2019年2月7日 PJA NEWS)

バーレーン選手拘束、豪首相が解放要求。拘留は8月まで延長

バーレーン出身の難民のサッカー選手がタイで拘束されている事件について、続報です。

PJA NEWS過去記事)タイで拘束中のバーレーン選手「送還しないで」と訴え (2019年2月5日)
https://pattayaja.com/2019/02/05/%e3%82%bf%e3%82%a4%e3%81%a7%e6%8b%98%e6%9d%9f%e4%b8%ad%e3%81%ae%e3%83%90%e3%83%bc%e3%83%ac%e3%83%bc%e3%83%b3%e9%81%b8%e6%89%8b/

PJA NEWS過去記事)タイ、豪のバーレーン難民開放要求を拒絶(2019年2月5日)
https://pattayaja.com/2019/02/05/%e3%82%bf%e3%82%a4%e3%80%81%e3%82%aa%e3%83%bc%e3%82%b9%e3%83%88%e3%83%a9%e3%83%aa%e3%82%a2%e6%94%bf%e5%ba%9c%e3%81%ae%e3%83%90%e3%83%bc%e3%83%ac%e3%83%bc%e3%83%b3%e9%9b%a3%e6%b0%91%e9%96%8b%e6%94%be/

上記の前回記事の通り2月5日に、同選手の開放を求めるオーストラリア政府外相に対して、タイ政府は要求を拒絶し拘束を続けています。

これに対しオーストラリア政府のスコット・モリソン首相がタイ政府に対し、改めて同選手の即時開放を求めています。タイ現地大手英字メディアのNationが今日、伝えています。

Nation)Australia ramps pressure to free Bahraini footballer (2019年2月7日)
Nation)豪政府、バーレーンのサッカー選手の開放を求め圧力を強める
http://www.nationmultimedia.com/detail/national/30363682

報道によると、オーストラリアのスコット・モリソン首相はタイ政府に、同選手の開放を求めて書面を出しました。

豪スコット・モリソン首相と日本の安倍首相の日豪首脳会談の折の写真
(写真:<日本>内閣広報室)

同選手は今月4日の裁判に現れた際に、足に足枷のようなものをつけられて拘束されている姿が世界的に報道されており、この様子が国際社会からの大きな反響を呼んでいます。この拘束について、豪首相は書面で次のように述べています。

「私は先日の裁判で、同選手の状況に非常に不安を感じています。」

「同選手は現在、タイで拘束されていますが、それに対し本人は非常に動揺しています。また、この拘束は多くのオーストラリア人をも動揺させています。私はオーストラリアの人々がこれについて、とても強く、非常に強く感じていることをタイ首相に丁寧にご説明いたします。」

一方タイ外務省は本件について、元々は同選手逮捕前に、オーストラリアのインターポールが同選手について赤手配書(*)での国際手配をタイへ通知し、それに続いてバーレーン政府からの同選手の身柄拘束と引き渡し要請がなければ、タイ政府は身柄拘束などせず、この問題に巻き込まれていなかったとしています。

その上で、タイ政府としては同選手を拘束しても何も得られるものはないものの、タイ政府の法的な義務と国際社会へのコミットメントを考えて、法に従って適切な対応をするしかない状況にある事を説明し、タイを経由した間接的な解決策を模索するのではなく、オーストラリア政府とバーレーン政府で直接議論をし直接的な解決策を模索することを提案するとしています。

(*)赤手配書
ICPOでの国際手配書には次の9種類があり、赤手配書はそのうちの一つで、国際逮捕手配書のこと

赤手配書(国際逮捕手配書)
青手配書(国際情報照会手配書)
緑手配書(国際防犯手配書)
黄手配書(国際行方不明者手配書)
黒手配書(国際身元不明死体手配書)
オレンジ手配書(武器等警告手配書)
紫手配書(国際特殊手口手配書)
ICPO国際連合特別手配書
盗難美術品手配書

一方で、タイでの本選手の拘束について、今年の8月まで拘留が続くことが見込まれる事が発表されました。

タイ現地大手英字メディアのBangkok Postが本日伝えています。

Bangkok Post)Araibi in jail until August (2019年2月7日)
Bangkok Post)アライビ選手、8月まで拘留
https://www.bangkokpost.com/news/general/1624738/araibi-in-jail-until-august

報道によるとタイ検事総長の代理スポークスマンは昨日、同選手について裁判所がバーレーンからの引き渡し要求に対しての対応を決定する間の期間として、8月まで拘留が続く見込みを説明しました。

タイ政府は昨年の2018年12月3日に、バーレーン政府から外務省を通じて同選手の身柄引き渡し要求を受けており、裁判所では現在、それに対する審理が行われています。次回は2019年4月下旬に審理を予定しており、その後は判決を下すために2〜3ヶ月が必要になることが見込まれていることから、2019年8月頃までタイで拘留が続くものと見込まれている事を語りました。

上記が、報道されている概要です。

依然として拘留が続くバーレーン選手の身柄拘束問題。

先日のサウジ女性の事件では即座にカナダへの難民が受け入れられているのに比べると、大きな違いを世界的に印象づける状況となっています。

一方で以下の既報の通り、これらの事案で示されているオーストラリア政府の難民保護の見事な対応は、国際的な評価を大きく押し上げています。

PJA NEWS過去記事)タイで拘束中のバーレーン選手「送還しないで」と訴え (2019年2月5日)
https://pattayaja.com/2019/02/05/%e3%82%bf%e3%82%a4%e3%81%a7%e6%8b%98%e6%9d%9f%e4%b8%ad%e3%81%ae%e3%83%90%e3%83%bc%e3%83%ac%e3%83%bc%e3%83%b3%e9%81%b8%e6%89%8b/

本ニュースについてはPJA NEWSでも引き続き、続報の予定です。

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