タイ経済が成長鈍化、成長率3.5%も下回る見込み
以下の、タイの経済成長が米中貿易戦争の影響や、政治停滞などのために鈍化しているニュースに続報です。
PJAニュース)タイ経済減速、EECを中国の一帯一路政策へ(2019年5月16日)
https://pattayaja.com/2019/05/16/%e3%82%bf%e3%82%a4%e7%b5%8c%e6%b8%88%e6%b8%9b%e9%80%9f%e3%80%81%e4%b8%ad%e5%9b%bd%e4%b8%80%e5%b8%af%e4%b8%80%e8%b7%af%e3%82%92eec%e3%81%a8%e9%80%a3%e5%8b%95%e3%81%b8/
タイのソムキット副首相は、前回記事の通りの事情からタイの経済成長目標は3.5%に下方修正されたばかりですが、このままだと今年のタイ経済のGDP成長率見込みは、修正された目標値の3.5%をも下回る見込みであること語りました。
タイの大手英字メディアのBangkokPostが本日の2019年5月20日の朝に、次のように伝えています。
BangkokPost)Somkid: Growth likely below 3.5% target (2019年5月20日)
BangkokPost)ソムキット副首相、経済成長率は3.5%の目標値も下回る見込みに
https://www.bangkokpost.com/business/news/1680748/somkid-growth-likely-below-3-5-target
(タイのソムキット副首相
写真は2019年1月31日大阪でのセミナーで撮影
写真:PJAニュース)
報道によると、米中貿易戦争の影響と、タイの国内消費の低迷により、今年のタイ経済の成長は修正された目標値の3.5%も下回る可能性が高くなりました。3月24日に投票が行われたタイの総選挙で、選挙期間中の投資の低迷も同様に影響していると考えられる事をソムキット副首相が語っています。
NESDC(タイ国家経済社会開発評議会)は明日の2019年5月21日に、2019年第一四半期の経済指標を発表する予定です。
NESDCは2019年のタイの経済成長率を3.5~4.5%のレンジで予想しています。
ソムキット副首相は、新政権の成立と移行を民間の投資家は待っている事、タイ政府としては残る数か月の間、EECプロジェクトを中心にインフラ投資を進めて行く事を約束する事を語っています。
その上で、米中貿易戦争については経済的対立ではなく、もはや政治的対立に至っているという認識を示したものの、タイのファンダメンタルズは堅調であり、外貨準備高は高く、公的債務もGDP比において低いレベルに抑えられている事を語り、新政権はより大きな経済刺激策が必要となるかもしれないと語りました。
尚、タイの公的債務は2018年度にGDP比で41.9%であり、財政上の基準値である55%を下回る低い水準にあります。
報道されている概要は、上記の通りです。
(写真はイメージです)
日本人の視点で見ると、日本の公的債務のGDP比は2017年度で236.4%(*)と主要国で世界1位ですから、タイの41.9%は約6分の1と、大分と小さく見えますね。
(*)出典:IMF “World Economic Outlook Database”(2018年4月)
ちなみに、同上記出典の2017年度の数字で見ると、2位はイタリアの131.3%、3位は米国の107.8%です。
タイは経済成長の途上にあり、生産人口の割合も大きく、公的債務のGDP比は低い状況ではあるものの、輸出が低下している中で経済成長は鈍化を見せています。
新政権は間もなく発表され確定する見込みですが、米中貿易戦争の影響などは避けられないため、経済担当としては難しいかじ取りが求められそうです。
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