2020年8月11日 PJA NEWS)

香港の民主活動家の周庭氏、逮捕前の日本への最後の言葉

各報道の通り、昨日の2020年8月10日に香港で、民主活動家で親日派の若き女性、周庭(アグネス・チョウ)さんが、中国共産党政府の国家安全維持法違反容疑で、香港の警察当局に逮捕されました。中国共産党政府に批判的な有力新聞「リンゴ日報」の創業者・黎智英(れいちえい)も逮捕されており、中国共産党政府による民主化を求めている香港市民への弾圧への批判が広がっています。

(2020年8月10日夜
香港で逮捕された周庭さん
写真は周庭さんの以下Facebookへの管理者の投稿より引用
周庭さんFacebookページ

https://www.facebook.com/agneschowting)

逮捕前日の2020年8月9日、周庭さんは自身の周囲に不審な男たちが、まるでシフト制でも組んでいるかのように居続けていることを心配し、以下のようにFacebookにも投稿。「白色テロはどこにでもある。みんなも気をつけて」と呼び掛けていました。

【好多個可疑男子由朝到晚企喺我屋企附近,仲要不斷影我屋企】啱啱出街拍拍下youtube片,有人通知我,原來今日有好多個可疑男子,由朝早到夜晚都企喺我住緊嘅屋苑閘口出面。好似輪班制咁,四個人等左幾個鐘,然後有架車接佢哋走,再換另外三四個男…

周庭 Agnes Chow Tingさんの投稿 2020年8月9日日曜日

 

周庭(アグネス・チョウ)さんは日本好きで、日本語も堪能で日本でも多くのメディアに出られていますので、ご存知の人も多いでしょう。

周庭さんは逮捕前に日本人に向けて最後に出した2020年6月28日のツイートで「日本の皆さん、自由を持っている皆さんがどれくらい幸せなのかをわかってほしい。本当にわかってほしい・・・涙」と語っていました。これが、日本人に向けた最後のツイートとなりました。

 

日本好きの周庭さんは、この一つ前のツイートでも、不自由で不公平な香港で、自身の未来が不安の中にあっても、「日本にいつかまた行きたいなぁ」と日本語で語ってくれていました。

 

わずか23歳の、もちろん武器も何も持たない若い女性が、平和的な方法で民主化を求めているだけで、中国共産党政府は国家安全維持法を根拠に強制的な身柄拘束までしたのです。

一体周庭さんのどこに、大国となった中国の「国家の安全に危害を加える行為」があるというのでしょうか?

PJA NEWSではこれまで、中国共産党政府に侵略されたウイグルや香港の実情を伝える日本の漫画を紹介し、現状の告発を伝えてきました。以下は、そのうち香港の現状を取り上げた漫画ですが、この香港の現状が国家安全維持法まで施行されて、さらに酷くなっているのです。

香港騒動とは何か?香港での実態を伝える漫画が反響 (2020年4月17日)
https://pattayaja.com/2020/04/17/10383/

<日本語版:漫画>
「#祈戦」(2020年1月10日)
漫画は以下からご覧いただけます。

https://note.com/tomomishimizu/n/nb07dad4bec2d
(作者の清水ともみさんから許可を得て掲載しています)

民主主義陣営の各国で、この中国共産党政府の酷い弾圧に抗議の声が上がっています。

日本政府も既に菅官房長官が重大な懸念を発表しました。
これについて中国政府は先ほど、日本政府に対して内政干渉だと反発、逆に日本政府に内政干渉を止めるよう求めてきました。

産経新聞)中国、日本の懸念に「干渉許さない」 香港民主活動家ら逮捕 (2020年8月11日)
https://www.sankei.com/world/news/200811/wor2008110031-n1.html

