PJA NEWS)2018年11月25日

タイの選挙予測調査結果、衝撃の首位入れ替わりに!

タイで来年2月24日に予定されている選挙を見据え、世論調査が行われた所、首相となってほしい人のトップが入れ替わる状況となった事が現地メディアで本日、大きく報道されています。

以下に、現地メディアのBangkok Postの記事をご紹介します。

Bangkok Post)Sudarat leads popular pick for PM says poll
Bangkok Post)次期首相にふさわしい人の世論調査で、首位はスダラット氏に
https://www.bangkokpost.com/news/politics/1582146/sudarat-leads-popular-pick-for-pm-says-poll

現地報道を元にお伝えします、報道されている概要は以下の通りです

来年の2月24日に予定されている選挙を見据え、選挙予測を行うための世論調査がNDA(the National Institute for Development Administration、タイ国立開発行政研究院)(*)により11月20~22日に行われました。

(*)NDAはNIDAと略される事もあります。このNIDAによる世論調査結果を、タイ現地メディアの英文記事では”NIDA Poll”と表記する事が多くあります。NIDAの同様の世論調査は、今年は3月、5月、9月に実施されており、今回の11月の世論調査は本年4回目の調査となります。)

今回の調査サンプル数は1,260で、18歳以上で選挙権を有する対象者を、さまざまな地域、学歴、職種から無作為抽出を行って調査をしました。

調査した結果、”首相にもっともなってほしい人”の結果は以下の通りであり、タクシン派の”プアタイ党”の女性有力政治家、Sudarat氏が首位になり、現軍政首相のプラユット首相は2位に低下しました。3位は軍政との対決姿勢を示す”新しい未来党”のThanathorn氏、4位には保守派で反タクシン派の”民主党”のAbhisit氏が続きます。

サンプル数:1,260、実査期間:2018年11月20~22日、調査主体:NIDA
1位 Sudarat氏(プアタイ党) 25.2% <タクシン派>

2位 Prayut氏(現首相、バランプラチャーラット党) 24.1% <軍政派>
3位 Thanathorn氏(新しい未来党) 14.5% <反軍政派>
4位 Abhisit氏(民主党) 11.7% <反タクシン派>
(5位以下は省略)

上記のように、現首相のPrayut氏を、プアタイ党のSudarat氏が抜いてトップと変わった事を大きく報じています。

プアタイ党 Sudarat氏

ちなみに、約2か月前の前回調査結果は以下のようなものでした。

サンプル数:1,251人、実査期間:2018年9月17~18日、調査主体:NIDA

1位 Prayut氏(現首相、バランプラチャーラット党) 29.7% <軍政派> 
2位 Sudarat氏(プアタイ党) 17.5% <タクシン派>
3位 Thanathorn氏(新しい未来党) 13.8% <反軍政派>
4位 Abhisit氏(民主党) 10.7% <反タクシン派>
(5位以下は省略)

 比べると、わずか2か月でプアタイ党の有力政治家のSudarat氏が約8%も一気に追い上げて首位となっているのがわかりますね。

 調査では、支持する政党についても尋ねており、その結果は以下の通りです。

支持政党 (数値は11月世論調査結果、カッコ内は前回の9月の調査結果)

1位 プアタイ党 31.8% (28.9%) <タクシン派>
2位 バランプラチャーラット党 19.9% (20.6%) <軍政派>
3位 民主党 17% (19.6%) <反タクシン派>
4位 新しい未来党 15.6% (15.5%) <反軍政派>
(5位以下は省略)

 支持政党では、もともとタクシン派のプアタイ党が高かったのが、さらに高まって2位との差を大きくしています。

 ちなみに、今回の世論調査では、来年2月24日に予定されている選挙が予定通り実施されると思うかについても尋ねており、結果、過半数の50.71%は延期されると思っている、48.81%は予定通り実施されると思っていると答えました。(0.48%は無回答、その他です)

 過去記事でも報じた通り、反軍政ラップなどがヒットする中で、タイ世論の状況はわずか2か月で大きく変動しています。

過去記事)
2018年10月31日
PJA NEWS)タイで政権批判のラップが大きな話題に(日本語字幕動画付き!)

2018年11月2日
PJA NEWS)プラユット政権、官製ラップをお披露目(動画付き)

 

 その中でも軍政は、一定の時期から上手く対応が出来るようになったところもあるものの、選挙を実施した場合はさらなる苦戦が予想される状況となり、軍政から見ると予断を許さない状況となっています。

 また、外人としての視点で見ると、このNIDA Pollの世論調査にしても、調査手法においてバイアスが大きくかかる問題がありますから、実際に自由に投票がされた場合、その結果は調査結果とは大きく異なる事も考えられます。

 タイ国内では依然としてタクシン派の支持が高い中、来年2月の選挙へどのように推移するか、国内、海外ともに注目が集まります。

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