2018年11月5日
PJA NEWS)タイの英語能力低下、東アジアのワースト3入り
今朝のバンコクポストが、タイの英語能力テストの結果、国際的な順位が低下して東アジアのワースト3入りした事を報じています。
以下のバンコクポストのニュースをお伝えします
Bangkok Post)Thai English proficiency drops (2018年11月5日)
バンコクポスト)タイの英語能力低下
https://www.bangkokpost.com/news/general/1570042/thai-english-proficiency-drops
報道概要は以下の通りです。
英語がネイティブではない国の88か国を対象とした英語能力検定試験の結果、タイは本年度に国際的なランキングが11ランク低下していたことがわかった。今年のランキングにおいて、タイは全88か国中64位だった。
ランキングの元となったテストは”EF Standard English Test”(EF SET)によるテスト結果。
EF SETはスイスに本拠があり世界的に支社のある英語学校などにより実施されている。
タイはEF SETにおいて本年度の得点は48.54であり、これは英語能力が低い国の分類に入る。
前年度の2017年度、タイの得点は49.7であり、80か国中53位だった。
タイの現在の順位は東アジアにおいて、カンボジア(85位)、ミャンマー(82位)に続くワースト3位となっている
というのが報道されている概要です。
このEF SETの元データなどは、以下に公開されています。
The world’s largest ranking of countries and regions by English skills
https://www.ef.co.th/epi/
タイの実情で考えると、確かに一般的にタイの英語能力は低いのを感じます。
タイでは学校教育で英語を教えているのですが、その内容は実際のコミュニケーション能力を高める事に重点をおいておらず、文法の正確さや暗記を中心とした内容となっており、まったく実務的ではない教育内容となっているのを感じます。
日本も、ひと昔前は同様の問題を英語教育で抱えていたので、日本人にはわかりやすい論点だと思います。
このような教育上の問題もあって、タイにおける英語のコミュニケーション能力の平均値は確かに高くありません。
特に外国人との接触の少ない地方などに行くと英語はほとんど通じません。
観光地で、カタコト英語が通じるかというぐらいなのが現地の実感です。
一方、バンコクのような都会のビジネスパーソンとする仕事の会話や、チョンブリ県のパタヤのような観光客や外国人居住者が多いエリアでは、英語の実践的なレベルは非常に上がります。
そのため、バンコクで仕事をしている折や、パタヤで生活をしている折は、そこまで英語能力の低さは感じないでしょう。
そのような実情を感じますが、この”ランキングを落とした”というニュースについて、別段これまでと比べてタイの英語能力がさらに低くなったかというと、現場では横ばいという印象です。
実際、上記のソースから得点を見ると、タイの昨年度の得点は49.7、今年の得点は48.54ですので、得点で言うとわずか1ポイント強のマイナスであり、横ばいと判断するべきものです。
つまり、このデータにおける”タイの今年の順位の低下”というのは、タイが下がったというよりも、タイが横ばいの中で、他の各国のレベルが上がっている、結果的に相対的な順位が低下していると解釈するのが、より実情にあった解釈だと感じます。
ちなみにアジア圏の各国・エリアの順位を見てみると、トップはシンガポールがトップで3位、ついで英語が公用語のフィリピンが14位と高い順位となっています。
インドは28位、香港(エリア)は30位、韓国は31位で、中程度のランクに入っています。
一方、中国が47位、台湾が48位、日本は49位と、英語能力が低いエリアに入っており、日本も順位が低い事がわかります。
この記事で言うと、教育の中身を見直し、海外との接触を増やして国際的な競争力の高い人間を育てるための取り組みが必要と感じさせられる記事ですね。
そしてこれは、日本も全く同様の問題を抱えている話だと思います。
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