【北京=三塚聖平】中国外務省の趙立堅(ちょう・りつけん)報道官は11日の記者会見で、香港の民主活動家、周庭(アグネス・チョウ)氏らの逮捕に日本の菅義偉(すが・よしひで)官房長官が懸念を示したことについて「香港については中国の内政であり、いかなる外部勢力の干渉も許さない」と反発した。その上で「現実をしっかりと認識し、干渉をやめるよう強く促す」と述べ、日本を牽制(けんせい)した。

 香港国家安全維持法(国安法)施行で報道の自由が抑圧されているという懸念に対しては、「香港は法治社会であり、いかなる人間も特権はない。法を犯しさえしなければ何の心配もない」と正当化した。

 香港紙、蘋果(ひんか)日報の創業者、黎智英(ジミー・ライ)氏らの逮捕をポンペオ米国務長官が批判したことについても、趙氏は「根拠がまるでない」と一蹴した。

香港でも、このように弾圧を過激化し、香港の自由を完全に失わせた中国共産党政府。

過去記事の通り、ウイグル人に対しては現代のホロコーストというべき民族への弾圧行為を行っている中国共産党政府ですから、それに拘束された周庭さんの身が非常に心配されています。

日本ではTwitterでも「#周庭氏の逮捕に抗議する」「#Free Agnes」といったハッシュタグがトレンド入りし、抗議の声が大きくなっています。

このような方法でも抗議の声をあげたり、地元や付き合いのある議員に陳情したり、中国製の商品のボイコット運動をしたり、抗議の声を一般の人が挙げる方法はいくらでもあります。

周庭さんや、民主化を求めただけの香港市民を助ける事を求め、日本も民主主義陣営の一国として、もっと抗議の声を上げる事が必要です。日本も尖閣諸島をはじめ中国共産党政府に脅かされている現在、明日の日本の姿と考えるべき現実です。

(周庭さんの逮捕前のツイートより)

日本においては、国防の問題を認識する事が必要

中国の武漢から広がっている武漢ウイルスにより、現在は日本や米国の一般市民にも甚大な被害が出ています。同時に米軍にも大きな被害が出ており、在日米軍においても高官も含めて感染者が多く出ています。しかし、このような折も中国共産党政府によるアジアへの覇権主義が止まるわけではありません。むしろ軍事的挑発は高まっており、国防においての危機を迎えています。

日本としては非常に心配される現状となっています。日本ではこれまで、多くのメディアがこのような国防の問題を大きく取り上げる事は少なく、国民で議論をする以前に、そもそも多くの日本国民は、このような問題が起きている事を知らない状況にありました。

しかし危機がより大きくなってきた現在、ようやく日本でもこのような問題が報じられるようになり、この問題意識も高まりつつあります。

覇権主義を膨脹させ脅威を増している中国共産党政府の動きを牽制し、日本を含めたインド太平洋地域の安全を確保するために、米軍、日本の防衛省の自衛隊、そして関係各国の必死の尽力が行われています。

PJA NEWSでは、多くの人がこのような現実をまず知ることができるよう、積極的にこのような問題や取り組みについても掲載し伝え、米軍、自衛隊の取り組みを応援しています。

以下にPJA NEWSの過去記事として、日本と米国を守るために尽力する米軍や日本の自衛隊の取り組みを伝える記事や、この中国共産党政府に侵略された国の人がどうなったかを伝える記事などの過去記事を掲載します。

タイ)独占取材!米軍の慈善活動に自衛隊が参加、米軍から称賛の声
https://pattayaja.com/2020/02/27/8838/

東シナ海で米軍実質空母Americaと海自あけぼのが日米合同訓練!中国を牽制
https://pattayaja.com/2020/04/12/10163/

アンダマン海で米海軍Gabrielle Giffordsと海自てるづきが日米共同訓練
https://pattayaja.com/2020/04/09/10060/

