2019年10月11日 PJA NEWS)

タイ)中国大使館、タナトン党首が香港民主運動家に協力と非難

中国大使館が、タイの新しい未来党のタナトン党首が、香港の民主化活動家に面談し支持している事を非難するタイ語のコメントを発表し、大きな波紋を広げています。

本日の2019年10月11日の午後に、タイ大手英字メディアのBangkok Postが「標的はタナトン党首」として、次のように伝えています。

Bangkok Post)Chinese embassy condemns Thai politician’s meeting with Hong Kong activist (2019年10月11日)
Bangkok Post)在タイ中国大使館、香港活動家にタイの政治家が面談した事を批判
https://www.bangkokpost.com/thailand/general/1769959/chinese-embassy-condemns-thai-politicians-meeting-with-hong-kong-activist

昨日の2019年10月10日の夕刻、タイのバンコクにある在タイ中国大使館はFacebookに次のようにコメントを掲載しました。

上記コメントで在タイ中国大使館は

「”あるタイの政治家”は、香港の中国からの独立を求めるグループと連絡を取り、支持をする兆候を見せている。
この行動は極めて間違った行動であり、無責任である。
中国政府は、香港の問題について事実を正しく認識し、注意して、中国とタイの友好関係に利する行動をとるように望む。」

とコメントしています。

この”あるタイの政治家”とは、タイの新しい未来党のタナトン党首の事を指しています。この中国大使館のコメントは、香港の独立活動家であるJoshua Wong氏が、タイのタナトン党首との写真をFacebookに掲載した後に発表されたものです。

写真はJoshua Wong氏のFacebookより

また、本日の2019年10月11日、タイの陸軍司令官であるアピラット司令官は、国家の安全保障に関する400~500人が参加する会議において、香港のJoshua Wong氏がタナトン党首と映る写真のうち、タナトン党首だけにケシを入れて、香港で活動家と面談した”タイのある政治家”を批判しました。

アピラット司令官は次のように語りました。

「香港はかつて、訪れる価値のある都市でした。
今日、今の香港を、一体誰が訪問したいでしょうか?

しかしながら、”ある人”が香港へ行き、写真をソーシャルメディアに掲載しました。

(写真は、以下のBangkok Postの記事冒頭に掲載されています。)
https://www.bangkokpost.com/thailand/general/1769959/chinese-embassy-condemns-thai-politicians-meeting-with-hong-kong-activist

(写真に写る)香港の活動家のJoshua Wongさんは、タイを何度か訪れています。
一体、Joshuaさんは、タイで誰と会ったのでしょうか?
タイで、どんな人と会ったのでしょうか?

このJoshuaさんとの面談には、秘密の目的があったのでしょうか?
何を企んでいるのでしょうか?

香港は今、混乱の中にあります。
”ある人”による香港への訪問は、その混乱に支援を与えるような行動だと見る事ができます。」

また、タイのプラウィット副首相も本問題について語りました。

プラウィット副首相もタナトン党首の名指しはせず、「この問題に関係した政治家、その所属する政党は、行動の結果に対して責任を負わなければならない」とコメントし、タイ政府は中国政府と何ら問題はないが、ある政治家の活動がタイと中国の関係を傷つけていると指摘しています。

報道されている概要は上記の通りです。

中国政府が大使館発表で、外国であるタイの、政治家個人を非難するという行動に、大きな波紋が広がっています。

中国大使館がタナトン党首の行為を「きわめて誤った行為」というなら、そもそも一国の大使館が海外の政治家の一個人に非難する声明を出す方が、国際感覚においてもかなり非常識な「きわめて誤った行為」ではないでしょうか。

しかも、今や大国となった中国の在タイ大使館が、公式コメントで行っているのです。

こんな中国共産党政府だからこそ、独立を求める香港の民衆が、拳銃で撃たれてもなお戦っているのがわかります。

PJA NEWSではこれまで、中国共産党政府に侵略された国の国民がどうなっているのか、それを伝えるウイグル族の記事を以下のように掲載してきました。

PJA NEWS)中国共産党に侵略された悲惨、その告発を日本人が漫画に(漫画付き) (2019年9月9日)
https://pattayaja.com/2019/09/09/6254/

<日本語版:漫画>
「私の身に起きたこと」
https://note.mu/tomomishimizu/n/nfd4c33d0fcdf

PJA NEWS)”中国に消された”国の実情を漫画に!「その國の名を誰も言わない」 (2019年9月23日)
https://pattayaja.com/2019/09/23/6560/

「その國の名を誰も言わない」
作:清水ともみ

こんな中国共産党政府の香港での、10代の若者に拳銃を発砲までする対応、さらに海外の支持者にまで非難する中国大使館の対応、その中国共産党政府に戦う香港の人々の一連のニュースを見て、思い出す言葉です。

批判する資格のある者は、救済の志を持つ者だ。(*)

エイブラハム・リンカーン(Abraham Lincoln)<米国代16代大統領>

救済の志を持たないなら、批判する資格がない。

中国共産党政府は現在、日本に対しても尖閣諸島の領有権を主張し、沖縄や北海道などへも進出の意図が明らかな状況にありますから、上記のウイグル族の姿は、日本人の明日の姿となるかもしれません。

そんな日本は、批判する資格があると言えるほど、救済の志を持てているでしょうか。

 

(*)原文は”He has a right to criticize, who has a heart to help”

エイブラハム・リンカーン(Abraham Lincoln)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%A4%E3%83%96%E3%83%A

アメリカ合衆国の代16代大統領となった政治家、弁護士。アメリカ合衆国初の共和党所属の大統領です。

1863年11月9日、ゲティスバーグ国立戦没者墓地の開会式において行われた演説では、戦没者を追悼して「人民の人民による人民のための政治を、地上から決して絶滅させないために、われわれがここで固く決意する」という、アメリカの民主主義の基礎となる演説をした事で有名です。

リンカーンはアメリカ合衆国南部の奴隷制に反対していました。そのためリンカーンの大統領当選はアメリカ南部諸州の反発を招き、アメリカ合衆国を二分する南北戦争に結びついてしまいましたが、リンカーンは北部連邦をまとめあげ、南北戦争を北軍の勝利へと導きました。しかしアメリカ南部連合の総司令官ロバート・エドワード・リー将軍が降伏してわずか6日後の1865年4月15日、首都のワシントンのフォード劇場で観劇中に、南部連合支持者のジョン・ウィルクス・ブースの凶弾に倒れました。この暗殺により、リンカーンはアメリカ史上で初の暗殺された大統領となりました。

リンカーンは南部の奴隷制に反対した一方で、アメリカ原住民のインディアンに対しては強い迫害の姿勢を見せていました。民族浄化と言われるロング・ウォーク・オブ・ナバホや、ダコタ戦争を始めとする多くのインディアン戦争という民族浄化は、リンカーン政権下において行われたものでした。

南北戦争の時代は、アメリカでもインディアンに対しては酷い対応であったという一面も表しています。

Wikipedia)ロバート・エドワード・リー
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BBE%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%83%BC

Wikipedia)ジョン・ウィルクス・ブース
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%BC%E3%82%B9

Wikipedia)ロング・ウォーク・オブ・ナバホ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%96%E3%83%BB%E3%83%8A%E3%83%90%E3%83%9B

Wikipedia)ダコタ戦争
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%82%B3%E3%82%BF%E6%88%A

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