2020年7月5日 PJA NEWS)
タイ)日本人のタイ女性蔑視問題、タイの署名活動に2万5千人!日本大使館へ
日本のメディアや日本人男性が、タイ女性への蔑視やセクハラなどの問題を起こしている問題について、タイで女性を中心にオンラインでの署名活動が起こり、2万5000人が署名しました。この署名はバンコクの日本大使館に提出され、日本大使館は受理する意向です。
このニュースについて昨日、PJA NEWSでは日本のタブロ配信版で以下の通り伝えました。Tablo配信版は、日本でMAU(月間のアクティブ利用者数)が約7500万人(*)、実に日本の人口の7割近くがアクティブユーザーとなっている、日本の有力なニュースアプリです。
(*)Line NewsのMAU数値は以下媒体資料より
(PJA NEWSのサイトからのダウンロード用URL)
20200630_LINENEWS_mediaguide_202004
タブロ配信版
タイ人女性に対するヘイトやセクハラ発言 女性約2万5千人が署名、日本大使館へ 日本人男性と見られる人物から脅迫もhttps://tablo.jp/archives/26416
Line News配信版
https://news.line.me/articles/oa-rp11418/a10dd534f068
(Line News版)
「こんな日本人は、タイから出て行ってほしい」
世界有数の親日国のタイで、こう訴える女性たちの署名運動が大きくなり、今やタイ人女性や日本人女性などを中心に約2万5千人もの署名が集まっています。
この署名運動、発起人のタイ在住のジャーナリストの女性に話を聞きました。
近年タイで数多くの日本人によるタイの人や文化などを蔑視する行為の数々が大反響となっている事で、心を痛めて署名運動を始めたと言います。
その最大のきっかけとなったのは、PJA NEWSでも配信した以下のニュース。
タイ)日本人の中年男性2名がタイで”ナンパ動画”!タイ世論で批判殺到
https://pattayaja.com/2020/05/31/11787/
(批判するツイートの画像より)
※尚、上記記事のうちA氏は、以下記事の通り謝罪文をPJA NEWSに寄せて発表しています。
タイ)日本人によるタイでの”ナンパ動画”問題、日本人A氏が謝罪文を公開し反省
https://pattayaja.com/2020/06/03/11852/タイ・バンコクに在住している日本人と見られる中年の男二人が、北部の街・チェンマイなどで女性へのナンパを行い、どれだけわいせつな事を出来るかを競い合うという低俗な動画をYouTubeにアップし配信していた事件です。
この動画を見たタイ人女性の友人から、メールで送られてきた言葉が「こんな人間はタイから出ていって欲しい」でした。
これを聞いて、女性は「これではいけない」と実感して、この署名運動を友人たちと始め、この声を日本大使館に届けたいとしています。
もともと、タイでは「日本メディア」を自称する「ワイズ」が、タイ人女性を騙して写真と実名を晒してヘイトをし、嘲笑う記事を長年にわたり掲載していた以下の問題も起きていました。
<PJA NEWS 日本語版>
タイ)ワイズの対応に批判殺到「タイの方々は日本人を楽しませる”物”ではない」
https://pattayaja.com/2019/10/02/6770/
<PJA NEWS Thai>
(สำนักข่าวไทย) นิตยสาร WiSE รับมือกับคำวิจารณ์มากมายเรื่อง “คนไทยไม่ใช่ของเล่นของคนญี่ปุ่น”
https://pattayaja.com/2019/10/09/6939/他にも同様の問題が現在も多く起きているタイでは、女性たちがついに声を上げはじめ、このような署名運動になっているのです。
この署名運動、インターネット上の「Change.org」というサイトで行われており、オンラインで署名が出来るようになっています。
日本人の男からタイ人女性へ「脅迫」も! しかし署名活動は拡大していく
タイ現地では、タイ人女性はもちろん、日本人女性からも多くの共感の声が寄せられ、署名運動が盛んになっていました。
活動で署名したある日本人女性は、次のように語っています。
「タイにいると、あまりにも日本人の買春やセクハラ発言が酷いから、ずっと何とかしたいとは思っていました。でも、自分では何もできなかったんです。それが、最近はさらに酷くなってタイ世論でも大きな問題になる中で、女性が署名運動という形で声を上げられるというのを聞いて、署名しました。少しでも変わってくれたら嬉しいです」
署名活動には妨害もありました。
中心的に活動している1人のタイ人女性が、日本人の男と見られる人物から匿名の脅迫メールを3度連続で送られる事件が起きたのです。
彼女は実名で顔も出して活動をしていましたが、それにつけこんで日本人の男と見られる人物から、女性の自宅や家族に害が及ぶと脅迫され、活動をやめろという要求をされたのです。
女性は身の危険を感じ、表立った活動は控えるようになりました。
それでも残ったメンバーで署名活動を続け、今はタイに住む男性からも賛同者が集まるようになり、署名が約2万5千人分も集まったのです。
署名を日本大使館へ。大使館も受理、対応の方針
署名が集まったことを受けて今月、日本人社会に啓発をお願いするため、女性たちは集まった署名をバンコクの在タイ日本国大使館へ届けに行く予定です。
在タイ日本国大使館関係者によると、日本大使館でも調整をしており、既に受理し対応の方針で調整が進んでいるということです。
タイで集まった約2万5千人もの、「タイ人女性にきちんとした敬意を持ってほしい」という日本人への署名。
タイは世界有数の親日国で、日本が大好きというタイの人も大勢いる国です。
筆者はこれまで、タイが親日国となってくれた理由の一つともなった経緯を、タイのニュースを配信するWEBサイト『PJA NEWS』で紹介してきました。
コラム)タイでは皆知っている日本人”小堀”のルーツとなった実話とは!?
