パタヤ署の警官ら、麻薬売人釈放に30万バーツを強要した容疑で逮捕！

2020年3月10日　PJA NEWS)

パタヤ署の警官ら、麻薬売人釈放に30万バーツを強要した容疑で逮捕！

2020年3月7日、タイのパタヤ警察署などをも管轄するタイ警察のチョンブリ県警本部(第二管区)は、パタヤ警察署の捜査担当のWuttikorn Plodprong警部、及び民間で警察業務を支援するパタヤ警察署の所轄署のボランティア警官4名を、麻薬売人容疑者の釈放に30万バーツを強要した事について強要罪及び誘拐(身柄拘束)罪の容疑で逮捕しました。

パタヤ現地メディアのThe Pattaya Newsが昨日の2020年3月9日に伝えています。

(2020年3月7日
逮捕されたパタヤ警察署のWuttikorn Plodprong警部
及びパタヤ警察署の所轄署のボランティア警官4名
画像：The Pattaya News)

逮捕されたパタヤ警察署の捜査担当のWuttikorn Plodprong警部、及び民間で警察業務を支援するパタヤ警察署の所轄署のボランティア警官4名は、麻薬の売人として逮捕された被疑者の釈放のために、被疑者の親族に30万バーツの賄賂を強要した疑いがもたれています。

この麻薬売人は、200錠の覚せい剤(メタンフェタミン)を所持していた容疑で逮捕されており、その釈放を条件として賄賂を強要していたという容疑です。

(2020年3月7日
逮捕されたパタヤ警察署のWuttikorn Plodprong警部
及びパタヤ警察署の所轄署のボランティア警官4名
画像：The Pattaya News)

賄賂を強要された親族がチョンブリ県警本部に被害を届け、チョンブリ県警本部が捜査をしました。この5名はパタヤ警察署の目の前で、チョンブリ県警本部に逮捕されました。

この5人は本記事執筆現在、パタヤのRemand刑務所に拘留されています。

タイ警察の警察庁報道官は、この5名に厳しく法的措置を行う事を語っています。

報道されている概要は上記の通りです。

パタヤ警察署ではチョンブリ県警本部はじめ、蔓延する賄賂や腐敗の問題への対策が行われており、県警本部から監督官も派遣されている状況にありますが、今だにこのような事件は後を絶ちません。

パタヤ警察署にチョンブリ県警本部から派遣されている監督官については、PJA(パタヤ日本人会)でも以下記事などでご紹介しています。

パタヤ)PJAが孤児院へ寄付　NPO法人と共に日本から靴など多数贈呈(2019年8月26日)
https://pattayaja.com/2019/08/26/6002/

ちなみに、この5名は逮捕後の拘留期間に、警察署の拘置所ではなく、いきなりパタヤのRemand刑務所へ連行され、刑務所で拘留されている事が報道でも伝えられています。

このRemand刑務所については、以下の過去記事などをご覧下さい。

PJA NEWS)パタヤ)リアル「暁に祈れ」！？パタヤ刑務所で囚人四千人に大規模検査　(2019年12月27日)
https://pattayaja.com/2019/12/27/8045/

(パタヤのRemand刑務所での検査の様子
上記過去記事より
写真：The Pattaya News)

逮捕された後、通常ならパタヤ警察署の二階にある拘置所に連行されると思う所ですが、今回はそうではなく、逮捕後にいきなり刑務所に連行され拘留されています。これはタイ特有の制度によるものです。

タイでは警察内の拘置所は一杯になっている事も多い事から、刑務所の中の一部の場所を、拘置所の代わりとして使う事ができるようになっているのです。

このため、逮捕された被疑者は有罪判決も何も出ていなくても、逮捕後にいきなり刑務所に送られる事があります。これをタイ在住の日本人同士では、タイならではの「いきなり刑務所」と呼んだりしています。

こうなると、その後の刑事裁判で無罪となった場合でも、出る頃にはすっかりとタイの刑務所暮らしに慣れており、生水も平気で飲めるようになって出てきたりします。

そんなタイならではの制度により、いきなり刑務所に送られ拘留される事もありえるわけです。

また、今回は民間人がタイ警察の業務に協力するボランティア警官も4名、逮捕されています。

タイのボランティア警官には大きく2種類あり、タイ警察の中でもツーリストポリスが管轄するものと、タイ警察の所轄署の単位で管轄するものがあります。

今回逮捕された4名のボランティア警官は、後者のパタヤ警察署が所轄署として管轄するボランティア警官らです。

警官も勿論ですが、民間からのボランティア警官がこのように犯罪に加担している事もあり、実際に今回、パタヤで逮捕されています。

このような民間からのボランティア警官の問題はパタヤに限らず、日本人の多いエリアでもボランティア警官が問題となっているケースもありますから、ボランティア警官だからという理由で信用しすぎないよう注意が必要です。

※PJAニュースは、パタヤの有力メディアであるThe Pattaya Newsの公式パートナーとして日本語版を配信しています。

本ニュースの元記事のタイ語版、英語版等は、以下でご覧下さい。

The Pattaya News(英語版)The Pattaya News(タイ語版)