日本へ麻薬持ち込みのタイ人逮捕、タイで話題に

2019年10月5日　PJA NEWS)

日本へ麻薬持ち込みのタイ人逮捕、タイで話題に

今週、タイのメディアなどの方々から筆者に問い合わせが多かった日本関連のニュースで、「日本の税関でタイ人がコカインを持ち込もうとして逮捕された」ニュースがありました。

問い合わせ数の1位はもちろん、バンコクの日本語フリーペーパーのワイズの以下のニュースで、これはワイズの書く「イタイ女」などの表現の翻訳が難しいニュースでした。

タイ)ワイズの対応に批判殺到「タイの方々は日本人を楽しませる”物”ではない」　(2019年10月2日)
https://pattayaja.com/2019/10/02/6770/

この次の二位に、タイ人が日本の税関で、麻薬を持ち込もうとして逮捕されたニュースについての問い合わせが多くありましたので、このニュースについてご紹介します。

このニュース、日本では今週水曜の2019年10月2日にNHKが次のように伝えています。

NHK NEWS WEB)コカイン密輸の罪でタイ人を起訴 (2019年10月2日)
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20191002/2000020766.html

ネパールから重さおよそ３.３キロ、末端の密売価格でおよそ６５００万円相当のコカインを、コートの布地の間に隠して密輸しようとしたとして、タイ人の２７歳の男が逮捕・起訴されました。

逮捕・起訴されたのは、タイ人のシリラット・カンガン被告（２７）です。
関西空港税関支署などによりますと、シリラット被告は先月、ネパールから関西空港に入国する際、スーツケースに入れたコート４着の布地と布地の間に、小分けにしたコカインあわせておよそ３.３キロ、末端の密売価格にしておよそ６５００万円相当を隠して密輸しようとしたとして逮捕され、２日までに麻薬取締法違反などの罪で起訴されました。
シリラット被告は調べに対し、「知り合いのタイ人の女性にコートを運んでほしいと依頼され、ネパールで別の男女から受け取り、およそ７万円の報酬をもらった。違法な薬物が入っているとわかっていた」と供述し、起訴された内容を認めているということです。
税関などによりますと、タイ人が違法な薬物を密輸入しようとする事件が各地の空港で相次いでいて、関西空港でも警戒にあたっていたということです。

上記の通り、タイ人の27歳の男が逮捕され、起訴されました。

調べた所、このタイ人が関空で摘発されたのは先月の2019年9月10日、それを受けて、今週火曜の2019年10月1日に日本の検察が起訴しました。そして10月2日に、上記のNHKニュースが報道されたものです。

これについて、タイの大手メディアの一つNationは今週木曜の10月3日、次のように報じています。

Nation)Thai busted taking coke into Japan, says citizen journalist
Nation)日本でタイ人がコカインを持ち込み逮捕される、民間ジャーナリストが語る
https://www.nationthailand.com/news/30377029

日本の関西空港警察署の発表の模様
写真：Nation

タイのNationの記事では、この関空の税関での摘発を「タイ語と日本語の通訳や翻訳などをされている市民ジャーナリストのThanakorn JaisuksakuldeeさんがFacebookに投稿した所によると」として、上記のNHKも報じている、9月10日の関空でのタイ人による麻薬持ち込みの逮捕を報じています。

ただ、上記のタイ報道では逮捕された容疑者の詳細は書かれておらず、容疑者を「女性」と報じています。

その上で逮捕された時の関空での様子として、容疑者は暑い日なのに分厚いコートを着ていて怪しかった、そのコートに14の小袋に分けて、合計3.2キロのコカインを入れて密輸しようとしていて日本で逮捕されたと報じています。容疑者は、2万バーツの報酬で麻薬の日本への持ち込みをしようとしていました。

また、上記報道の時点では、日本の検察が10月1日に起訴した事は書かれていません。

ちなみに上記のタイニュースの英語記事、表題には「Coke」を日本に持ち込もうとしたと書いてありますが、この「Coke」は「コカイン」を意味する、少しスラング的な英語表現の一つです。
これをタイトルにつけるのは、Nationっぽい英語だと感じる表現ですね。

