2019年9月6日 PJA NEWS)
米海軍、対中国の新型ミサイル艦をインド太平洋方面へ配備
2019年9月3日(現地時間)、米海軍は新型ミサイル艦Gabrielle Giffordsを配備し、対中国海軍向けにインド太平洋方面へ配置する事を発表しました。アメリカのDefence Newsが本日の2019年9月6日の朝(タイ時間)に伝えています。
Defence News)The U.S. Navy just deployed its new ship-killer missile to China’s backyard
https://www.defensenews.com/naval/2019/09/06/the-us-navy-just-deployed-its-new-ship-killer-missile-to-chinas-backyard/
配備された新型艦のGabrielle Giffords
<インディペンデンス級沿海域戦闘艦>
(写真:米海軍MC3 Abby Rader)
この記事を報じているDefence Newsは、特に米軍関係者の方はほとんどの人が読まれているメディアです。
今週配備された新型艦は、アメリカ海軍のLCS(Littoral combat ship、沿海域戦闘艦)として今年2番目に配備される艦で、米海軍の期待も大きい艦です。1番目の姉妹艦のLCSはMontgomeryで、同艦も既にインド太平洋方面のタイ湾に配備されており、東南アジアでも影響範囲の拡大を狙う中国海軍を牽制しています。
以下は、同じDefence Newsに掲載されている姉妹艦のMontgomeryの映像です。
https://www.defensenews.com/naval/2019/07/01/littoral-combat-ship-montgomery-deploys-to-the-pacific/
(2019年9月3日 タイ湾で活動する米海軍のLCSのMontgomeryにて
写真は米海軍、撮影はAlexandra Seeley広報専門上等兵 Navy.mil)
今週配備されたLCSの新型艦であるGabrielle Giffordsは、100海里以上を航行可能な航続距離を持っており、中国の艦船を攻撃するための新型対艦ミサイル「Naval Strike」ミサイルを、米軍で初めて搭載したLCSです。
この新型ミサイル「Naval Strike」は昨年の10月に発表された、タイ中国海軍の制圧に向けて開発された新型ミサイルで、今年の中旬には対象海域に配備する見込みと報じられていたミサイルです。
※Naval Strikeミサイルについて
https://www.defensenews.com/digital-show-dailies/euronaval/2018/10/24/the-us-navys-new-ship-killer-missile-slated-to-make-its-fleet-debut-much-sooner-than-expected/
新型艦のGabrielle Giffordsに配備されたNaval Strikeミサイル
(写真:米海軍)
今年2番目のLCSの新型艦となるGabrielle Giffordsも、一番艦のMontgomeryと同様に対中国の牽制のためにインド太平洋方面へ配備されます。
新型艦は100海里以上を航行可能な航続距離を持ち、コンピューター制御で自動で敵を判別して攻撃する能力を有しています。新型艦について米海軍ではインド太平洋方面へ配備と発表されています。
報道されている概要は上記の通りです。
この新型ミサイルを初めて搭載したLCS2番艦も、インド太平洋の中でもタイ湾など、中国海軍の牽制のための海域に配備される見込みが高まっています。米国の国防総省や海軍などにおいては、中国海軍の脅威にいかに敏感に対応をしているかがわかります。
極東のアジアの動きとしては、日本でも多く報じられている韓国政府による日本とのGSOMIAの破棄が深刻な影響を引き起こしており、韓国が米国を中心とする国防の枠組みから外れかねない状況となっています。
そこで米国海軍としては、中国海軍へのけん制のために東南アジアなど、特にインド太平洋に新型艦を配備しています。
今後は、韓国政府がGSOMIA破棄も含めて米国との関係を悪化させ、中国やロシア、北朝鮮と近くなってくると、米国の国防においては特に、オーストラリアやインドの重要性が高まる事が考えられますから、次は別の動きがあるかもしれませんね。
日本では、このような米国を中心とする国防や安全保障の為の取り組みはあまり報じられませんが、日本経済においても生命線と言えるインド太平洋では、牽制により戦争を起こさないための安全保障の取り組みが続いているのです。
PJA NEWSでは、出来るだけこのような取り組みも報じていきたいと考えています。
※本記事は、米国海軍協会(サイアム)に御協力をいただいて執筆しています。取材等の御協力の御礼を申し上げます。
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