2020年7月10日 PJA NEWS)
タイ)「日本人の差別や蔑視を止めてほしい」約2万5千の署名を日本大使館が受領
以下の過去記事に続報です。
タイ)日本人のタイ女性蔑視問題、タイの署名活動に2万5千人!日本大使館へ提出
https://pattayaja.com/2020/07/05/12649/
本日の2020年7月10日、日本人によるタイ女性への蔑視問題について、これを止めるよう求める趣旨の、タイの女性たちを中心としてオンラインで集められた約2万5,450名の署名が、バンコクの在タイ日本国大使館へ提出されました。
(2020年7月10日
在タイ日本国大使館<バンコク>)
在タイ日本国大使館は約2万5,450名の署名を受理し、提出に訪れた女性と約1時間の面談を実施しました。
在タイ日本国大使館は「世界でも有数の親日国であるタイにおいて、両国の長年にわたる友好関係も傷つける行為であり、甚だ遺憾と考えます」、「こうした軽率な行為は、当地で暮らす10万人近い在留邦人の皆様、更にはタイを訪れる年間180万人以上の日本人に対する信頼を損なうものであり、このようなことが二度と行われないことを願っております。」とコメントしています。
提出した女性はPJA NEWSの取材に「ここまで多くの人が協力してくれたことを、心から感謝しています。これからは人権侵害や蔑視がなくなっていくような社会を作るために、皆さまと目指していきたいと思います。」とコメントしています。
(2020年7月10日
在タイ日本国大使館<バンコク>にて
提出された署名)
尚、在タイ日本国大使館では署名を受領の上で、日本人社会への啓発など対応を検討しています。
このような活動になった背景と見解について、以下に再掲します。
尚、過去記事でも掲載した通り女性たちには匿名で活動を止めるよう脅迫するメールや、匿名掲示板での脅迫的な書き込み、誹謗中傷の書き込みが日本語で行われており、卑劣な嫌がらせ行為が続いているといいます。
一部の日本人による問題行為に対し、女性たちも署名活動という形で声をあげている現在。
日本人も多くの人が「見て見ぬふり」をするのを止め、一部の人がこのような行為をするのを止めて、このような問題は一部の日本人の問題であり、そのような問題は日本人社会の中で是正する事ができる事を、親日国のタイでもしっかりと見せないといけないのではないでしょうか。
「こんな日本人は、タイから出て行ってほしい」
世界有数の親日国のタイで、こう訴える女性たちの署名運動が大きくなり、今やタイ人女性や日本人女性などを中心に約2万5千人もの署名が集まっています。
この署名運動、発起人のタイ在住のジャーナリストの女性に話を聞きました。
近年タイで数多くの日本人によるタイの人や文化などを蔑視する行為の数々が大反響となっている事で、心を痛めて署名運動を始めたと言います。
その最大のきっかけとなったのは、PJA NEWSでも配信した以下のニュース。
タイ)日本人の中年男性2名がタイで”ナンパ動画”!タイ世論で批判殺到
https://pattayaja.com/2020/05/31/11787/(※尚、上記記事のうちA氏は、以下記事の通り謝罪文をPJA NEWSに寄せて発表しています。
タイ)日本人によるタイでの”ナンパ動画”問題、日本人A氏が謝罪文を公開し反省
https://pattayaja.com/2020/06/03/11852/)タイ・バンコクに在住している日本人と見られる中年の男二人が、北部の街・チェンマイなどで女性へのナンパを行い、どれだけわいせつな事を出来るかを競い合うという低俗な動画をYouTubeにアップし配信していた事件です。
この動画を見たタイ人女性の友人から、メールで送られてきた言葉が「こんな人間はタイから出ていって欲しい」でした。
これを聞いて、女性は「これではいけない」と実感して、この署名運動を友人たちと始め、この声を日本大使館に届けたいとしています。
もともと、タイでは「日本メディア」を自称する「ワイズ」が、タイ人女性を騙して写真と実名を晒してヘイトをし、嘲笑う記事を長年にわたり掲載していた以下の問題も起きていました。
<PJA NEWS 日本語版>