記事では、他にも日本で麻薬持ち込みをしようとしたタイや東南アジア人の摘発が複数続いている事を指摘しています。

その上で、日本の入国の際に、日本の税関などは相当にしっかりと調べるから、麻薬を持ち込めるなんて考えない方がいいとタイの人々に警鐘を鳴らしています。

報道されている概要は上記の通りです。

上記のように、このニュースがタイで話題となる中で、ニュースソースが個人のFacebookと書かれているため、日本側の事実確認の趣旨で問い合わせが多くなったのでしょうね。

(写真はイメージです)

この事件でもわかるように、日本は今、コカインや麻薬を持ち込めば高く売れる先となってしまっており、麻薬の持ち込みが摘発される事件が増加しています。

日本国内の状況を見ても、覚せい剤など麻薬は蔓延してきてしまっており、日本での覚せい剤の押収量も4年連続で1トンを超える見込みです。芸能人の覚せい剤事件も多く発生し報道されていますから、問題意識も高まってきています。

このような麻薬の日本への密輸を防ぐため、取り組みの重要性が高まっており、日本への密輸を水際で止めるための税関でのチェックや、国内に入ってしまった麻薬の摘発などに、さらに注力をする事が必要となっています。

しかし一方で、実際の税関業務を現場で見てみると、訪日してくれるほとんどの方は日本に観光に来てくれている旅行者などであって、その一般の旅行者の方に嫌な思いをさせすぎてもいけませんから、税関の業務というのは、その中から麻薬の運び屋や、運び屋とされてしまっているごく一部の人だけを見抜いて、それを摘発するということが求められる、非常に難易度の高い業務です。そのような難易度の高い業務を、本当によく頑張ってくれていると思います。

このような現状の中で、どうやって麻薬の日本への密輸や蔓延を止めるのか。

当局の努力を求めるだけでなく、民間でも当局に協力できる事を協力し、日本での麻薬の蔓延を止めるために、有効な取り組みが必要となっていると思います。

参考過去記事)

FNN)恋愛感情を悪用し日本に麻薬密輸！「ラブコネ」手口の現場　(2019年6月26日)
https://pattayaja.com/2019/06/26/5315/

PJA NEWS)覚せい剤の昨年押収量が過去最高！日本にも流出　(2019年3月24日)
https://pattayaja.com/2019/03/24/3499/

PJA NEWS)覚せい剤約8400万円相当、タイから日本へ密輸の疑いで逮捕　(2019年3月24日)
https://pattayaja.com/2019/03/24/3501/

PJA NEWS)無料旅行に応募した男性、タイであやうく”麻薬の運び屋”に！　(2018年12月11日)
https://pattayaja.com/2018/12/11/1412/

PJA NEWS)知人を麻薬の運び屋に！容疑者は「騙された」と主張中　(2019年3月22日)
https://pattayaja.com/2019/03/22/3450/

PJA NEWS)タイ人女性、関空に覚せい剤1.1キロ密輸で逮捕　(2019年4月12日)
https://pattayaja.com/2019/04/12/3927/

尚、以下は麻薬とは関係ないものの、昨日の2019年10月4日に報道された成田空港での以下のタイ人のニュースも、タイでも話題になっています。

ANN NEWS CHANNEL)入国認められず・・・空港の駐機エリアをタイ人が疾走(19/10/04)

成田空港で入国を認められず、タイへの帰国を命じられた男がターミナルビルから逃走し、駐機エリアに立ち入ったとして逮捕されました。　成田空港の駐機エリアを人が駆け抜けていきます。

しばらく走っていましたが、2台の車に追い掛けられ、その後に車に乗せられました。タイ人のジャッガポン・ポンセナー容疑者（34）は3日午後1時半ごろ、成田空港の第2ターミナルビルの緊急避難ドアを通って駐機エリアに立ち入った航空法違反の疑いが持たれています。

警察などによりますと、ポンセナー容疑者はタイから到着し、日本への入国が認められずにタイに戻る直前だったということです。警察の調べに対して「タイに帰りたくなかった」と容疑を認めています。

[テレ朝ｎｅｗｓ] https://news.tv-asahi.co.jp