2020年3月12日 PJA NEWS)

タイ)日本政府、カンボジア国境の地雷汚染対策を支援

日本政府は、草の根・人間の安全保障無償資金協力により「タイ-カンボジア国境における地雷汚染対策計画」にかかる総額4,545,700バーツの支援を決定しました。

昨日の2020年3月11日、在タイ日本国大使館において、梨田和也大使とノルウェイ・ピープル・エイドのアクセル・スティーン・ニルセン・カントリーダイレクターとの間で署名式が執り行われました。

タイは周辺国との摩擦によって、対人地雷や不発弾等の残存爆発物の影響を受けており、現在でもカンボジア、ラオスとの国境地帯には未だに地雷に汚染された地域が残っています。

当該地域の住民は、農業や森林地域での収穫、放牧による畜産等によって生計を立てています。地雷の危険性があるなか、森林地域に入り込む必要があることから、多くの住民が足を失ったり、命を落としたりしていることに加え、放牧において家畜が負傷するケースもあります。しかしながら、生活する上でこれらをやめることはできず、住民は地雷の恐怖を抱えながら日々生活しています。

タイにおける地雷除去活動は第一に住民への聞き取り調査などによる危険地域の絞り込み(ノンテクニカル・サーベイ)を実施し、その後地雷探査機などを用いた技術的探査(テクニカル・サーベイ)まで(爆発物の露出を含む)をNGOが実施してよいこととなっており、最終的な除去活動(爆発物の回収・処分等)はタイ国軍傘下のTMAC(Thailand Mine Action Center)が実施するように定められています。

ノルウェイ・ピープル・エイドは2000年からタイにおける地雷除去活動を実施しており、主にノンテクニカル・サーベイを用いて土地を開放してきました。また、TMACと協力して地雷除去にあたる旨、覚え書きを締結して、国境付近での除去活動を実施しており、本計画ではカンボジアと面しているスリン県において約16平方キロメートル、人口200,220人が生活している地域を対象に活動を実施します。

日本政府は当該活動を支援することで国境地帯の住民が安心・安全に生活できる環境が整うと判断し、草の根・人間の安全保障無償資金協力による支援を決定しました。

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