https://pattayaja.com/2017/10/29/168/過去、タイと日本の良好な関係を築くために尽力してくれた日本人がいたから、親日国となってくれたのです。
そのタイで、現在、日本人や日本企業はこれまで、日本のイメージを良くするために十分な取り組みが出来ていたでしょうか?
日本メディアや日本人が、前述の動画を配信したり、日本語フリーペーパーを発行していたのを、止めもせずに見て見ぬふりをしてきた結果が、この問題につながったのではないでしょうか。
ましてや、署名活動をする女性に脅迫するのが日本人だとすれば、その卑怯さも本当に許せないものです。
今、このような実態が、女性たちの活動で変わろうとしています。
これを受けて、取り組みに賛同してくれる日本政府の日本大使館、そして協力してくれている日本企業も一部に現れてきてくれているといいます。
筆者としては、このような問題を伝えながら、タイの日本人社会を変える為の活動を応援していきます。
署名は既に2万5千人分があつまり、この連休明けにもバンコクの在タイ日本国大使館領事部へ提出の予定です。
大使館側も領事部が受領する方針です。
同様の問題では、昨日もPJA NEWSの以下記事でお伝えした通り、タイの名門国立大学「カセサート大学」の偽講師を名乗っていた日本人が経営する、バンコクの日本人向けのバー「W」で、タイ人女性従業員に不当行為が行われていた問題なども反響を呼んでおり、騒動も大きくなっています。
続報:タイ)国立カセサート大の偽「臨時講師」発表、背景にはタイ人女性への不当行為か
https://pattayaja.com/2020/07/04/12625/
親日国となってくれた今のタイで、日本人のイメージが低下してしまいかねない問題が発生しています。
署名活動を行う女性たちによると、現在は匿名掲示板で、匿名で脅迫的な日本語の書き込みをされたりして、女性たちが怖がらされているといいます。以下は、この署名活動をされている1人で、日本人女性のジャーナリストの方のブログで、このことを注意されている記事です。
誹謗中傷には法的に対応いたします。
http://respectthaiwomen.livedoor.biz/archives/6802487.html
ようやく状況が変わろうかとするときに、日本人男性と見られる一部の人間が、女性たちに匿名で脅迫するこのような行為は、あまりにも卑劣ではないでしょうか。
タイ在住の日本人の視点で見ると、多くの日本人は、日本のイメージも良いものになってほしく、様々な努力をしています。これは個人だけでなく、日本企業の中の良心的な企業、そして日本政府の在タイ日本国大使館も勿論、多くの尽力をしてくれています。
事実、たとえばタイのパタヤでも、先月の2020年6月3日に日本人のホームレスの方がタイ警察に保護され、タイ政府のパタヤ市、警察、日本政府のバンコクの日本国大使館、そして筆者の所属するPJA(パタヤ日本人会)とで協力して保護が行われ、これが現地でニュースとなりました。これはパタヤ市の公式の発表でも伝えられ、現地で反響もあったニュースの一つとなりましたが、そのFacebook上のイイネは約2200です。
このような尽力をタイ政府と日本政府が協力して行って、それを評価してもらえることがあっても、この2200のイイネと比べて、一部の日本人の悪質な行為が悪いニュースとなり、数万単位の反響が現地で起きてしまったら、日本のイメージは悪くなってしまいかねません。
実際には、多くの日本人が日本のイメージを良くするために努力していても、一部の日本人による問題によって起こされてしまうとしたら、日本人としてはあまりにも悲しい問題ではないでしょうか。
日本人としては、自分たちの問題を引き締め、このような酷い行為を見て見ぬふりをするのではなく、日本人社会が批判しすぐに対処するという風に、改善しなければいけません。
日本人社会ではこれまで、残念ながら多くの人は、このような問題を見ても「見て見ぬふり」をしたり、一緒にタイ人女性を誹謗する「日本メディア」をバンコクで読んで嘲笑っていたりしました。
日本人の多くは、見て見ぬふりをやめ、声をあげている女性たちを守りながら、このような問題は「一部の日本人、日本メディア」の問題であり、日本人の社会は大多数は、これをきちんと批判し、日本人社会で自浄する取り組みをしているという事を明確にして、変わらなければいけないでしょう。
女性たちが声をあげ、日本大使館も受理の方針となってくれたことで、これまでの酷い状況が、変わろうとしています。
筆者は、このような問題の実態を伝えながら、この変わるための動きを応援しています。
(報道関係者の方へ)
連休明けのバンコクの日本大使館への提出は、メディアの同行はされない予定です。
※PJAニュースは、パタヤの有力メディアであるThe Pattaya Newsの公式パートナーとして日本語版を配信しています。
The Pattaya News(英語版)
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