2019年12月27日 PJA NEWS)
特報)IR汚職で贈賄容疑で逮捕の紺野昌彦容疑者、タイでの問題にも注目
Photo by Kay on Unsplash)
日本から、クリスマスプレゼントのような東京地検特捜部の嬉しい逮捕ニュースが入りました。
IR利権での贈収賄という闇に切り込み、実態の解明が多くの国民から期待される逮捕ニュースです。
一昨日のクリスマスの当日にあたる2019年12月25日、国土交通省や内閣府の副大臣を務めていた自民党の秋元司衆院議員を東京地検特捜部は逮捕しました。
秋元容疑者はIRへの参入を目指していた中国企業から現金300万円などの賄賂を受け取っていた疑いがあるという容疑で、収賄容疑での逮捕です。
現役の国会議員の収賄罪容疑での逮捕に、日本の全メディアが大きく報じています。
以下は、日本のNHKが伝える逮捕の動画ニュースです。
NHK)秋元司衆院議員逮捕 事件の構図は 記者解説【動画】 (2019年12月25日)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191225/k10012227681000.html
この逮捕に関連し、賄賂を支払った贈賄容疑で、中国の深センに本社をおき、スポーツくじなどの事業を手がける「500ドットコム」の顧問の紺野昌彦容疑者（48）と仲里勝憲容疑者（47）、それに日本法人の元取締役の鄭希容疑者（37）の３人が逮捕されました。
この3人のうち、特に日本人ブローカー役と目される紺野昌彦容疑者に大きな注目が集まっています。
以下は、それについて逮捕同日の25日に報じられたNHKニュースです。
NHK)秋元議員逮捕の事件 贈賄の疑いで逮捕された３人とは (2019年12月25日)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191225/k10012227911000.html
「500ドットコム」とは
ホームページなどによりますと、顧問らが贈賄の疑いで逮捕された「500ドットコム」は、中国・深センに本社がありスポーツくじなどの事業を手がけています。
世界135か国に6000万人以上のユーザーが登録しているとしていて2013年には創業から12年でニューヨーク証券取引所に上場し累積の販売額は3200億円に上るとしています。
おととし７月には東京都内に日本法人を設立し、その翌月に那覇市で開かれたシンポジウムでは、秋元議員とともに経営トップが基調講演し沖縄でのＩＲ整備への投資を検討している考えを明らかにしました。
また、去年１月には北海道留寿都村でリゾート施設を運営する観光会社のＩＲ誘致計画に投資を検討していることを表明し、経営トップは紺野顧問らとともに留寿都村の幹部らと面会していました。
紺野容疑者とは
関係者によりますと紺野昌彦容疑者は中国企業「500ドットコム」の顧問として活動し企業側と秋元議員や自治体などを結ぶ役割を務めていたということです。
紺野顧問はこの企業の「執行役員」の肩書の名刺を持って那覇市やＩＲの誘致を目指していた北海道留寿都村をたびたび訪れ、村の幹部らと接触していたということです。
紺野顧問はおととし８月に秋元議員と企業のトップらが基調講演した那覇市のシンポジウムの開催に関わっていたほか、おととし12月に秋元議員が中国・深センにあるこの企業の本社を訪問し経営トップと面会した際にも同行していたということです。
紺野顧問は留寿都村の関係者と面会した際には秋元議員と親しい関係にあることを強調していたほか、去年10月には「内閣府副大臣」と書かれたプレートを掲げた秋元議員とのツーショット写真をみずからのＳＮＳに投稿し、「お世話になっている方々の多くが入閣、留任されたのでご挨拶回り」などと記していました。
また「500ドットコム」のオフィスとみられる写真を投稿していたほか、留寿都村のＩＲ誘致についても投稿していました。
既に紺野容疑者らは、東京地検特捜部の取り調べに「おととし９月下旬に現金300万円を秋元議員に直接手渡した」と供述している事がNHKにより昨日の2019年12月26日に報じられています。この自供から考えると、贈賄容疑は事実の通りと見られます。一方で、秋元容疑者は収賄を否認していると報じられています。
NHK)“現金300万円直接手渡し” 秋元議員は否認 ＩＲ汚職事件 (2019年12月26日)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191226/k10012228541000.html
紺野顧問ら２人が東京地検特捜部の調べに対し、「現金300万円はおととし９月下旬に秋元議員に都内で直接手渡した」などと供述していることが関係者への取材で分かりました。
その翌月のおととし10月には衆議院選挙が行われていて、特捜部は300万円の賄賂が選挙の陣中見舞いの名目で渡された疑いがあると見て詳しい経緯を調べています。
一方、25日夜、東京拘置所で接見した弁護士によりますと、秋元議員は「一切、身に覚えがない」などと容疑を全面的に否認しているということです。
また、この紺野昌彦容疑者が顧問を務める中国企業からは、秋元容疑者にプライベートジェットまで用意され中国に移動していたことも、NHKに昨日の2019年12月26日に報じられています。
NHK)秋元議員 中国企業側が用意のプライベートジェットで移動 (2019年12月26日)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191226/k10012229441000.html
贈賄容疑で逮捕の紺野容疑者とはどんな人物か？
紺野昌彦容疑者、もともとは2008年7月に沖縄県那覇市牧志の実母のマンション内に拳銃と実弾8発を隠し持っていた銃刀法違反容疑で沖縄県警に逮捕され、その後の刑事裁判で同年9月30日、懲役2年6か月の実刑判決が下されて服役していた人物です。
その後は沖縄に東南アジアの不動産販売などを行う会社を設立し、タイではレイモンランド社から「送客・販売実績No1の称号を頂いております」と2014年に宣伝し、日本人向けにレイモンランド社の物件などを販売していました。
現在、この紺野容疑者によるタイでのレイモンランド社などとの活動の問題が、大きな話題となっています。
さらにこの紺野昌彦容疑者、実は野田内閣の折の政務官経験のある現職参院議員、室井邦彦参院議員(現在は日本維新の会)の隠し子で、室井議員自身も、子供として認知した事を認めています。この事実は昨日発売の週間文春(p218)で報じられており、ネットニュースでも以下の通り報じられています。
秋元司議員、収賄容疑で逮捕 “カジノ疑惑”のキーマンは国会議員の隠し子だった
https://bunshun.jp/articles/-/22591
この紺野昌彦容疑者が深く関与するタイのレイモンランド社。
同社は以下の過去記事でお伝えした通りタイで贈収賄容疑でPACCから捜査が進められている不動産物件”Unixx”の開発事業者で、日本の大手ゼネコンである東京建物社と共同事業をバンコクで行っている会社です。
また、日本の大手ゼネコンの三菱地所ともオフィスビル開発を共同で行うとしています。
この紺野容疑者のタイでの活動について、現在関係者に取材を進め、東京建物社にも既に取材を申し込んでいます。
IR利権に関与し逮捕された人物たちの実情がわかる続報に努めていますので、続報にご期待下さい。
追記)以下に本記事の続報を掲載しました。
PJA NEWS)タイ)東京建物、暴力団関係者の重要関与先に巨額資金供与か？ (2020年1月7日)
https://pattayaja.com/2020/01/07/8149/
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pjanews@pattayaja.com
東京建物社とレイモンランド社の看板
写真：PJAニュース<バンコク>)
東京建物社とレイモンランド社の看板
写真：PJAニュース<バンコク>)
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