2019年12月18日 PJA NEWS)
タイ)日テレ「24時間テレビ」、震災慰霊のコムローイでやらせ疑惑!Tablo報道
本日の2019年12月18日の朝、日本の新メディアのタブロ(Tablo、編集長:久田将義)が、日本の民放キー局である日本テレビが看板番組の「24時間テレビ」のタイでの撮影・放送分で、タイのチェンマイ郊外のN町で日本の東日本大震災の慰霊のためにボランティアであげられたかのように放送された感動の話が、実際には全員に金銭を提供して人々を集めて、あげてもらって撮影しただけの、やらせというべき実態の疑いがある事を報じました。
Tablo)【特報第一弾】日テレ24時間テレビに重大なヤラセ疑惑 タイで行った“東日本大震災の死者を弔う祭り”は金を払って人々を集めたデッチ上げだった!
P1) https://tablo.jp/archives/17116
P2) https://tablo.jp/archives/17116/2
P3) https://tablo.jp/archives/17116/3
P4) https://tablo.jp/archives/17116/4
P5) https://tablo.jp/archives/17116/5
P6) https://tablo.jp/archives/17116/6
(日テレ「24時間テレビ」で放送された街並みと、実際の現地
写真:Tablo報道)
タブロ(Tablo)は高名な編集長の久田将義さんが立ち上げた新しいニュース媒体ですが、配信されるニュースは日本の各ニュースサイトは勿論、掲載されるのが難しいLineニュースなどでも配信されており、タブロ本体も既に月間で1500万PVを超える勢いのメディアです。
PVで言うと、日本トップクラスの週刊文春の運営する文春オンラインで、先月の11月の月間PVが3億2166万PVでした。(数字は週刊文春による)。このように文春オンラインと比べるとまだまだ新興メディアではあるものの、一般的な新興メディアは月間100万PVを超えるのも難しいのがほとんどの中で、もう1500万PVを超えているのですから、相当な勢いで成長しているタブロイド・メディアです。
そのタブロが、タイのチェンマイ現地も取材しし、日テレの24時間テレビの実態を次のように報じています。
日本が世界からもらった力?
2011年3月11日、日本では未曾有の大災害が起きた。言うまでもなく、「東日本大震災」である。1900年以降、マグニチュード9.0に達する地震は世界で4回しか起きておらず、誰もその被害の大きさを予想できなかった。死者は15,511名、建物被害は全壊・半壊・一部損壊を合計して620,802戸というとてつもない数に上っている(文部科学省発表)。あの、真っ黒い津波が港へ押し寄せてくる映像は日本人だけでなく世界中が忘れられないだろう。
その年の8月、日本テレビのチャリティー番組『24時間テレビ』は、東日本大震災で亡くなった方々の冥福を祈るため「あの日、日本が世界からもらった力」と題して、女優・黒木瞳が日本への支援を表明した国を訪ねる海外リポートを“番組内ドキュメンタリー”として放映した。
(中略)
2011年8月、24時間テレビが番組内ドキュメンタリーとして放映した黒木瞳の海外リポート企画「あの日、日本が世界からもらった力」は、タイ北部のチェンマイ県「N」町へ行き、同国の伝統行事である燈籠飛ばし(コムローイ上げ)を敢行し、東日本大震災で亡くなった人々を弔うという一大イベントをぶち上げた。
黒木瞳が町へ到着すると、既に日本のためのボランティアとして、工場のようなところでコムローイを製作してくれている大勢の女性たちがいた。巨大なコムローイを、油を染み込ませたトイレットペーパーを熱源に空へ飛ばすことを知り驚く黒木。女性たちだけでは作業が追いつかないので、小学校の生徒がボランティアとして総出でコムローイ作ってくれていることに感動する黒木。児童たちは疲れた顔をして皆が黙々と作業をしていた。「この時、みんな日本に思いを馳せてくれていた」と黒木は言う。そしてなぜか、「打ち上げは今夜」とナレーションが入る。ギリギリまで数が足りていないのに、黒木瞳が訪れたのも打ち上げギリギリだったようだ。しかも、季節は雨季。直前まで雨が激しく降り、会場となった町の運動場はドロドロに荒れていたのである。
