2019年10月7日 PJA NEWS)

タイ)裁判官が法廷で司法浄化を訴え拳銃自殺!助かり懲戒委員会か?

先週金曜の2019年10月4日、タイのヤラー県の刑事裁判所で、Kanakorn Pianchana裁判官が、法廷内で自身のスマートホンの携帯電話で実況中継をし、裁判の判決内容への不当な圧力の存在やタイの司法の浄化を訴えて、その後に拳銃で自身を撃ち自殺した事件がありました。

パタヤ現地メディアのThe Pattaya Newsは、タイの公共放送であるPBSのニュースを引用して次のように伝えています。

The Pattaya News)Thai Judge shoots himself in court after allegedly being forced to change a verdict (2019年10月5日)
The Pattaya News)タイの裁判官が、判決への不当な圧力を告発した後に、法廷で拳銃自殺
https://thepattayanews.com/2019/10/05/thai-judge-shoots-himself-in-court-after-allegedly-being-forced-to-change-a-verdict/

(自殺未遂をしたKanakorn Pianchana裁判官
写真:The Pattaya News報道)

この法廷での裁判官による拳銃自殺未遂事件は、非常にセンセーショナルな事件として多く報道されています。

日本語版ニュースでも、AFP通信が昨日の2019年10月6日に以下の通り伝えています。

AFP)タイの裁判官、法廷内で自身に発砲 司法制度の浄化訴えた後 (2019年10月6日)
https://www.afpbb.com/articles/-/3248205

【10月6日 AFP】タイ南部ヤラ(Yala)の裁判所で4日、殺人事件の容疑者らに無罪判決を下した裁判官が、同国の司法制度を非難した後に自らの胸部を銃で撃つ事件があった。この裁判官が法廷内で行ったひたむきな演説は、フェイスブック(Facebook)上でライブ配信された。

 同国の裁判は、一般の人々が犯した軽犯罪に対しては即座に厳しい判決が言い渡される一方、金持ちや権力者に有利に働くことが多いとの非難がある。ただ、裁判官が司法制度を非難する事態はこれまでほとんど例がない。

 裁判官のカナーゴン・ピアンチャナ(Kanakorn Pianchana)氏は4日午後、同国の反政府武装勢力の中心地であるヤラにある裁判所で、銃による殺人事件をめぐりイスラム教徒の被告5人に対して判決を言い渡していた。

 カナーゴン氏は5人を無罪とする判断を下し、よりクリーンな司法制度を訴えた後、拳銃を取り出して自らの胸を撃った。

 同氏は発砲する前、自身の携帯電話を使ってフェイスブック上で映像をライブ配信しながら、「誰かを罰するには、明確かつ信用できる証拠が必要だ。だからもし確信がなければ、罰してはならない」と訴えた。

 さらに「この5人の被告が罪を犯していないとは言わない。犯したかもしれない」「だが裁判の過程では、明性と信頼性が必要だ。犯人ではない人々を罰すると、身代わりとして彼らに罪を着せてしまうことになる」と指摘した。

 フェイスブック上での配信はここで途切れたが、目撃者によると、カナーゴン氏はタイの前国王の肖像画の前で司法界における宣誓文を暗唱したという。

 司法省のスリヤン・ホンウィライ(Suriyan Hongvilai)報道官は5日、AFPに対して「カナーゴン氏が医師から治療を受け、危険な状態からは脱した」と述べ、「彼は『個人的なストレス』で自らを撃った。だがこのストレスの原因は分かっておらず、捜査が行われる予定だ」と説明した。

 被告らの弁護人はAFPに対し、カナーゴン氏は、検察が示した証拠では有罪とみなすのには不十分だと判断したと述べ、「現在5人はまだ勾留されているが、州検察が控訴するかどうか状況を見守っているところだ」と話した。(c)AFP

この事件についてタイの大手英字メディアのBangkok Postは本日の2019年10月7日の朝、拳銃自殺を図ったKanakorn Pianchana裁判官が、治療により助かった事を受けて、裁判官は司法調査委員会などに付される見込みである事を伝えています。

Bangkok Post)Gun judge faces flak (2019年10月7日)
Bangkok Post)拳銃自殺の判事、激しい批判に直面 (2019年10月7日)
https://www.bangkokpost.com/thailand/general/1766269/gun-judge-faces-flak

報道によると、本拳銃自殺事件は本日の2019年10月7日、タイの司法調査委員会に報告書が提出される予定です。

また司法省の報道官は、本事件でKanakorn Pianchana裁判官が懲戒委員会にかけられるのかという記者からの質問に対し「現在、検討するために情報を収集しています。」と答えており、懲戒委員会にも付される見込みが高まっています。

また、報道官は調査について、事実関係と、Kanakorn Pianchana裁判官の個人的な動機に注目し行われる事を語っています。

報道官はタイ深南部の治安関連の事件のうち、約半数は裁判所により棄却されている点を指摘し、その上で「司法は公平で、独立して機能している事を強調します。」と語りました。

タイのヤラー県の裁判所で発生した、タイの裁判での不当な介入と司法の浄化を訴える裁判官の拳銃自殺。

この事件は国際ニュースとしても大きなニュースとなって、国内外の注目を集める事件となっています。

 

※PJAニュースは、パタヤの有力メディアであるThe Pattaya Newsの公式パートナーとして日本語版を配信しています。

The Pattaya News(英語版)The Pattaya News(タイ語版)

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