タイ憲法裁、選挙管理委の審議要請について本日聴取
3月24日に投票が行われたタイ総選挙で、下院500議席のうち150議席の選挙リスト方式(日本の比例代表制に近い制度です)を割り振る計算方法について、タイ選挙管理委員会が憲法裁判所へ審議を求めたニュースについて続報です。
タイ大手英字メディアのBangkok Postが今朝、次のように伝えています。
Bangkok Post)List seat saga ‘may drag on’ (2019年4月17日)
Bangkok Post)選挙リスト方式の混乱は「長引くかもしれない」
https://www.bangkokpost.com/news/politics/1662544/list-seat-saga-may-drag-on
報道によると、本日の2019年4月17日水曜にタイの憲法裁判所は、3月24日に投票が行われたタイ総選挙の選挙リスト方式における議席の配分方法について、審議を求めたタイ選挙管理委員会と面談し、要望内容を聴取の予定です。
この後にタイ憲法裁判所がどのような判断をするかはわかりませんが、憲法裁判所としては審議を行わない可能性も指摘されています。
タイの選挙管理員会で2006年から2013年に委員を務めたSomchai氏は、過去に似たケースで憲法裁判所が審議を棄却した例を挙げた上で、本件についても選挙管理委員会の決定すべき事項だとして、憲法裁判所は審議や決定をする事を棄却する可能性があるとコメントしています。
タイの検察官の高官がFacebookに記載した見解でも、憲法裁判所は本件で審議を棄却する可能性が指摘されています。
指摘の中で、そのようになる可能性には二つの可能性が考えられることを伝えています。
一つは、そもそも選挙管理委員会がどのように議席を割り振る計算方式を採用するのか、その公式な決定をしていない以上、そもそも憲法裁判所が審議をするべき紛争が生じていないと判断される可能性です。
もう一つは、選挙管理委員会がどのように議席を割り振る計算方式を採用するのかを決定する権限を有している以上、憲法裁判所は判断をするべきでないと判断される可能性です。
報道されている概要は上記の通りです。
(2019年3月24日 タイ総選挙での投票の様子
写真:タイ選挙管理委員会)
上記の今朝のBangkok Postも、記事のタイトルに”Saga”という単語を使うあたりに、なんだかBangkok Postらしさが感じられる英文記事です。
記事で報道されている通り、タイ憲法裁判所では本日、タイ選挙管理委員会との面談と聴取が予定されていますが、その後憲法裁判所が審議をするのかどうかも含めて、どのように推移するのかは不明であり、Bangkok Postの記事のタイトルにあるように「長引く可能性」もあります。
一方で、以下の過去記事の通り挙国一致内閣案なども話題となっている現状にありますから、タイの政局が今後どのように推移するのか、注目が集まります。
PJA NEWS過去記事)タイ総選挙)挙国一致内閣案、賛否両論に (2019年4月16日)
https://pattayaja.com/2019/04/16/%e3%82%bf%e3%82%a4%e7%b7%8f%e9%81%b8%e6%8c%99%e6%8c%99%e5%9b%bd%e4%b8%80%e8%87%b4%e5%86%85%e9%96%a3%e6%a1%88%e3%80%81%e8%b3%9b%e5%90%a6%e4%b8%a1%e8%ab%96%e3%81%ab/
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