)
https://www.bangkokpost.com/news/politics/1687648/minority-government-idea-floated

上記の通り、下院の過半数となる251議席は軍政派も民主派連合もいずれも獲得できておらず、軍政派の連立政権の視点で見ると、タイ民主党の53議席が取れれば、下院で過半数を獲得し、新政権の重要な法案の審議なども通せるようになるというのが現状です。
このため、軍政派の連立政権にタイ民主党が参加するのか、明日のタイ民主党内部の議論の行方に注目が集まっています。

一方で、法案の審議も、予算などの重要な審議については、上院の250名が下院の500名と合わせて審議に参加し投票できるとする見解も軍政派の議員などから出てきています。

これについてはタイの大手英字メディアのBangkokPostが昨日の2019年6月1日の夜に、次のように報じています。

BangkokPost)Minority government idea floated (2019年6月1日)
BangkokPost)少数派政党の考えが浮上
https://www.bangkokpost.com/news/politics/1687648/minority-government-idea-floated

報道によると、軍政派に入った下院議員数1人の政党のPaiboon Nitawan下院議員は2019年5月31日(金)に、軍政派の連立政権がいまだ下院議員の過半数を獲得できない状況を受けて、下院の審議の中でも予算などの重要な審議の際には、上院の250人も投票に参加できるべきだとする考えを語りました。

一般的には、議会での法案や予算の審議は下院の500名の議員により審議され、投票されて決定されると考えられていますが、この考え方は、これらにも上院の250名の議員が参加できるとする考え方で、下院の過半数にこだわる必要もなくなる可能性がある考え方です。

このような議論も巻き起こる中で、タイ民主党が軍政が主導する連立政権に参加し、軍政派連立政権が下院でも過半数を超える事ができるのか、6月4日の水曜の次期首相の選出投票で、タイ民主党はプラユット首相に投票するのか、注目が集まっています。

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