サイトアイコン タイニュースやパタヤニュースを毎日配信、プーケットニュースも PJA NEWS、パタヤ日本人会(PJA)

チョンブリ)レストランで金持ちタイ人が口論し暴行!批判殺到(動画付き)





2019年6月30日 PJA NEWS)

チョンブリ)レストランで金持ちタイ人男性が口論し暴行!批判殺到(動画付き)

2019年6月28日午後5時頃、チョンブリのレストランで、タイ人男性が120バーツの追加費用について怒り暴行し、スタッフを殴るなどした事件がありました。パタヤ現地メディアのThe Pattaya Newsが、T Newsなども引用しながら伝えています。

The Pattaya News)Video: Restaurant customer assaults two employees over seating and price dispute, gets 10,000 baht fine(2019年6月29日)
The Pattaya News)レストラン客が席料で口論しスタッフに暴行、和解金1万バーツを二人に支払う
https://thepattayanews.com/2019/06/29/video-restaurant-customer-assaults-two-employees-over-seating-and-price-dispute-gets-10000-baht-fine/

報道によると、2019年6月28日午後5時頃、チョンブリのショッピングモール「ロビンソン」内にあるレストランに、40歳タイ人男性のThiraphon Phokhamが家族で訪れた所、店の席料について家族で120バーツかかる事を説明されると、これについて激怒し、スタッフ二名を殴り、家族で外に出ていくという暴行事件がありました。

その様子は監視カメラでも撮影されていました。以下が、その動画です。

T Newsの報じる事件動画

店員は出て行かないように制止しましたが、Thiraphonは振り切り、店を出て行きました。

店員たちは、Thiraphonの乗るポルシェの車のナンバーなども撮影しておき、個人を特定して、チョンブリの警察に届出を出しました。

警察での被害者の様子
写真:The Pattaya Newsより

この動画なども報じられたことで批判も殺到。警察も捜査に動き、このThiraphonを呼び出します。

Thiraphonは被害者二人に5000バーツずつ、合計1万バーツの和解金を支払って、カッと来てしまって申し訳ないと被害者に謝罪をし、警察で罰金1000バーツを支払いました。

チョンブリの警察での様子を撮影したT Newsの動画が以下の物です。

T Newsの報じる動画

この事件はT Newsの上記動画も、本記事執筆時点の2019年6月30日の朝9時頃の時点で、Facebook上での再生回数だけでも一つ目の動画は57万回、二つ目の動画も34万回を超えており、大きな反響を呼んでいます。

この事件は高級車のポルシェに乗るお金持ちのタイ人が、レストランで働く低賃金のタイ人に対して、どれほど酷い態度をしているかを表す象徴的な事件ともなって、タイ国内で批判する意見が多数寄せられています。

タイは貧富の差が大きく、かつ相続税などの富の再配分が不十分なため、富裕層は固定化しやすいという現実があります。

そして生まれながらの富裕層の人間は特権階級意識も強い事が多く、かつ若い頃から大した苦労もしていない事が多いため、そのような富裕層が貧しい人々に酷い仕打ちをするという事件が発生しており、これが大きな社会問題となっています。

PJA NEWS過去記事)ホテル従業員が工業団地幹部に喫煙を注意し殴られ、大きな反響に
https://pattayaja.com/2018/11/25/1169/

外国人の目線で見ると、まるで中世の貴族社会のように感じる問題ですね。

富の再配分が実現されていないと、階級が固定化し、努力して実力をつけた人間が社会階級の上に行くという前提がなくなり、社会としては競争力が脆弱な状況に陥ります。

以下のタイの貧富の格差について報じた過去記事の通り、日本人だと明治時代に福沢諭吉が諭した以下の言葉が象徴的で、思い出させられる言葉です。

PJA NEWS過去記事)タイは世界一の格差社会!?Credit Swiss調査結果発表 (2018年12月7日)
https://pattayaja.com/2018/12/07/1339/

