プラユット首相「腐敗指数悪化は非民主主義の影響」
国際NGOによる調査結果において、タイの「腐敗認識指数」がやや悪化しました。
以下の共同通信グループのNNAが昨日、伝えています。
NNA AISA)【タイ】汚職指数、わずかに悪化で3ランク下落 (2019年1月31日)
https://this.kiji.is/463388653088474209?c=39546741839462401
(以下、引用)
世界の汚職を監視する非政府組織(NGO)トランスペアレンシー・インターナショナル(本部ベルリン)は29日、2018年版「腐敗認識指数(CPI)」を発表した。タイのCPIの順位は180カ国・地域中99位で、前年(180カ国・地域)の96位から下落した。
CPIは国際機関やシンクタンクのデータを基に腐敗認識度を100点満点で指数化したもので、数値が高くなるほど汚職が少ないと認識される。タイのCPIは36で、前年の37からわずかに悪化。世界平均の43を下回った。
総合順位では、デンマーク(指数88)が首位で、ニュージーランド(87)が2位。フィンランドとシンガポール、スウェーデン、スイスが指数85で3位だった。シンガポールは東南アジア諸国連合(ASEAN)で首位。日本の指数は73で前年と同じだったが、順位は2ランク上昇の18位だった。
(ここまで引用)
このニュースを受けて、タイのプラユット首相は、このランキングの低下は「非民主主義」のラベルによる影響で、タイのランキングが低下してしまったとする認識を語りました。
タイの大手英字メディアのBangkok Postが本日、伝えています。
Bangkok Post)’Undemocratic’ label caused drop in ranking, Prayut says
Bangkok Post)プラユット首相は「非民主主義」というラベルが、ランキング低下をもたらしたと語った
https://www.bangkokpost.com/news/politics/1621346/undemocratic-label-caused-drop-in-ranking-prayut-says
報道によると、プラユット首相は昨日の2019年1月31日木曜、ランキングの低下の事実を受けて、これは「非民主主義」というラベルが与えた影響だと認識を語り、その上で、結果は受け入れなければいけないと語りました。
記者の一人が「プラウィット副首相の腕時計問題の影響があるのでは?」と質問した所、プラユット首相は「それは些細な問題にすぎない」とし影響を否定しました。
上記が報道されている概要で、報道はその後、プラウィット副首相の腕時計問題の解説等を加えています。
(参考:プラウィット副首相の腕時計問題についてのPJAニュース過去記事)
PJAニュース過去記事)NACC、プラウィット副首相の腕時計問題は違法性無しと判断!タイ世論から批判(2018年12月28日)
https://pattayaja.com/2018/12/28/pja-news-nacc%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%83%E3%83%88%E5%89%AF%E9%A6%96%E7%9B%B8%E3%81%AE%E8%85%95%E6%99%82%E8%A8%88%E5%95%8F%E9%A1%8C/
軍政の成立の頃、タイの腐敗や汚職の問題の改善の期待が軍政に対してあり、タイ国内でも一定の層からの支持がありました。
しかしながら、まさに昨日に記者からプラユット首相が質問された、プラウィット副首相の腕時計問題などの象徴的な問題があったことで、その期待は失われつつあるのがわかります。
このようなニュースや世論が、タイの選挙に影響を与えるかが注目されます。
「民主主義とは、腐敗した少数派の任命に対して、無能な多数派の選挙で置き換えたものである。」
「革命主義者の為の格言」より ジョージ・バーナード・ショー(1856年7月26日 – 1950年11月2日)(*)
このジョージ・バーナード・ショーの言葉の通り、民主主義がなければ、少数派による政治は監視も批判も不十分となり、常に腐敗をしてしまうという原則があるのです。
これは国でも会社でも、組織というのもはすべからく同じです。
だからこそ、組織作りの基本はつねに「いかに常に外部に厳しく監視され続け、厳しい批判にさらされ続けるように組織を作り、腐敗を防ぐか」が発想の根本となるのです。
勿論、国民が集合して作る国において、その国の判断をする権限があるのは、国民でなければならないという前提もあるのが民主主義の根幹だと思います。
その民主主義にタイがいよいよ復帰し、来月には選挙も実施される見込みです。この動きに、世界的な注目が集まっています。
(*)ジョージ・バーナード・ショー
アイルランドの19世紀末から20世紀半ばの文学者、劇作家、政治家、教育家。特に文学者、教育家としての面が有名なジョージですが、政治家としての面もありました。
ジョージは、貧困層の労働者をあまりにも搾取する当時のイギリスの行き過ぎた資本主義や、退廃的な貴族趣味を非常に嫌いました。
そして男女平等、土地改革、労働者保護などの社会改革や菜食主義に代表される健康的な食生活を信念として生活し、主義としては自由主義や民主主義を基本的に肯定していましたが、一方で、その欠点である衆愚政治や退廃も批判していました。
一方で、当時のイタリアのムッソリーニのファシズムやソ連型社会主義など独裁制や全体主義に理解を示す発言を行う場合もあり、多様な面を持っていた人物です。
(Wikipedia)ジョージ・バーナード・ショー
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%BB%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%BC
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