日銀、スルガ銀行(8358.T)に考査契約違反を発表!虚偽情報の提供など
昨日の2019年10月11日、日本銀行はスルガ銀行(東証一部8358)に、虚偽情報の提供などの考査契約違反があった事を発表しました。
ロイター通信(日本語版)が次のように伝えています。
ロイター)スルガ銀が日銀考査で契約違反、虚偽の情報提供など (2019年10月11日)
https://jp.reuters.com/article/suruga-boj-idJPKBN1WQ11V
写真:日本銀行資料より)
[東京 11日 ロイター] – 日銀は11日、スルガ銀行(8358.T)に虚偽情報の提供など考査契約違反があったと発表した。同日付で経営管理体制の改善策と実施状況の報告を求めた。
日銀は2018年2月から3月にかけてスルガ銀の考査を実施したが、事前に作成を求めた資料で同銀は一部の会議での報告内容などを記載していなかった。また、2014年12月および18年2月―3月の考査では、実態と異なる情報が掲載された会議の議事録が提出されていた。
日銀は、こうした資料の提出が考査契約違反に該当すると判断。スルガ銀の行為は「誠に遺憾と言わざるを得ない」と指摘した。
和田崇彦
筆者は2016年、スルガ銀行など一部地銀の問題を、以下のように指摘していました。
※以下は、プレジデントオンラインの記事となります。
President Online)要注意!「頭金ゼロでサラリーマン大家さん」のカラクリ (2016年4月27日)
https://president.jp/articles/-/17882
President Online)「頭金ゼロでサラリーマン大家」を借金漬けにする地方銀行のウラの顔 (2016年7月29日)
https://president.jp/articles/-/18560
上記記事を配信した2016年春、多くの報道ではスルガ銀行は”高い収益性、優等生の地銀”などと、もてはやされていました。
その実態は上記記事の通り酷いもので、一般の消費者に「スルガ屋」などと呼ばれる業者を使って、”不動産投資をしたら儲かる”などと実質的に騙し、「スルガ屋」に責任を押し付け、銀行は善意の第三者だとして法的な責任はないとシラを切りながら、投資した個人を”借金漬け”にして無理やりに金を回収し、さらに銀行の一部行員も「スルガ屋」から甘い汁を吸うという、倫理観も何もない手口が蔓延していたのです。
このような記事報道が大きな反響を得る中で、他の報道も多数行われ、このような一部地銀による被害が蔓延している事実は、広く世の中に知られるようになりました。
日本銀行も迅速に日銀考査などが行われ、調査と対応が実施されていました。
そのうち2018年2月~3月に行われた日本銀行のスルガ銀行への考査で、スルガ銀行が提出した書類は「虚偽の情報提供」であり、考査契約違反だと発表されるに至ったのです。
それが、昨日の本ニュースです。
スルガ銀行は2018年になっても、日銀考査に虚偽の情報提供までして、問題を隠蔽しようとしていた事実が正式に日銀により発表されました。
このように適切な金融機関の姿を取り戻し、金融システムを健全に安定させるために、日銀をはじめ当局の皆様が尽力されている事に敬意を表します。
最後に、上記の2016年7月29日付けの「頭金ゼロでサラリーマン大家」を借金漬けにする地方銀行のウラの顔」で、筆者が末尾の段落に書いた文章を再掲しておきます。
この末尾の通り、このように一部の金融機関がカモを必死で探している状況下であればなおのこと、一般の人が投資を行うには、より細心の注意が必須であり、これは2019年10月となった今も変わりはありません。
President Online)「頭金ゼロでサラリーマン大家」を借金漬けにする地方銀行のウラの顔 (2016年7月29日)
https://president.jp/articles/-/18560
「過払い」CMが「不動産の債務整理」へ
無論、ここまで無理筋のセミナーを後押ししている地銀はごく一部であり、地域密着型の金融機関の大半は地道に業務を遂行している。信用金庫は今回取材した限りでは一件も見当たらなかった。複数の地銀が手を染め始めているのが現状とみている。
当たり前だが、地域の金融機関の役割は、地域に貢献する投資のため適切な規模の資金を融資し、その支援を行う事にある。そこから地域への貢献と投資家の利益、金融機関の適切な水準の利益が享受される。これが目指すべき姿のはずである。
しかしながらマイナス金利まで導入され、金融機関が無理やり融資をするように仕向けられた結果、投資の素人である公務員やサラリーマンを借金漬けにし、そこから高い金利だけを金融機関が得るというスキームが広がっているのでは、中央銀行の金融政策とは、一体何のためのものかと疑問になる。
先の不動産業者が、さらに付け加えた。
「今、テレビをつけると、よく過払い金の返金訴訟を請け負う法律事務所や行政書士(*司法書士のこと。不動産業者の言葉なので、細かい言葉の定義が誤っていたものです。)のテレビCMがあるでしょう? 詳しい不動産屋の間では、あと1~2年もしたら、あの過払い金のCMが、田舎の不動産を買って失敗した人に債務整理を勧めるCMに代わるんじゃないか、なんて話もよく聞きます。それぐらい蔓延しているんです」
筆者は海外の不動産投資をするための調査や情報提供サービスを行っているが、そのリサーチャーの志願者に、このようなセミナーに出向かせて内容を報告させたことがある。セミナーの本当の目的や各金融機関の構図をどこまで見抜けたかでその力量が簡単にわかるからだ。この程度の実態も見抜けないうちは、結果を出す事は難しい。投資とはそういう世界である。しかも、金融機関がカモを必死で探している状況下であればなおのこと、一般の人が投資を行うには、より細心の注意が必須なのだ。
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