タイ)ワイズの対応に批判殺到「タイの方々は日本人を楽しませる”物”ではない」
https://pattayaja.com/2019/10/02/6770/<PJA NEWS Thai>
(สำนักข่าวไทย) นิตยสาร WiSE รับมือกับคำวิจารณ์มากมายเรื่อง “คนไทยไม่ใช่ของเล่นของคนญี่ปุ่น”
https://pattayaja.com/2019/10/09/6939/他にも同様の問題が現在も多く起きているタイでは、女性たちがついに声を上げはじめ、このような署名運動になっているのです。
この署名運動、インターネット上の「Change.org」というサイトで行われており、オンラインで署名が出来るようになっています。
日本人の男からタイ人女性へ「脅迫」も! しかし署名活動は拡大していく
タイ現地では、タイ人女性はもちろん、日本人女性からも多くの共感の声が寄せられ、署名運動が盛んになっていました。
活動で署名したある日本人女性は、次のように語っています。
「タイにいると、あまりにも日本人の買春やセクハラ発言が酷いから、ずっと何とかしたいとは思っていました。でも、自分では何もできなかったんです。それが、最近はさらに酷くなってタイ世論でも大きな問題になる中で、女性が署名運動という形で声を上げられるというのを聞いて、署名しました。少しでも変わってくれたら嬉しいです」
署名活動には妨害もありました。
中心的に活動している1人のタイ人女性が、日本人の男と見られる人物から匿名の脅迫メールを3度連続で送られる事件が起きたのです。
彼女は実名で顔も出して活動をしていましたが、それにつけこんで日本人の男と見られる人物から、女性の自宅や家族に害が及ぶと脅迫され、活動をやめろという要求をされたのです。
女性は身の危険を感じ、表立った活動は控えるようになりました。
それでも残ったメンバーで署名活動を続け、今はタイに住む男性からも賛同者が集まるようになり、署名が約2万5千人分も集まったのです。
署名を日本大使館へ。大使館も受理、対応の方針
署名が集まったことを受けて今月、日本人社会に啓発をお願いするため、女性たちは集まった署名をバンコクの在タイ日本国大使館へ届けに行く予定です。
在タイ日本国大使館関係者によると、日本大使館でも調整をしており、既に受理し対応の方針で調整が進んでいるということです。
タイで集まった約2万5千人もの、「タイ人女性にきちんとした敬意を持ってほしい」という日本人への署名。
タイは世界有数の親日国で、日本が大好きというタイの人も大勢いる国です。
筆者はこれまで、タイが親日国となってくれた理由の一つともなった経緯を、タイのニュースを配信するWEBサイト『PJA NEWS』で紹介してきました。
コラム)タイでは皆知っている日本人”小堀”のルーツとなった実話とは!?
https://pattayaja.com/2017/10/29/168/過去、タイと日本の良好な関係を築くために尽力してくれた日本人がいたから、親日国となってくれたのです。
そのタイで、現在、日本人や日本企業はこれまで、日本のイメージを良くするために十分な取り組みが出来ていたでしょうか?
日本メディアや日本人が、前述の動画を配信したり、日本語フリーペーパーを発行していたのを、止めもせずに見て見ぬふりをしてきた結果が、この問題につながったのではないでしょうか。
ましてや、署名活動をする女性に脅迫するのが日本人だとすれば、その卑怯さも本当に許せないものです。
今、このような実態が、女性たちの活動で変わろうとしています。
これを受けて、取り組みに賛同してくれる日本政府の日本大使館、そして協力してくれている日本企業も一部に現れてきてくれているといいます。
筆者としては、このような問題を伝えながら、タイの日本人社会を変える為の活動を応援していきます。
※PJAニュースは、パタヤの有力メディアであるThe Pattaya Newsの公式パートナーとして日本語版を配信しています。
The Pattaya News(英語版)The Pattaya News(タイ語版)
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