「晴れてます! 星が出てます!」
午後8時、会場入りした黒木は偶然雨が上がったことを「瞳パワーもあって…」と喜んでいた。そしてそこには約4000人の地元の人々が集まったという。人々は言われるままにコムローイを飛ばす準備を始め、トイレットペーパーに火を灯していく。それは「日本の復興を願う希望の光」だとテロップが出る。黒木瞳がマイクで叫ぶ。「ヌーン(1)、ソーン(2)、サーム(3)!」。いっせいに夜空へ舞い上がるコムローイは圧巻、さすがタイの伝統行事である。8000個の燈籠飛ばしなど日本では実現不可能だろう。温かみのある炎がゆらゆらと闇夜を漂う光景は、ただただ美しいとしか言いようがなかった。ワイプに映るベッキーや関ジャニ∞の面々の目にも光り輝くものが見えた。「祈りを込めて飛ばしてくださって、きっとこの想いは日本に伝わると思います」。黒木瞳は夜空を見上げながらそう言ったのだった――。
このように放送された、日本テレビの「24時間テレビ」のタイ・チェンマイのコムローイ。
ところが、このコムローイをあげた事について、実際にコムローイをあげた現地の人は、次のように取材に答えているとタブロは伝えています。
「コムローイ? ああ8年か9年前に日本のテレビ局がここへ来て、たくさん上げていったよ。津波で亡くなった人を弔うだって……? いいや、そんなんじゃないね。確か、新しいコムローイ製品のプロモーションか何かでたくさんの人がここへ集められたんだよ!」
「だから、あのイベントは一人100バーツくれるって言うから、みんな集まったんだよ!」
「すぐそこにあるコムローイ屋と町役場が協力してやったイベントだよ。そこに日本の撮影隊が来てコムローイの映像を撮っていったのさ」
それを聞いていた別の女性が割って入る。
「8000個も上げるには人手が必要だろ? だから金で人を雇ったんだよ。いくらだったかな、確か100バーツだったかな」
――ここに昔、日本のテレビ局が来て、コムローイを飛ばしませんでしたか?
「覚えてる、覚えてる、ここで作ったんだよ」
――あ、ここで合っているんですね。ここはコムローイ工場なんですね?
「いや違う。場所がないからここを貸したんだ」
――え? あのー、その時は何のためにコムローイを上げたんですか?
「知らない。コムローイを知ってもらうプロモーションじゃないかな」
――プロモーション? あれ…日本の津波での被害者のためではなかったのですか?
「あ~、それもあったのかな。ツナミ。わからない」
――その時、お金はもらいましたか?
「もらったよ、住民が。名簿も作ったんだ。名簿に名前を書いて来た人をチェックしたんだ」
――その人々は、一体どうやって集めたんですか?
「日本のテレビ局が先生にお金を渡して先生が集めたんだよ。この家の家主だよ」
これが、24時間テレビで感動の東日本大震災の慰霊としてあげられたと放送されたコムローイの、現地での実情でした。
この取材結果を受けて、タブロは次のように問題点を指摘しています。
だが、問題は単なるヤラセでは済まない。
なぜならこれはバラエティ番組ではなく「24時間テレビ」である。チャリティー番組が金で人々を買収して感動物語を作っていたとなると話が違ってくる。この『ヤラセ疑惑』は、大きく2つの問題をはらんでいる。
最も重要なのは、タイの人々を愚弄しているという点だ。番組内では、あたかも「N」の人々がボランティアで日本のためにコムローイを作って上げてくれたように紹介されているが、お金を払って目的も伝えていないのであれば、大問題である。彼らにとって大切な伝統行事を自分たちの都合の良いように「利用」したということになる。町の人々は単にアルバイト感覚で手伝ってくれていただけなのだ。「日本の復興を願う希望の光」などと、どうして言えようか。
もう一つは、東日本大震災による死者への愚弄だ。あんな地獄みたいな災害が起こったその年に、こともあろうにヤラセ番組で「死者を弔う」とは、責任者は死んで侘びても許されないのではないだろうか。重要なことなのでもう一度書くが、これは2011年8月、あの大震災から5ヶ月後に放送された番組なのだ。異国タイで、目的も伝えず、ただ灯籠に火をつけた映像を撮り、死者を弔うとは……一体どのような教育を受けたら、このような発想が出てくるのだろうか?
