2020年3月16日 PJA NEWS)

新型名称は「武漢ウイルス」か「COVID-19」か?米中せめぎ合い

世界的に感染が広がる新型コロナですが、この名称を巡って米中で政治的なせめぎ合いが発生しています。

(写真はイメージ
写真:The Pattaya News)

もともとこの新型コロナは中国の武漢で発生したもので、中国政府はこれまで、中国疾病預防控制中心(Chinese Centre for Disease Control and Prevention)が、武漢市内の市場で売られていた野生動物が感染源と発表しています。

しかし、武漢には中国科学院が中国で唯一のバイオセーフティーレベルP4の研究所を有しており、この研究所ではコロナウイルスも研究対象です。中国のこのような研究所では以前から、動物などの生体実験を行った後に、焼却などで処分するべき遺体を、裏金を作るために市場に横流しする行為が相次いでおり、そこから流出したものではないかと考えられる事が多くなりました。

実際には、中国国内ですらも一般の人の本音では、この実験室からの流出だと考えている人が大半です。

この新型ウイルスが世界的に甚大な猛威を振るっている事で、中国が大きな影響力を持つWHOが決定した新型コロナの感染症の名称が「COVID-19」です。

このWHOがどれほど中国共産党政府から影響を受けているかは、もう多くの日本人が思い知っているでしょう。

中国が大きな影響力を持つWHOによると、地名を名称につける事は、その土地への差別意識を助長するという理由を語っており、このような名称にしたものです。尚、「COVID-19」は新型コロナのウイルスの名称ではなく、新型コロナによる感染症の名称で、ウイルスの名称とは別です。

この感染症の甚大な被害から中国共産党政府の悪印象を避けようと、中国政府は米国陰謀説や、中国の責任はデマだという主張を開始しました。

2020年3月12日夜、中国の外務省報道官が「新型コロナは米軍が中国に持ち込んだかもしれない」というトンデモな主張をツイッターに投稿します。

この事実について、AFP通信(日本語版)は翌13日に、次のように伝えています。

AFP BB NEWS)新型ウイルスは米軍が武漢に持ち込んだ、中国報道官が主張(2020年3月13日)
https://www.afpbb.com/articles/3273177

中国外務省の報道官が12日夜、新型コロナウイルスは米軍が中国に持ち込んだ可能性があるとツイッター(Twitter)に投稿した。主張を裏付ける証拠は提示していない。

 趙立堅(Zhao Lijian)報道官は、米疾病対策センター(CDC)の所長が米議会で、インフルエンザで死亡したとされる米国人の中に死後の検査で新型ウイルス感染が確認された例が複数あると証言した際の画像を投稿。「CDCが白状した。米国で感染が始まったのはいつだ? 感染者は何人いる? その病院の名前は?」とツイートした。

「武漢(Wuhan)に流行をもたらしたのは、米軍かもしれない。透明性を示せ! 情報を開示せよ! 米国は我々に対して説明責任がある!」

 中国では趙氏の主張と似たような、新型ウイルス流行の責任は米国にあるとの陰謀説がソーシャルメディア上で急激に広まっている。

中国共産党政府自身ですらも、武漢の市場が発生源としている新型コロナを、突然根拠もなく米軍が持ち込んだ「可能性」を主張する。この主張は調べて見ると、2019年10月に武漢で開催された各国の軍人によるスポーツ大会に米軍選手団が参加したことのみで、具体的な根拠など何もないのですから、これじゃあ都市伝説にすらもならないレベルの主張です。こんなことを、今や大国となった中国共産党政府が外務省報道官を通じて行っているのです。

このような中国共産党政府のプロパガンダ主張に、米国政府は即座に対応しています。

2020年3月13日、米国の国務省(代表:ポンペイオ国務長官)は在米国中国大使館の大使を呼び、上記の中国外務省の主張について「中国が、本感染症の発生源であるという責任をとらず、むしろ責任を回避しようとしている」と抗議をしました。国務省は、これは中国共産党政府の北京のプロパガンダによるものであり、中国共産党政府の責任を回避しようとするものと明確に語っています。

米国政府では現在、ポンペイオ国務長官をはじめとして、中国共産党政府の影響力が大きいWHOの推奨する「COVID-19」という名称など使わず「武漢ウイルス」と呼ぶことを繰り返しており、「武漢ウイルス」が一般的な呼称となっています。
これに対し、中国共産党政府はまた反発しています。

尚、中国共産党政府は上記の外務省報道官のツイートの直前から、この新型コロナについて「武漢が発生源が疑問を持つように」「米国や米軍の陰謀説を助長するように」、中国共産党政府の息のかかったメディアなどを通じて報道をするように指示しているという話も伝えられています。

日本語メディアでは、「COVID-19」なんていう呼び方が多く、これはタイでもそうですが、そんな中国共産党政府の影響の大きいWHOの推奨するわかりにくい呼び方を、中国共産党政府に従うわけもない日本メディアの報道で、使う必要があるのでしょうか?

米国国務省:PJA NEWS参考過去記事)

(報告書冒頭の米ポンペイオ国務長官のメッセージ)

PJA NEWS)米の人身売買報告書、タイは取り締まり強化が評価され第二ランクに
https://pattayaja.com/2019/06/22/5220/

PJA NEWS)日本の技能実習生の現状、裏契約で失踪したら賠償金!
https://pattayaja.com/2019/10/08/6906/

この記事が気に入ったら
いいね ! シェア ! しよう

タイ情報で、にほんブログ村ランキングに参加中! 見ていただいた記事には、是非以下にクリックをお願いします。

にほんブログ村 海外生活ブログ タイ情報へランキングにクリック!