2019年7月26日 PJA NEWS)

日韓問題)31日から韓国外相がタイ訪問、日本の不当性を主張へ

日本政府が、韓国への半導体材料の輸出管理において、ホワイト国から除外をすると発表した事で、韓国側が反発しているニュースに続報です。

前回記事)FNNスクープ!韓国から戦略物資密輸出4年で156件、国際世論に影響か(動画付き) (2019年7月10日)
https://pattayaja.com/2019/07/10/5541/

韓国政府は韓国メディアとともに、FNNのスクープの内容について反論をしてきました。

その概要は「(FNNでスクープされた)摘発の事実は、韓国政府として毎年報告し公開されているもので、これも公開され報道もされていた。韓国側が公開していなかった事実はない。これは韓国政府がきちんと取り締まりをし、摘発していた証拠だ」という趣旨の反論で、その上で韓国メディアなどは、日本から密輸出された事件もあったのだからという理由で、日本が密輸出の主体だとする主張まで出されるなどしていました。

これらの主張のうち、156件の密輸出を摘発した事実が公開されていたという事は、2019年5月17日の朝鮮日報などでも報道している記録が確認できることから、これは公開されていたと言えるでしょう。

しかしながら、この公開には問題点があります。韓国の摘発を行う当局の密輸出者への罰則はあまりにも生ぬるく、このような密輸出を行った企業、個人名も公開されておらず、さらに密輸出の最終的な輸出先がどこかも公開されてもいないのです。

そのため日本から見ると、戦略物資の密輸出が156件も摘発されているのに、誰が密輸出で摘発された業者なのかもわからず、どこに密輸出で向かっていたのかもわからない状況になってしまっているのです。この点については韓国政府やメディア側の反論を見ても、反論もありません。

それを考えれれば、日本政府の目線で見ると、この状況で戦略物資輸出の「ホワイト国」として優遇する事など出来るわけもありません。

前回記事の通り、2019年7月9日に韓国政府はジュネーブで開かれたWTOの理事会で、日本政府による半導体材料の対韓輸出規制を強く批判、この撤回を求めました。韓国政府はWTOへの提訴も検討するとして、日本政府に協議に応じるよう要求していますが、日本政府は「WTOのルール上、全く問題ない」と反論し、協議にも応じない方針で対応しています。

そして今週の2019年7月24日、ジュネーブで開かれたWTOの一般理事会でも、韓国政府は同問題を提起し、国際世論に訴えていきました。

これについてはロイター通信が次のように報じています。

ロイター<日本語版>)日韓がWTOで応酬、対韓輸出規制強化巡り (2019年7月25日)
https://jp.reuters.com/article/southkorea-japan-laborers-wto-idJPKCN1UJ2JN

日本と韓国は24日に開かれた世界貿易機関(WTO)の一般理事会で、半導体材料の対韓輸出規制についてそれぞれの立場を主張した。韓国は日本の動きをけん制するため、他の国・地域に理解を訴えた。

(中略)

韓国は国際社会を動員して日本の動きをけん制するために一般理事会にこの問題を持ち込んだが、会議では第三国による発言はなかった。日韓以外の複数国の代表はロイターに、複雑な歴史が絡む2国の対立に巻き込まれたくはないと述べた。

これについて、日本メディアでは上記のロイター同様に、韓国は第三国による支持など得られていなかった点を伝えており、加えてWTOで議論するべきテーマかどうか疑問であるという声が上がった点などを伝えていますが、韓国メディアなどには、韓国に国際世論の支持が得られたかのような表現がされているものがありました。

これについて、日本の世耕経済産業相大臣(参議院議員)が昨日の2019年7月25日にツイッターで、次のようにコメントをしています。

上記のような状況から、韓国政府側は日本政府への批判について、WTOで国際世論の支持を得る事は出来ずにいます。

これを受けて韓国外務省は昨日の2019年7月25日、31日から韓国の康京和外相がタイのバンコクを訪問し、東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の一連の外相会議に出席して、日本政府による半導体材料の輸出管理強化について参加各国に「不当性」を訴える方針である事を発表しました。

韓国の聯合ニュースが報じており、この報道によると、韓国外務省の尹淳九外務次官補は韓国メディアに「自由で公正な貿易環境の重要性を強調し、日本の不当な輸出制限措置の速やかな撤回をさまざまな機会に求める予定だ」とコメントをしています。

(※このコメントの日本語訳は、時事通信社の以下の記事の訳を引用しています。
時事ドットコム)韓国外相、31日からタイ訪問=日本の「不当性」主張へ (2019年7月25日)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019072501186)

このようにして、日本と韓国の輸出管理の問題が、いよいよタイを含めた各国の国際世論の場に持ち込まれてきました。
タイも含めて、この日韓の問題は国際世論の注目を集めつつあり、国際世論における報道戦となっています。

筆者もファクトとしては十分に日本側に分があると思いますが、現状で一点気になるのは、この輸出管理の問題を、徴用工問題とは一切関係ないという点は、世論においては弱い点となるかもしれません。

もちろん、これはWTOとの関係から政府は認めるわけにはいかないわけですが、国際世論で傍から見ると、関係がないわけがないだろうと思われやすいポイントなんで、日本の主張の信憑性を低下させてしまいかねません。

この点は、江田憲司衆議院議員も昨日の2019年7月26日、Facebook上で次のようにコメントして指摘しています。

日本政府としては、この問題についての事実(ファクト)を冷静かつ客観的に、日本国内だけでなく、国際世論を考えて海外に向けて大きく発信していき、日本の正当性をきちんと説明していく事が必要となっています。

PJAではこれまで、以下の過去記事の通り、日本が国際世論において誤解されてしまう事を防ぎたい趣旨で、徴用工問題などについても記事を掲載してきました。

微力ながらPJAニュースとしても、日本が国際世論の報道戦により誤解されず、日本側の対応が適切であるという正当性を説明するために、英字メディアや海外メディアを含めて情報を発信していく予定です。

PJAニュース参考過去記事)

誤解が広がる日本(1)タイ現地メディア、韓国側主張のみを垂れ流す (2019年2月17日)
https://pattayaja.com/2019/02/17/2824/

誤解が広がる日本(2) 韓国の”徴用工問題”、ねつ造の写真や像が世界中に拡散 (2019年4月7日)
https://pattayaja.com/2019/04/07/3822/

 

補記)上記で引用した世耕大臣(参議院議員)のツイッターは、以下で見る事が出来ます。
https://twitter.com/SekoHiroshige

補記)上記で引用した江田憲司衆議院議員のFacebookは、以下で見る事が出来ます。
https://www.facebook.com/%E6%B1%9F%E7%94%B0%E6%86%B2%E5%8F%B8-kenji-Eda-367279410055663/

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