2019年11月27日 PJA NEWS)
タイ)日本政府、タイで隣国からの少数民族の教員養成施設寮建設を支援
写真:在タイ王国日本国大使館)
日本政府は、草の根・人間の安全保障無償資金協力により「隣国からの少数民族のための教員養成施設寮建設計画」にかかる総額3,325,000バーツを支援しました。
2019年11月26日、アセアン民族創造財団が運営する研修施設において本件の引渡し式典が執り行われ、サンクラブリ郡のパコーン・ガンワンリー郡長、アセアン民族創造財団創設者のパーウ・ルー・ルー氏、そして在タイ日本国大使館から関口昇公使他関係者が出席しました。
タイとミャンマーの国境地域には、タイ人以外の民族(カレン族やモン族)が居住しています。特にカレン族はミャンマーにおける少数民族同士の摩擦によりミャンマー国内で十分な教育等を受けられず、成人しても仕事に就くことが難しい状況です。また、その子ども達も貧困から教育を受けられない負の連鎖が続いており、中にはタイに入国して移民労働者として働くケースもあります。
このような状況において、被供与団体であるアセアン民族創造財団は、18~19歳のミャンマー国境付近に住む青年を募集して小学校教師として働けるようになるための教育、研修を実施しています。日本政府は、2014年度の草の根無償案件「タイ-ミャンマー国境沿い貧困遠隔村に基礎教育を提供するための教師育成施設整備計画」において研修施設建設を支援しており、同財団はその後も順調に活動を推進しています。
同財団は、ミャンマー人をタイ国内に一時的に入国させ、寮に宿泊させながらプログラムを受講させる2年間の長期研修と通いでプログラムを受講させる短期研修を行っています。
しかしながら、寮の老朽化が激しく、2014年度は30名程度受け入れていたのに対し、屋根の崩落や雨漏りにより、今年度は18名まで入寮者を減らさざるを得ませんでした。
研修効果の高い長期研修の規模拡大のために、寮の再建が急務でしたが、団体の預かる生徒は貧困地域に住む青年であり、十分な収入を得られていないため、同団体は研修にあたって最低限の費用しか受け取っておらず、居住施設の改善のための費用を確保できなかったために、草の根無償支援に申請するに至りました。
ミャンマーにおける少数民族の問題は、タイにおける難民問題、移民労働者や人身取引の問題とも密接に関係しています。また移民労働者の子供の教育問題もタイの社会問題になっており、タイ政府としても移民労働者の正規登録の推進や難民の帰還に関するミャンマー政府との折衝を進めている状況です。
このような状況にあることから、日本政府としては、当該NGOのような現場に直結した活動を支援することは、これらの問題を解決するためのモデルケースになりうると考え、草の根無償支援を実施することの意義は高いと判断し、支援を行いました。
本ニュースのタイ語版は、PJA NEWS Thaiで以下の記事を配信しています。
PJA News Thai)รัฐบาลญี่ปุ่นให้ความร่วมมือสนับสนุนโครงการ “The Project for Dormitory Construction for Teacher Training aimed at Capacity Building of non-Thai Students”
https://pattayaja.com/2019/11/27/7780/
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