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天安門事件の日、香港での追悼集会も弾圧(漫画付き)





2020年6月5日 PJA NEWS)

天安門事件の日、香港での追悼集会も弾圧(漫画付き)

昨日の6月4日は、1989年に中国共産党政府が、民主化を求めるデモ隊に軍隊を投入し、大量に殺戮した「天安門事件」が起こされた日でした。

Wikipedia)六四天安門事件
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AD%E5%9B%9B%E5%A4%A9%E5%AE%89%E9%96%80%E4%BA%8B%E4%BB%B6

中国では天安門事件は政府に隠ぺいされ、インターネットでの検索すらもできない状態にされています。

それでも、香港ではこれまで、この天安門事件の日には追悼集会が開かれてきました。

しかし今年は中国共産党政府が先月、一国二制度の原則も打ち壊して香港に反体制活動を禁じる「香港国家安全法」の制定方針を全国人民代表大会で採択、そしてこの追悼集会も香港警察が禁止し、追悼集会すら行えない事態となりました。

香港警察は中国共産党政府の意向を受け、追悼集会を抑え込むために3000人規模の「治安維持部隊」を投入すると公言していました。しかしながら、香港市民は天安門事件から31年目となる昨日、中国共産党政府の弾圧に負けずに、数万人規模の追悼集会を開催しました。

この模様を、BBCが本日の2020年6月5日に次のように伝えています。

BBC)香港で天安門事件の追悼集会 数万人が公園に集結
https://www.bbc.com/japanese/52931389

中国の民主化運動が軍によって鎮圧され、多数の死者が出た天安門事件から31年目の4日、香港では当局の禁止令にもかかわらず、大規模な追悼集会が行われた。

警察はヴィクトリア公園の周りにバリケードを作ったが、一部の民主派の抗議者がこれを壊し、ろうそくをともす集会を開いた。

警察は新型コロナウイルス対策を理由に、今年の追悼集会を禁止していた。

PJA NEWSではこれまで、香港での中国共産党政府による弾圧の問題は、日本の清水ともみさんの香港騒動の実態を伝えるマンガを紹介しながら伝えてきました。

しかしながら、中国共産党政府は国際社会からの批判を浴びても、この弾圧を止めず、むしろ一国二制度の原則を壊し、さらに天安門事件の追悼集会すらも弾圧して、香港での弾圧を強めています。

この騒動により、香港騒乱の実態への注目がさらに高まっています。

そこでPJA NEWSでは、清水ともみさんが今年の2020年1月10日に公開した香港騒動の実態を表す漫画など、以下を再掲します。

この漫画、その冒頭にも書かれているように日本では香港デモの一連の騒動は「渋谷のハロウィンのバカ騒ぎ」ぐらいに多くの人に思われていたのが、その本当の意味がわかってきたとして、大きな反響を呼んでいます。

その漫画がこちら。

<日本語版:漫画>
「#祈戦」(2020年1月10日)
漫画は以下からご覧いただけます。
https://note.com/tomomishimizu/n/nb07dad4bec2d

また、香港デモで自由を求める多くの香港人からテーマソングとして歌われていた「香港に栄光あれ」(広東語: 願榮光歸香港、英語: Glory to Hong Kong)

この曲の歌詞の意味を書いた漫画も、以下にご紹介します。歌詞の訳ですので短いですが、デモ隊の求めていたことの趣旨がよく伝わります。

<日本語版:漫画>
「香港に栄光あれ」(2019年12月20日)
漫画は以下からご覧いただけます。
https://note.com/tomomishimizu/n/nf3ce56eff9aa

このデモ隊のテーマソング「香港に栄光あれ」。

この歌を歌う模様を伝えた日本のANN Newsの2019年9月15日のニュース動画が以下のものです。

このように日本でも現場の様子はニュースで伝えられてはいるのですが、このニュースだけでは、漫画で描かれているような歌の趣旨は、なかなか伝わりにくいのではないでしょうか。

日本では残念ながら、この歌の趣旨や、中国共産党政府に支配された香港の人たちが、決死の思いで歌う歌の思いは、ほとんどの人に伝わっていません。だからこそマンガの冒頭にあるように、「日本の渋谷のハロウィンのバカ騒ぎ」ぐらいに思われている事がほとんどなのです。

しかしながら現在、日本も以下記事の通り、武漢ウイルスにより日本や米国が弱っている所に乗じて、中国共産党政府による軍事的な挑発や威嚇にさらされる毎日となっています。