この指摘については、筆者もその通りと思います。
バラエティー番組ではなく、チャリティー番組の24時間テレビの感動のドキュメンタリーで、東日本大震災とタイの伝統文化をともに愚弄するようなやらせをしていた実態に、問題意識を持たない方がおかしいでしょう。
日テレは現在、タブロに対し回答で
「この企画は趣旨にご賛同いただいた地元の方々の協力があって、成立したものと考えております」
以上
日本テレビ社長室広報部
とのみ回答しているということです。
この事実を受けても、この対応しかしない日本テレビ。
イッテQの問題どころではなく、24時間テレビでもこのような問題を起こし、さらに現在の対応をしている事を考えると、日本テレビの放送を信用して見る事は視聴者には出来なくなっていきそうです。日本のキー局のメディアの対応としても、大きな疑問が国際的に持たれる事となりそうです。
なお、本日報道されたコムローイ祭りのねつ造は、タイ現地でも以前から問題視されており、PJA NEWSでも以下のロイクラトンの祭りを御案内した際の過去記事のように、少し記載をしていました。
PJA NEWS)パタヤ)11月11日ロイクラトン祭り!祭りの意味の誤解に注意を (2019年9月28日)
https://pattayaja.com/2019/09/28/6673/
ちなみに、日本ではロイクラトンの祭りのうち、チェンマイなどでの気球を飛ばすのが有名になった理由の一つに、一部日本のテレビ局が人気番組で「今回のタイのチェンマイの気球には、日本の震災被害者への追悼という意味がある」という感動話として報道した事が大きな理由の一つとしてあるのですが、実際にはそんな意味はありません。
調べた所、これは一部日本のテレビ局のねつ造報道によるものですので、誤解されないよう注意してください。
参考記事)
PJA NEWS)タイメディアで、日テレ”イッテQ”のタイの祭りねつ造問題が報じられる
https://pattayaja.com/2018/11/18/1013/
上記の通り、タイのロイクラトンの時期に行われる、チェンマイの気球を飛ばすコムローイのお祭りを日本で有名にしたのは、この24時間テレビでの放送も大きな要因だったと思います。
このコムローイの祭りは、もともとはタイ全土のロイクラトンの祭りと似た趣旨のお祭りでした。
もちろん、現地の感覚で言うと、近年はタイでもロイクラトンが日本のバレンタインデーのような若い男女の日のように思われたりすることがあり、タイ政府も間違った解釈をしないようにと注意喚起したり、死者への慰霊や厄除けなどといった、新たな意味を考える人も一部にはいます。
ただ、だからといって金を払って人を集めて、それを放送で東日本大震災の慰霊のために人々が自発的に集まって、いつもコムローイを上げているかのような趣旨で日テレの24時間テレビで放送する事が、許されるわけではありません。
実際には日テレ以外のテレビ局の内部の方々でも、この24時間テレビのやらせの問題をある程度ご存知の方々は昨年末のイッテQのやらせ疑惑の騒動の頃からおられたので、どこかが出すかもしれないと思って見ていましたが、実際に現地取材で証拠を押さえて報道したのは本日のタブロが初となりました。
この日テレの実態報道に、タブロの続報に大きな注目が集まっています。
タイでは以下のワイズの問題により、タイ世論でも日本メディアの倫理観の問題が問題視されている中で、日テレの問題も噴出した事で国際的な反響となりそうです。
(「週刊ワイズ」
発行:ライディーン社 代表:西岡良樹
画像はタブロより引用)
<日本語版>
PJA NEWS)タイ)女性中傷のワイズ、タブロに回答せずツイート対応で報じられる
https://pattayaja.com/2019/10/18/7099/
<タイ語版>
PJA NEWS Thai)การวิพากย์วิจารณ์เรื่องการเปิดเผยภาพและชื่อของ หญิงสาวชาวไทย อาชญากรรมที่เกิดขึ้นในประเทศไทยเป็นเวลายาว นานด้วยฝีมือของ “WiSE รายสัปดาห์”
https://pattayaja.com/2019/10/22/7150/
(「週刊ワイズ」(発行社:ライディーン社 代表:西岡良樹)
公式ツイッターのツイート
画像はタブロ報道より引用)
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