中国共産党に侵略された悲惨、その告発を日本人が漫画に(漫画付き)
https://pattayaja.com/2019/09/09/6254/

”中国に消された”国の実情を漫画に!「その國の名を誰も言わない」
https://pattayaja.com/2019/09/23/6560/

新疆ウイグル、収容者数百人を目隠しで護送か、動画流出(動画付き)
https://pattayaja.com/2019/10/07/6890/

在日ウイグル人、日本での中国共産党の脅迫を告発!漫画が反響
https://pattayaja.com/2020/08/06/13365/

<日本語版:漫画>
「私の身に起きたこと
~とある在日ウイグル人男性の証言2」
(2020年7月31日)
漫画は以下からご覧いただけます。
https://note.com/tomomishimizu/n/neac6083dd4e6
※作者の清水ともみさんに許可を得て、表紙のみ引用しています。

<日本語版:漫画>
「私の身に起きたこと」
~とあるウイグル人女性の証言~ (2019年8月31日)

漫画は以下から自由にご覧いただけます。
https://note.mu/tomomishimizu/n/nfd4c33d0fcdf
(作者の清水ともみさんから許可を得て掲載しています)

<日本語版:漫画>
「その國の名を誰も言わない」

漫画は以下から自由にご覧いただけます
https://note.com/tomomishimizu/n/ned24c90d3db1

(作者の清水ともみさんから許可を得て掲載しています)

<日本語版:漫画>
「香港に栄光あれ」(2019年12月20日)
漫画は以下からご覧いただけます。
https://note.com/tomomishimizu/n/nf3ce56eff9aa

このデモ隊のテーマソング「香港に栄光あれ」。

この歌を歌う模様を伝えた日本のANN Newsの2019年9月15日のニュース動画が以下のものです。

日本では残念ながら、この歌の趣旨や、中国共産党政府に支配された香港の人たちが、決死の思いで歌う歌の思いは、ほとんどの人に伝わっていません。

だからこそ上記のマンガの「#祈戦」の冒頭にあるように、「日本の渋谷のハロウィンのバカ騒ぎ」ぐらいに思われている事がほとんどなのです。

<マルティン・ニーメラーの詩
「彼らが最初共産主義者を攻撃したとき<Als die Nazis die Kommunisten holten>」より(*)」>

「ナチスが共産主義者を攻撃したとき、私は声をあげなかった。
 私は共産主義者ではなかったからだ。

 社会民主主義者を牢獄に入れたとき、私は声をあげなかった。
 私は社会民主主義ではなかったからだ。

 労働組合員たちを攻撃したとき、私は声をあげなかった。
 私は労働組合員ではなかったからだ。

 ユダヤ人たちを連れて行ったとき、私は声をあげなかった。
 私はユダヤ人ではなかったからだ。

 そして、ナチスが私を攻撃したとき、私のために声をあげる者は誰一人残っていなかった」

上記はナチス時代のドイツの牧師で、ナチスの教会に対する国家管理への反対をしたことによってナチスに捕らえられ、1937年から1945年にザクセンハウゼン強制収容所とダッハウ強制収容所に収容されたマルティン・ニーメラーの言葉です。

上の言葉は、このような議論をする時に思い出させられる言葉です。

(*)マルティン・ニーメラー

マルティンはナチスに強制収容所に8年間収監された後、ホロコーストで殺される事を免れて生還しました。

その後、自分には関係がないと声をあげなかったことが、いかに愚かな事だったかと再三にわたりスピーチを行っており、その言葉の日本語訳が上記のものです。
この
スピーチは相当数にわたり行われており、内容は都度微妙な違いはありますが、ドイツ語で行われた際のスピーチの原文の一つ以下の通りです。

Als die Nazis die Kommunisten holten, habe ich geschwiegen, ich war ja kein Kommunist.

Als sie die Sozialdemokraten einsperrten, habe ich geschwiegen, ich war ja kein Sozialdemokrat.

Als sie die Gewerkschafter holten, habe ich geschwiegen, ich war ja kein Gewerkschafter.

Als sie mich holten, gab es keinen mehr, der protestieren konnte.

マルティン・ニーメラー(Wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%A1%E3%83%A9%E3%83%BC

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