外国人の目線で見ると、人が努力して資産を得られるのなら労働意欲が刺激されるのですが、そうではなく、生まれながらにして金持ちと貧乏というのが固定的になってしまうと、貧困層の労働意欲は失われてしまいます。

加えて、格差社会が行き過ぎると、富裕層もまた、もう働く必要がないし、簡単に資産を増やせると、働く気がしなくなると思ってしまうので、富裕層の働くモチベーションまでも低下してしまいます。

世界的な視点で見ると、特に第二次世界大戦後あたりの資本主義国では、このような背景から多くの国で富の再配分が進み、大部分の人が働く事へのモチベーションを高めるよう施策がされてきたわけですし、歴史的には、このような平等性を実現するために、貧富に関係なく一人一票の普通選挙の仕組みが浸透してきました。

タイの場合は貧富の差だけでなく、富裕層は法を犯しても罰せられることが少ないという、法の下の平等もない事への不満もあり、庶民の不満がたまりやすくなっているという事情もあります。

そのような貧富の差の是正の取り組みが、タイの民主化とともに求められています。

「人は、生まれながらに、貴賤貧富の別なし。ただ、良く学ぶ者は、貴人となり、富人となり、そして、無学なる者は、貧人となり、下人となる。」(福沢諭吉「学問のすすめ」初編、1872年<明治5年>2月発刊)*

明治初期に、新しい”あるべき社会”の姿を考えぬいた福沢諭吉の言葉を思い出させられる現状です。

*「学問のすすめ」における、この言葉について

福沢諭吉の「学問のすすめ」(全17編)では、その初編の冒頭に記載されている「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」という言葉が有名ですが、この言葉は原文では直後に「といへり」と書かれており、福沢諭吉の言葉ではなく、引用で紹介されている言葉です。この言葉は、アメリカの独立宣言から引用されているとする説が有力です。

この引用の言葉の紹介の上で、その直後に福沢諭吉の考えが説明されていますので、福沢諭吉自身の考えを表す言葉は、上記の言葉がより適切だと考えます。

(*)福沢諭吉は、アメリカの独立宣言の内容を、著書「西洋事情」において日本語訳をし紹介しています。

上記の「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」という言葉は、福澤諭吉がその「西洋事情」の初編、巻之二で「千七百七十六年第七月四日亜米利加十三州独立ノ檄文」として、アメリカ独立宣言の全文を和訳して以下の通り紹介していますので、この文章が引用の元の考え方だと筆者は思います。

「天ノ人ヲ生スルハ、億兆皆同一轍ニテ之ニ附與スルニ動カス可カラサルノ通義ヲ以テス。

即チ通義トハ人ノ自カラ生命ヲ保シ自由ヲ求メ幸福ヲ祈ルノ類ニテ他ヨリ如何トモス可ラサルモノナリ。

人間ニ政府ヲ立ル所以ハ、此通義ヲ固クスルタメノ趣旨ニテ、政府タランモノハ其臣民ニ満足ヲ得セシメ初テ眞ニ権威アルト云フヘシ。政府ノ処置此趣旨ニ戻ルトキハ、則チ之ヲ変革シ、或ハ倒シテ更ニ此大趣旨ニ基キ人ノ安全幸福ヲ保ツヘキ新政府ヲ立ルモ亦人民ノ通義ナリ。

是レ余輩ノ弁論ヲ俟タスシテ明了ナルヘシ」

「千七百七十六年第七月四日亜米利加十三州独立ノ檄文」
福沢諭吉「西洋事情」初編、巻之二(1866年<慶応二年>発刊)より

江戸時代までは、生まれによって職業や立場が決まるのが常識でしたから、この考え方は革新的なものでした。

このような思想が、現在の日本人にとっての「常識」を形成している一つとなっていると思います。

※PJAニュースは、パタヤの有力メディアであるThe Pattaya Newsの公式パートナーとして日本語版を配信しています。

The Pattaya News(英語版)The Pattaya News(タイ語版)

タイ情報で、にほんブログ村ランキングに参加中! 見ていただいた記事には、是非以下にクリックをお願いします。

ランキングにクリック!

モバイルバージョンを終了