2019年7月14日 PJA NEWS)
プラユット内閣、最も求められる取り組みは「汚職問題」
2019年7月10日、タイの官報に国王陛下がプラユット内閣の新閣僚名簿を承認、任命された事が掲載されて、プラユット内閣が正式に発足しました。
このプラユット内閣に求める政策についてSuan Dusit Pollが世論調査を行った所、最も求められたのは「汚職問題」への取り組みでした。
本日の2019年7月14日朝のタイ大手英字メディアBangkok Postが、次のように報じています
Bangkok Post)Poll: Ending corruption should be cabinet priority (2019年7月14日)
Bangkok Post)世論調査結果:内閣は最優先で汚職問題に取り組むべき
https://www.bangkokpost.com/thailand/politics/1712368/majority-want-new-cabinet-to-tackle-corruption-suan-dusit-poll
報道によると、Suan Dusit Pollの世論調査は2019年7月10日~13日に、1,188人を対象にして実施され、プラユット新政権への取り組みに求められる事について調査しました。
調査の中で「政治的な課題」への取り組みについては、56.3%の最も多くの人が、汚職問題の防止への取り組みを求める回答をしました。
公共事業も含めて、使途不明な贈収賄が疑われる事案が多く発生している事などがコメントされています。
第二位以下を含めた結果は以下の通りです。
第一位 56.3% 汚職問題の防止
第二位 33.9% 特定人種などへの迫害の防止
第三位 25.9% 真の民主化の実現
第四位 17.1% 各省庁がきちんと成果を挙げるようにする取り組み
第五位 14.4% 独裁的な権力の使用の停止
次に、調査の中で「社会的な課題」についての取り組みについては、61.45%の最も多くの人が薬物、犯罪の防止でした。これにより、まず生命と財産の安全を確保する事が求められています。
社会的な課題についての第二位以下を含めた結果は以下の通りです。
第一位 61.45% 薬物、犯罪の防止
第二位 57.11% 生活の質の向上
第三位 22.69% 格差の是正
第四位 21.90% 法令順守の意識の向上
第五位 19.26% 環境問題
報道されている概要は、上記の通りです。
新政権を成立したプラユット首相
写真:タイ首相府
プラユット首相の新政権には、政治的課題として汚職問題への取り組みが最も求められています。
タイの現地の視点で見ても、タイでは汚職は蔓延しており、これによる問題は頻発しています。
日系企業もタイに進出していますが、以下の三菱日立パワーシステムズの事例のように、日本企業もタイの公務員に賄賂を支払ったことで、日本で元経営陣などが事件化された事件なども発生しています。
この事件は日本で初の司法取引の対象となって、大きな注目を集めています。
PJA NEWS)タイ贈賄事件、日本で初の司法取引公判が始まり、タイで反響!(2018年12月26日)
https://pattayaja.com/2018/12/26/pja-news%e3%82%bf%e3%82%a4%e8%b4%88%e8%b3%84%e4%ba%8b%e4%bb%b6%
実は以下の過去記事の通り、この日本での事件化のニュースが、タイでも大きな反響を呼んでいました。
このような日本という海外での事件化のニュースもあって、タイで蔓延する汚職問題の是正の取り組みが、タイ国内から特に求められるようになっているのだと感じます。
PJA NEWS)日本企業のタイ贈賄事件、タイでさらに反響が拡大!
https://pattayaja.com/2018/12/27/1723/
プラユット首相はこれまでも、NACC、PACCの設立などを行って汚職問題に取り組みをしてきました。
(NACC、PACCの組織については以下過去記事などをご覧下さい。)
PJA、タイPACC(公的腐敗防止センター)から御礼 (2019年5月11日)
https://pattayaja.com/2019/05/11/4391/
プラユット新政権が発足するにあたり、多くの日系企業にとっても、賄賂を支払えない日本企業が不利になることを防ぐためにも、プラユット新政権へのさらなる汚職問題への取り組みが求められます。
これは日本を含む海外企業がタイへ安心して投資を行うために、必要な取り組みとなっています。
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