タイ総選挙)選挙管理委、新未来党タナトン党首に違法性を告発
3月24日に投票が行われたタイの総選挙に続報です。
PJA NEWS過去記事)新未来党への聴取に西側外交官多数、タイ外相が批判し国際問題化(動画付き) (2019年4月12日)
https://pattayaja.com/2019/04/12/%e6%96%b0%e6%9c%aa%e6%9d%a5%e5%85%9a%e3%81%b8%e3%81%ae%e8%81%b4%e5%8f%96%e3%81%ab%e8%a5%bf%e5%81%b4%e5%a4%96%e4%ba%a4%e5%ae%98%e5%a4%9a%e6%95%b0%e3%80%81%e3%82%bf%e3%82%a4%e5%a4%96%e7%9b%b8%e3%81%8c/
同投票で躍進したと考えられている新興政党「新しい未来党」のタナトン党首に対し、選挙管理委員会は昨日の2019年4月23日(火)、議員がメディアの株主など所有者となることを禁じる議員規則に違反したと、違法性を告発する声明を発表しました。
タイの大手英字メディアのBangkok Postが昨夜、次のように伝えています。
Bangkok Post)EC accuses Thanathorn of breaching MP rules (2019年4月23日)
Bangkok Post)選挙管理委、新未来党のタナトン党首が議員規則違反と告発
https://www.bangkokpost.com/news/politics/1665848/ec-accuses-thanathorn-of-breaching-mp-rules
報道によると、選挙管理委員会は昨日の声明で、新未来党のタナトン党首が”V-Luck Media Co.,Ltd.”というライフスタイル誌の出版社の株を67万5千株保有している事を指摘し、これはメディアの株主など所有者になる事を議員に禁じる議員規則に違反する違法行為であると告発しました。
タナトン党首側はこれに対し、立候補をした3月8日より前に、このメディアの株は母親に売却しており、議員規則違反には当たらないとしています。
(プアタイ党のスダラット氏(左下)と、新しい未来党のタナトン氏(右下)
写真:プアタイ党、連立発表の記者会見の折の写真)
タイ選挙管理委員会は、この告発について新しい未来党のタナトン党首に通知し、それから7日以内に、同党からの証拠の提出や証人の申請、及び説明を聞く機会が与えられる事を説明しました。
今後、新しい未来党のタナトン党首に議員規則違反が認められた場合は、タナトン党首の政治活動の禁止や、新しい未来党の解党などとなる可能性があります。これについて記者は質問しましたが、選挙管理委員会の副事務総長はコメントを拒否しました。
報道されている概要は、上記の通りです。
(バンコクの警察署に事情の説明に出頭したタナトン党首と、支持者
写真:タナトン党首のFacebook投稿写真より)
3月24日の投票で、特にタイの若い世代からクリーンな政治イメージで支持され、暫定結果で二大政党に次ぐ第三党に躍進したと考えられているタナトン党首の新興政党「新しい未来党」。
以下記事の通り現在、タナトン党首はタイ警察から召喚されるなどしていますが、それに加えて今回の選挙管理委員会による議員規則違反の告発により、解党や今後の議員活動禁止の可能性も報じられています。
PJAニュース)新未来党の党首、タイ警察から召喚状 (2019年4月4日)
https://pattayaja.com/2019/04/04/%e6%96%b0%e6%9c%aa%e6%9d%a5%e5%85%
PJAの事務局のあるチョンブリ県のパタヤ市でも、3月24日に合わせて投票が行われた市長選の暫定結果で、パタヤ市民は新市長に、これまでのクルンプーム一族の元市長ではなく、新しい未来党の候補を選んだ所です。
(パタヤ市役所 写真:PJAニュース)
このように、新しくクリーンな政治を求める層の支持を受けて躍進している、タイの新興政党「新しい未来党」。
新パタヤ市長も輩出する見込みのこの政党の今後に、注目が集まっています。
7月は在外投票での投票を!そのために大使館での登録を急いで!
(写真はイメージ)
(PJAニュース特集 選挙に行こう!2019)
日本では7月に重要な参議院選挙が予定されています。以下の過去記事の通り、これは衆参同日選となる可能性も指摘されている、日本の行く末を決めるための重要な選挙です。
タイなど海外に在住の日本人の方は、7月の選挙は在外投票などを利用して、是非投票をしてください。そのためには在外選挙人名簿への登録をバンコクの在タイ日本国大使館や、4月25日11時~14時のシラチャでの出張領事サービスなどで、急ぎで実施する事が必要です。
その方法は以下の過去記事の「在外投票はこんなに簡単!まずは早めに登録を」の通り、パスポートを持って申請書を記入して出せば、わずか5分ほどで完了する簡単なものです。(※在留届提出者の場合、詳細は以下記事をご覧ください。)
7月の選挙は、日本の今後を決定する非常に重要な選挙となります。
タイなど海外に在住する日本人も、7月の選挙に投票しましょう!
大衆は愚衆である。
だから、この愚かな大衆に意見を聞くよりは、偉大なる一人の賢人があらわれて、その独裁によって政治が行われることが、もっとも望ましい。かつての大昔、だれかがこんな考えを世に説いて、それが今日に至るも、なお一部には、達見として尊ばれているようである。
たしかに大衆には、こうした一面があったかもしれない。そしてこうした考えから、多くの誤った独裁政治、権力政治が生み出され、不幸な大衆をさらに不幸におとしいれてきた。
しかし、時代は日とともに進み、人もまた日とともに進歩する。今や大衆は、きわめて賢明であり、そしてまたきわめて公正でもある。
この事実の認識を誤る者は、民主主義の真意をふみはずし、民主政治の育成を阻害して、みずから墓穴を掘り進むことになるであろう。
くりかえしえて言うが、今日、大衆はきわめて賢明であり、またきわめて公正である。
したがって、これを信頼し、これに基盤を置いて、この大衆に最大の奉仕をするところに、民主政治の真の使命があり、民主主義の真の精神がひそんでいると思うのである。
国家繁栄への道も、ここから始まる。
松下幸之助(*)の「道をひらく」(PHP文庫、1968年5月1日初版刊行)に載っている言葉の一つです。
松下幸之助が1968年に書いた通り、大衆は本来、きわめて賢明で公正であり、それを前提としたのが戦後日本の民主主義の根幹です。
松下は「経営の神様」とまで言われた名経営者です。
松下は自身の経営哲学を説明した際にも、大衆は賢明、公正であり、正しい商品を選ぶという事を語っている記録がありますので(1952~59年頃の松下の発言をまとめた本「道行く人もみなお客様」など)、松下の信条として同様の話をいつもしていたものだと思います。
松下の取り組んだ商売の世界でも、大衆は確かに非常に賢明、公正に企業や商品を選ぶ購買行動をしているわけですから、この松下の言葉は、民主主義国家における選挙も同様に、日本の国民は賢明に投票し、民主主義が正しく機能できるはずだという信条を語ったものだと思います。
日本の民衆である有権者の一人一人は、公正な選挙で投票をしても「どうせ何も変わらない」と思うのではなく、国民が国のあるべき姿を考えて、自由な意思により7月の選挙にも投票し、国民のために政治を変える事が必要とされています。
(*)松下幸之助 現パナソニック社の創業者
Wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%BE%E4%B8%8B%E5%B9%B8%E4%B9%8B%E5%8A%A9
PJAニュース 特集:選挙に行こう2019 過去記事)
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