総選挙の延期検討で学生らが反対集会
以下の2019年1月4日のPJA NEWSで、タイ副首相が選挙実施日程の遅延可能性を認めた事をお伝えしましたが、このニュースの続報です。
昨日の2019年1月6日、タイのバンコクで、総選挙の延期検討に抗議する学生らによるデモ行進がありました。
以下の通り、日本のNHKが伝えています。
(NHK)タイ 総選挙の延期検討で学生らが反対集会
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190107/k10011769271000.html
(以下、引用)
タイで、5年前のクーデター以降続く軍主導の暫定政権が、来月予定されていた総選挙の延期を検討していることに対し、学生などが首都バンコクで抗議集会を開き、選挙の延期反対を訴えました。
タイで5年前のクーデター以降続く軍主導の暫定政権は、民政復帰に向けた総選挙を来月行う考えを示していましたが、その後決まった王室行事に影響が出るとして、選挙の延期を検討しています。
これに反発する学生や市民グループのメンバー約200人が6日、バンコク中心部にある駅前に集まり抗議集会を開きました。
参加者は「2月に総選挙を」などと書かれたプラカードを掲げながら、選挙の延期反対を訴えるシュプレヒコールをあげ、駅前を行進しました。
21歳の男子学生は「軍は民政復帰を実行せずに権力を守ろうとしていると思うので、集会に参加した」と話していました。
暫定政権は、来月に総選挙を行うと、議会の招集が3年前に即位したワチラロンコン国王の戴冠式(たいかんしき)や関連行事の時期と重なるとして、1か月程度遅らせる必要があるとしていますが、これまでに何度も選挙を先延ばしにしてきただけに、反発が広がりそうです。
(ここまで引用)
この件は、昨日の2019年1月6日の夜に日本の朝日新聞DIGITALも伝えています。
朝日新聞DiGITAL)総選挙開かぬ軍政、時間稼ぎ? タイで市民らが反対デモ (2019年1月6日)
https://www.asahi.com/articles/ASM166GG1M16UHBI00S.html
朝日新聞DIGITALの報道内容も、NHKと近い趣旨で報じられています。
NHKの文章の最後は”これまでに何度も選挙を先延ばしにしてきただけに、反発が広がりそうです。”
朝日新聞DIGITALの文章の最後は”「軍政が総選挙の時期をあいまいにしたままにするなら、市民がどんどん抗議に加わるだろう」と話した。”
と、いずれも緊張感が良く伝わる表現となっていますね。
一方、タイ現地大手英字メディアのBangkok Postも昨日の2019年1月6日付けで、この抗議集会とデモについて以下の通り報じています。
Bangkok Post)Pro poll activists hold peaceful rally against election delays (2019年1月6日)
Bangkok Post)民主活動家たちが、選挙日程遅延に反対して平和的な集会を行う
https://www.bangkokpost.com/news/politics/1606330/pro-poll-activists-hold-peaceful-rally-against-election-delays
上記のBangkok Postのリンク先を見てもらうと、最初に出てくる写真も笑顔の若い女性が中心で、平和的な集まりだったという点が強調されていますね。
参加者は、上記の日本のNHKや朝日新聞DIGITALの報道では200人程度となっていましたが、Bangkok Postでは100人程度と書いてあり、人数の違いはありますが、書いてある事実はほぼ同趣旨です。
ただ、Bangkok Postは文章の中で緊張感を伝える表現は特になく、あえていえばタイ警察がスカイトレインの乗客の通行の邪魔にならないよう、デモ参加者をスカイウォークの片側に留めた事が書いてあるぐらいです。
このようにタイ現地メディアと日本メディアで、緊張感の伝え方が異なるのが印象的な、昨日のバンコクでの集会の報道となりました。
現在、タイ政府側は「選挙日程は選挙管理委員会の決定事項」としていますが、選挙管理委員会は「タイ政府が先に動いてくれなければ選挙日程は決められない」と、どちらが責任を持って決めるのかでボールの投げ合いとなっている様子が、2019年1月4日夕方のBangkok Postで報じられています。
Bangkok Post)EC refuses to set date unless government moves first (2019年1月4日)
Bangkok Post)タイ選挙管理委員会、タイ政府が先に動かなければ選挙日程決定を拒否
https://www.bangkokpost.com/news/politics/1605514/ec-to-government-your-move
上記報道では、タイ政府は選挙日程を「選挙管理委員会の決定事項」と言っている一方で、選挙管理委員会は「まずタイ政府が選挙関連の法令を出した後でなければ、選挙日程を決定することができない」としており、選挙管理委員会がタイ政府に「ボールを投げ返した」という趣旨で報じています。
このような様子を、日本の日経新聞は以下の記事で「再延期には世論の反発が避けられず、選管と軍政の意見のやり取りは責任の押しつけ合いの様相も呈している。」(以下記事から引用)と報じています。
日本経済新聞)タイ総選挙の再延期浮上、国王戴冠式を優先 (2019年1月4日)
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO39629640U9A100C1FF8000
このように、選挙日程の再延期が世論の反発を招きかねない中で、抗議する集会もあり、選挙日程がどうなるのかにも注目が集まります。
最後に、日経新聞では有料会員向けに、Bangkok Postの記事を一部日本語にして配信しています。
以下から見る事ができますので、こちらもご紹介します。
日経新聞)「タイ・バンコクポスト」のニュース一覧(2018年)
https://r.nikkei.com/columns/wappen_44K_44Kk44O744OQ44Oz44Kz44Kv44Od44K544OI
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