日本)河野防衛相、中国の軍事的挑発に「極めてけしからん」と強く批判
https://pattayaja.com/2020/04/14/10254/

日本が中国共産党政府に侵略されれば、この香港の人々やウイグル人の人々の現実は、日本の将来の姿となりうる現実です。

香港デモの頃の後ぐらいから、米国はトランプ大統領が中国との米中貿易戦争の幕引きを狙っており、これにともなって米国政府高官や米軍高官とのお話の中でも、高官になるほど多くの人は、中国政府を強く批判することがしにくい状況がありました。

しかしながら、中国の武漢から武漢ウイルスが世界的に広がり、これにより米国も日本も世界中で甚大な被害がもたらされている中で、中国共産党政府の酷い実態への批判は遥かに高まっており、この状況も大きく変わってきています。

PJA NEWSでは以下に、ウイグル族の悲劇を描いた清水ともみさんの漫画の日本語版と英語版をご紹介した2019年9月9日のPJA NEWSの記事を再掲します。

中国の共産党政府が、新疆ウイグル自治区などで少数民族であるウイグル族に対して行っている虐待等行為が、世界的な批判を集めています。

中国共産党政府はこれまで、侵略したチベットでも侵略後に民族抹殺を図る残虐行為を行ってきました。
現在は新疆ウイグル自治区でも同様に残虐行為を実施しており、国際機関などによると2017年頃から、その実態はさらに酷くなっています。(*)

(*)米国政府が新疆ウイグル自治区の「再教育施設」の実情を報告する資料(2018年12月4日)
20181204_Busby_Testimony
<PJA NEWSのサーバーからのダウンロードとなります。>

2018年には国連が中国政府に対し、新疆ウイグル自治区の「再教育施設」と呼ばれる施設での行為の実態調査を要求しており、世界的にも大きなニュースになっています。タイでもこの国連の動きは以下のニュースなどでも報道されています。
これら国連の非難などに対し、中国共産党政府は「虚言だ」と反論、拷問や虐待の事実を否定しています。

MGR Online)国連が、中国の「再教育施設」へ調査を要求 (2018年12月16日) <タイ語のニュースです>
https://mgronline.com/around/detail/9610000121607

このような中国共産党政府の侵略した地域における虐待、虐殺は民族抹殺というべきものであり、ナチスのホロコーストよりも大規模で酷いものです。

そしてこのような事実があるからこそ、米国が中国の共産党政府を危険視しているのです。

ところが、このような事実が我が国の日本では、あまり知られていません。
日本人の一般の多くの人は「なんでアメリカ政府は、中国共産党政府をこんなに警戒しているの?」という反応をする事が多く、その理由も伝わっていない事が多いのです。

PJA NEWSでも、たとえば3日前にも以下のような過去記事を出すと、日本人の多くから、アメリカが中国を警戒している理由がわからないという意見がありました。

PJA NEWS)米海軍、対中国の新型ミサイル艦をインド太平洋方面へ配備 (2019年9月6日)
https://pattayaja.com/2019/09/06/6187/

そのような現状もあって、PJAニュースではこれまでも以下の過去記事のように、同地区から逃げ出してくることに成功した東トルキスタン人の人がFacebookに投稿した「串焼きの刑」と俗に呼ばれる拷問の動画が世界的に話題になっているニュースなどを取り上げてきました。

中国が少数民族へ「串焼き」拷問、動画も流出し非難殺到!世界的な問題に(2019年2月26日)
https://pattayaja.com/2019/02/16/2800/

(流出した新疆ウイグル自治区で少数民族に行われている拷問の様子、同Facebookより)

以下の自由時報の報道によると、上記過去記事の動画は中国の新疆ウイグル自治区を脱してトルコにたどり着いた東トルキスタン人がFacebookに投稿したものです。

自由時報)中国政府が少数民族に行う「串焼きの刑」に世界が驚愕(2019年2月10日) <中国語のニュースです>
https://news.ltn.com.tw/news/world/breakingnews/2694842

2015年から虐待を受けたウイグル人女性が、アメリカに亡命し実態を告発

中国の共産党政府が虐殺、虐待を続けている新疆ウイグル自治区の実態を、同地区で虐待を受けてアメリカに亡命した女性が告発し話題となっています。

ウイグル人女性で、2015年頃から新疆ウイグル自治区で共産党政府施設に収容されて虐待を受けたウイグル人女性のMihrigul Tursunさんは、アメリカに亡命する事に成功し、その体験談をアメリカで語りました。
女性はアメリカの議会でも証言し、アメリカメディアでも実態の酷さが大きく報じられています。

以下はアメリカ大手メディアのCNNがMihrigul Tursunさんの証言内容を伝えるニュースです。

CNN)Uyghur refugee tells of death and fear inside China’s Xinjiang camps (2019年1月18日)
CNN)ウイグル難民の女性、中国の新疆ウイグル自治区キャンプの死と恐怖の実態を語る (動画付き)
https://edition.cnn.com/2019/01/18/asia/uyghur-china-detention-center-intl/index.html

もう殺してくださいと嘆願したという内容で、アメリカでは大きな反響を呼んでいます。

そして日本人の”清水ともみ”さんが、このMihrigul Tursunさんの経験を、伝わりやすいように漫画にしました。
その漫画が以下のもので、日本語版は先月末に、英語版も昨日の9月8日にアップされました。

特に日本語版は、日本ではこのような問題をあまり知らない人がほとんどの中で、多くの人に読まれ反響を呼んでいます。
まだご覧になっていない方は、是非日本語版だけでも読まれてみてください。

<日本語版:漫画>
「私の身に起きたこと」
~とあるウイグル人女性の証言~ (2019年8月31日)
漫画は以下から自由にご覧いただけます。
https://note.mu/tomomishimizu/n/nfd4c33d0fcdf

<英語版:漫画>
「What has happened to me」
~A testimony of a Uyghur woman~ (2019年9月8日)
漫画は以下から自由にご覧いただけます。
https://note.mu/tomomishimizu/n/n4cade047aed8

上記の漫画の1ページ目は、漫画の作者の清水ともみさんから許可をいただき掲載しています。
漫画を作成された清水ともみさんはPJA NEWSに「私はひとりでも多くの方に、ウイグルの実態や証言を届けたいと思っています。」と語っています。

これを読んでもらうと、そもそも米国政府が中国の共産党政府を危険視している理由や背景が、少しは日本にも伝わってくれるのではないかと思います。

このような経緯があった上での、米国による中国を警戒した安全保障体制の確立が必要となっており、また中国企業であるファーウェイの摘発や、米中貿易戦争が起きている今年のアメリカの現在の状況になっているのです。
香港でも、香港の人がここまで中国共産党政府の支配に反発している事実には、相当の理由があるわけです。

その意味で、このような事実の背景を漫画で伝える取り組みは、とても大切なものだと思います。

かつてユダヤ人への民族抹殺を行おうとしたナチスドイツよりも、はるかに大規模に民族抹殺を行っている中国共産党政府の今の体質で侵略されれば、日本も含めて弱い立場の国や人となると、どうなるかを考えさせられます。

日本では、国の平和は無料で得られているかのような意識が多くあります。
しかし実際の状況がどうなのか、どのような脅威を世界各国は感じているのかをまず知り、その上で国の取るべき行動を冷静に考え議論する事が必要なのではないでしょうか。

 

「ナチスが共産主義者を攻撃したとき、私は声をあげなかった。
 私は共産主義者ではなかったからだ。

 社会民主主義者を牢獄に入れたとき、私は声をあげなかった。
 私は社会民主主義ではなかったからだ。

 労働組合員たちを攻撃したとき、私は声をあげなかった。
 私は労働組合員ではなかったからだ。

 ユダヤ人たちを連れて行ったとき、私は声をあげなかった。
 私はユダヤ人ではなかったからだ。

 そして、ナチスが私を攻撃したとき、私のために声をあげる者は誰一人残っていなかった」

<マルティン・ニーメラーの詩「彼らが最初共産主義者を攻撃したとき<Als die Nazis die Kommunisten holten>」より(*)>

上記はナチス時代のドイツの牧師で、ナチスの教会に対する国家管理への反対をしたことによってナチスに捕らえられ、1937年から1945年にザクセンハウゼン強制収容所とダッハウ強制収容所に収容されたマルティン・ニーメラーの言葉です。

上の言葉は、このような議論をする時に思い出させられる言葉です。

(*)マルティン・ニーメラー

マルティンはナチスに強制収容所に8年間収監された後、ホロコーストで殺される事を免れて生還しました。

その後、自分には関係がないと声をあげなかったことが、いかに愚かな事だったかと再三にわたりスピーチを行っており、その言葉の日本語訳が上記のものです。
この
スピーチは相当数にわたり行われており、内容は都度微妙な違いはありますが、ドイツ語で行われた際のスピーチの原文の一つ以下の通りです。

Als die Nazis die Kommunisten holten, habe ich geschwiegen, ich war ja kein Kommunist.

Als sie die Sozialdemokraten einsperrten, habe ich geschwiegen, ich war ja kein Sozialdemokrat.

Als sie die Gewerkschafter holten, habe ich geschwiegen, ich war ja kein Gewerkschafter.

Als sie mich holten, gab es keinen mehr, der protestieren konnte.

マルティン・ニーメラー(Wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%A1%E3%83%A9%E3%83%BC

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